底地の売却事例―相続ではなく売却を決断した理由

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底地の売却事例―相続ではなく売却を決断した理由

底地の売却事例―相続ではなく売却を決断した理由_センチュリー21中央プロパティー

長年、東京都文京区に複数の底地を所有されてきた地主様(75歳)。

その資産の将来について、お子様たちとまだ何も話し合っていなかったそうです。漠然とした不安を抱える中で、あるテレビ番組をきっかけに、相続への向き合い方が大きく変わりました。

「子供たちに任せればいい」と思っていた

Q:まずは、相続についてご相談いただいたきっかけを教えてください。

長年不動産を所有しているので、相続は常に頭の片隅にありました。うちは子供が3人いるんですが、これだけの不動産を平等に分けるのは難しいだろうと漠然とした不安を抱えつつも、「いざその時になったら子供たちが話し合って決めてくれるだろう」と、どこか他人事のように考えていたんです。

そんなある日、テレビで相続をめぐって家族が揉めている特集を見たんです。仲の良かった兄弟が、親が残した土地のせいで顔も見たくないほどの関係になっていて…。財産が、家族の絆を引き裂く道具になってしまう様子を目の当たりにして、本当に衝撃を受けました。あれを見て、「もしこのまま何もせずにいたら、自分の子供たちもそうなってしまうかもしれない」と、強い危機感を覚えました。それが、御社に相談する一番のきっかけですね。

Q:底地のまま相続することに、どんなリスクを感じていましたか?

一番怖かったのは、子供たちの関係が悪くなってしまうことです。複数の底地を公平に分けるのは非常に難しく、どうしても不公平感が出てしまいます。一つ一つの土地の価値も違いますし、中には借地人や隣地とトラブルを抱えているものもあります。それが原因で子供たちが「あの子の土地の方が価値が高い」「どうして私だけ管理が大変な土地なの?」と仲違いしたら、後悔してもしきれません。

また、相続税も大きな心配事でした。複数の土地の評価額はかなりの金額になります。現金がなければ、せっかく引き継いだ土地を、納税のために手放さなければならなくなるかもしれません。そんなことになったら、子供に負担をかけることになってしまいますからね。子供たちに負の遺産を残すことだけは避けたかったんです。

家族の「本音」に初めて向き合った

Q:お子様はどのようなご意向だったのでしょうか?

御社の担当者さんが「まずはお子様たちの気持ちを伺ってみませんか?」と提案してくれたときは、正直驚きました。まさか、第三者の力を借りて家族で話すことになるとは思っていなかったので。

でも、これが大きな転機でした。子供たちと話す機会をつくってもらい、それぞれが底地を相続することについて将来どう考えているのか、初めてじっくり聞くことができたんです。子供たち三人全員が口を揃えて「今更底地をもらっても活用できないし、管理も大変だから不動産は要らない」とのことでした。

正直、少しショックでもありました。私が一生懸命守ってきた土地なのに、子供たちにとっては「負の遺産」になりかねないものだったんだと。彼らが求めていたのは、現金で相続したいという意向でした。彼らの正直な気持ちを聞けたおかげで、売却を真剣に検討するきっかけになりました。

売却は「プロに任せる」のが安心

Q:具体的な売却の流れは、どのように進みましたか?

まず、御社に所有している複数の底地の価値を査定してもらい、売却金額の目安を知ることができました。一つ一つの土地の状況を丁寧に見ていただき、借地人との関係性まで考慮した詳細な査定レポートを提出してくれたので、子供たちも納得してくれました。その金額を基に、「この金額なら売却しよう」と全員が合意できたので、次のステップに進むことができました。

その後の借地人との交渉は、すべて御社にお任せしました。自分たちで交渉するのは、感情的になってしまう可能性がありますからね。専門的な知識と交渉力で、借地人ともスムーズに話を進めてもらえたと聞いています。借地人一人ひとりと丁寧にコミュニケーションを取ってくれたおかげで、大きなトラブルもなく、交渉がまとまったと伺っています。

交渉がまとまった後は、売買契約と決済まで、全て御社がサポートしてくれたので、私たちはほとんど手間をかけることなく手続きを終えることができました。書類の準備や手続きの進捗も、細かく連絡してくれたので、何も心配することはありませんでした。本当に安心でしたね。

Q:底地の売却は、ご自身でできるものですか?

それが、なかなか難しいんです。借地人がいることで、土地の活用に制限がありますから、通常の不動産取引とは全く難易度が違います。

だからこそ、中央プロパティーさんに相談して本当に良かったと思っています。借地人との交渉から売買手続きまで、すべてお任せできたのは本当に助かりました。プロに任せることの重要性を痛感しましたね。

「現金化」がもたらした家族の安心

Q:不動産を売却することに、迷いはありませんでしたか?

正直なところ、代々受け継いできた土地だったので、手放すことには少し寂しさもありました。文京区の土地には、私自身や家族とのたくさんの思い出が詰まっていますからね。

ですが、それ以上に、子供たちが将来、この土地の管理や相続で揉めるかもしれないという不安の方が大きかったんです。売却して現金化すれば、それぞれの子供たちが好きなように使えますし、なにより、不公平感がなくなると考えました。家族の笑顔と未来のために、分割しにくい不動産を手放すことも必要なのだと腹をくくりました。

Q:売却後の資金は、どのように活用される予定ですか?

相続の対象である底地をすべて現金化しました。現金ならそれぞれの子供が自由に使えるので、不公平感がなく、誰もが納得できる一番良い形だと思いました。

これで子供たちの将来の負担をなくしてあげられると思うと、本当に安心しました。子供たちも、将来の資金として活用できると喜んでくれています。

「最良の相続」は、子供の笑顔だ

Q:今回の経験を通して、改めて相続についてどうお考えですか?

相続は、ただ財産を分けることだけではないと気づきました。それは、子供たちの将来の負担をなくし、笑顔でいられるようにしてあげること。それが親としてできる、最良の相続なんだと。

今回の件で、子供たちの絆がより一層深まったように感じています。将来の不安が解消され、本当に安心しました。私と同じように相続に悩んでいる方がいらっしゃったら、まずはお子様と本音で話し合い、そして私たち親子のように、専門家の力を借りて、最善の解決策を見つけることをお勧めしたいですね。

相続は、家族にとって大切な未来へのバトンです。そのバトンを、争いではなく笑顔で受け渡せるよう、早めに行動を起こすことが何よりも重要だと心から思います。

この記事の監修者

吉村 正炫

宅地建物取引士

【相談実績:500件以上】
お客様一人一人の立場に寄り添い、借地権に関する問題や不安をしっかりと理解しながらサポートすることを大切にしています。売却や契約更新、トラブルの解決など、複雑な手続きも安心して進めていただけるよう、わかりやすく丁寧にご説明します。お客様が最適な選択をできるよう、一緒に考え、信頼していただけるよう努めています。どんなお悩みもお気軽にご相談ください。

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