借地権と底地|借地権とは|借地権関連

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借地権と底地

●A(相談員)

本日は来店頂きありがとうございます。
早速、借地権と底地について、基礎的なお話から進めていきます。
何か質問はある方はいますか?

借地権と底地の関係がよくわかりません。どのようなことでしょうか?

そういう方も多いかと思いますので、丁寧にかみ砕いて解説してみます。
まず、家が存在するためには当然土地が必要ですよね?
ただ、土地を購入するまでの資金がないような場合には、土地だけを借りて、その土地上に建物を建てて住むことを考えると思います。
そこで、地主さんに土地を貸してもらえませんか?ということで、土地の賃貸借契約を結びます。
無事、土地を貸してもらえたら、その土地の上に家を建てることができます。

土地の貸主(地主)と借地人が賃貸契約を行っている図

それで、底地と借地権はどういう関係ですか?

借地権はいたって簡単です。
家を建てる(建物所有目的)ために土地を借り、その利用する権利のことを借地権といいます。
ここでのポイントは「家を建てるため(建物所有目的)に土地を借りる」ということです。
建物所有目的で土地を借りる場合には、借地借家法という特別な法律によって借地権は手厚く保護されます。

そうなのですね。
底地はどうでしょうか?

地主さんは借地人に土地を貸します。
土地を貸しても、その土地の所有者は従前と変わらず、地主さんにあります。
ただ、その土地を利用することはできなくなってしまいますよね。

すいません、どういうことでしょうか??

例えば、地主さんが更地で土地を所有していた場合に、自分でその場所に家やビルを建てることはもちろん自由ですが、他人にその土地を建物所有目的で貸し付けた場合は、地主さんは勝手に建物を建てることができなくなるということです。

借地人と賃貸契約を行っている地主が建物を建てることはNGを表した図

なるほど。

土地の利用する権利が制限されているので、「底地」といいます。
一言でいえば、「借地権が設定された土地」=「底地」ということになります。

でも、契約期間が切れたら家を壊して出ていかなければならないのですよね?

契約期間はありますが、基本的には更新が前提とされているので、契約期間満了で出ていかなければならないケースは多くありません。

では、家を建てる時土地は買わずに、借地権で、その上に家を建てる方が金銭的にも楽でいいってことですよね?

はい。
確かに、そうとも言えます。
地主が売りたくないような好立地、都心部に借地権付きのマンションなどが増えているのも事実です。

「そうとも言えます」ということは、何かデメリットがあるのでしょうか?

借地権の場合、基本的にローンを組むことができない点です。
理由としては担保評価が低いことや、更に土地に対して抵当権(銀行の担保権)が設定できないことから、借地権の物件は一切貸さないという銀行が多いです。
※中にはローンを組める銀行もありますが、審査や条件が厳しくなります。

土地に対して抵当権が設定できないとはどういうことですか?

借地権はあくまで、家を建てることを目的として、土地の利用権を借りているだけです。
そのため、土地を借りている人には、家を建てて住む権利以外は無いということです。
土地に抵当権を設定できるのは、土地の所有者だけで、第三者が勝手に抵当権を設定することは当然できません。

ありがとうございます。
そうなのですね。いろいろ難しいのですね。

はい。
実は、「底地」という用語は法律上に規定はなく、弁護士さんなどの法律に詳しい人でも深くわかっている人は少ないのです。
実際、当社に専門家から相談が来ることが多くあります。

それはなぜですか?

底地、借地権の仕組みや概念は法律の専門家はもちろんわかっていますが、実際にどのように解決するのが一番良いかという、正解がわからないことが多いようです。
実際に底地や借地権を売却するとなった場合には、我々のような底地、借地権に詳しい専門の不動産屋さんの手を借りないと難しいですからね。

実は、私も高齢の父が土地をたくさんの人に貸しており、相続したらどうなるか不安で、今日こちらに来ています。
気を付けていた方が良い点はありますか?

Bさんは兄弟はおられますか?

はい。兄が一人います。

ご存知かと思いますが、兄弟が2人いる場合、父親の財産を2分の1ずつ相続する権利があります。
遺産分割協議により、各不動産を分割して相続できれば良いのですが、協議がまとまらず、共同所有という形になる場合には注意が必要ですね。
底地の共同所有の場合、権利が複雑に絡み合ってしまい、後々処分や売却をしようとしても、とにかく面倒になります。
可能な限り共同所有という形は避けた方が良いです。

そうなのですね。
この後少し相談に乗っていただけますか?

もちろんです。
当社は底地、借地権の専門業者として全国各地の多くのトラブルを解決してきた実績があります。
まずは、土地の状況など詳しくお話をお聞かせください。

この記事の監修者

松原 昌洙マツバラ マサアキ

代表取締役 /
宅地建物取引士

CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。借地権を始めとした不動産トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。

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