一級建築士小島さんに聞く!ホームインスペクションって何?
#01【社員インタビュー】一級建築士に聞く!ホームインスペクションって必要なの?
目次
【小島 雄一 プロフィール】
一級建築士、既存住宅状況調査技術者
20年以上の一級建築士のキャリアを活かし、当社ではアパート等の大規模な建築物の設計も手掛ける。「既存住宅状況調査技術者」の資格を取得し、借地権をはじめ、築年数の古い物件も、安心安全に取引できるようホームインスペクションにも力を入れている。
ー一級建築士が行うホームインスペクションについて教えてください
ホームインスペクションとは、いわゆる住宅診断のことです。
ホームインスペクションでは、住宅の劣化状況や修繕が必要そうな箇所を隅々までチェックし、調査報告書として資料にまとめます。
調査結果は、不動産の売買契約時に、買主様にご説明します。この調査を実施できるのは、既存住宅状況調査技術者の資格を持っている者に限られます。
既存住宅状況調査技術者は、国土交通省で定められた講習を受講し、修了考査に合格した建築士にのみ与えられる称号です。
ーホームインスペクションって、ぶっちゃけ必要なんでしょうか
ホームインスペクションは、家を売る側にとっても、買う側にとってもメリットの大きいものだと私は考えています。
やはり中古の物件を購入するとなると、「欠陥がないか」「品質は大丈夫か」という部分が最もご不安に感じる部分ではないでしょうか。
日本で、中古住宅の売買取引が少ない理由も、そこにあるんですよね。
ホームインスペクションのメリットは、そんな不安を解消できることだと考えています。
例えば、売る側のメリットとしては、
- 売却後の品質や瑕疵によるトラブルを防ぐことができる
- 不動産の適正価値がわかり、市場価格に近い相場で売却できる
- 見た目は古くても、構造上の問題がなければ解体せずに売却できる
などが挙げられます。
ホームインスペクションの結果によっては、解体せずに建物をそのままの状態で売却することができます。「解体費用が払えない」というご相談も多いため、コストを抑えて売却できる点は、売主様にとって大きなメリットになると考えます。
ー借地権の売却時にホームインスペクションが必要な理由を教えてください
借地権の場合、親の代から相続した築年数の古い相続不動産がほとんどです。
売主様としては、「できれば解体せずに売りたいけれど、ボロ家だしなあ…」「安全性に欠陥があると怖いなあ…」という気持ちで相談されます。
見た目だけではわからない箇所も、建築士ならではの専門的な視点で調査します。解体が必要なレベルか、そのままの状態でも売却できそうか、をしっかりと判断することができます。
また、所有権の不動産に比べて、借地権は購入希望者を見つけることが難しいとされています。借地権であることに加えて、さらに築年数も古いとなると、購入希望者はかなり少ないのが現実です。
買主様にとって、リスクの多い借地権の購入ですが、ホームインスペクションの調査報告書があることで、一つの安心材料になります。例えば、調査報告書の情報があることで、修繕費用やタイミングののシミュレーションがしやすくなります。
ーホームインスペクションの費用はどれくらいかかりますか
- マンション:4万~6万円程度
- 一戸建て:6万~8万円程度
- アパート一棟:8万~15万円程度
ホームインスペクションは、業者や目的によって、費用が大きく異なりますが、相場はこれくらいになりますので、参考にしていただければと思います。
※当社は売主様によるホームインスペクション費用のご負担はございません。
ー当社のホームインスペクションの内容を教えてください
外壁のひび割れから居室、浴室、トイレ、キッチンなどすべての部屋を診断していきます。劣化状況や水漏れがないか、トイレやキッチンなどの設備状態について、確認します。細かいですが、窓のサッシからの水漏れがないか、壁のシミなども入念にチェックします。
気になる箇所は、調査報告書に写真付きで、懸念事項とともに記載します。
ほとんどの場合、半日以上かかりますね。当然エアコンもない現場なので、夏は汗だくになりながら調査してます笑
事務所に帰ってからは、調査した内容を報告書にまとめます。報告書は、大体30ページ以上になることが多いですね。売買契約時には、買主様からの質問に応えながら、順番に説明していきます。気になった点と一緒にそれに対する対策もお伝えしています。
ー中央プロパティーをご利用される方に一言メッセージをお願いします!
何かとトラブルの多い借地権ですが、ホームインスペクションを通じて、少しでも安心安全な不動産売買のサポートができたら嬉しいです。
当社ではホームインスペクションを無料で実施しています。「安心・安全に高く」借地権を売却したい方は、ぜひ当社へご相談ください。