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【弁護士Q&A】借地権付き建物のリフォームについて教えてください。

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コンテンツ番号:13511

【弁護士Q&A】借地権付き建物のリフォームについて教えてください。

質問 現在、借地権付きの戸建てに住んでいます。 築年数が40年を超え、そろそろ建て替えかリフォームしたいと考えています。その場合、地主の許可は必要なのでしょうか? 小規模なリフォームであれば、地主の許可は不要なのでしょうか?

借地人が借地上にどういう条件で建物を建てられるのか(借地条件)は、借地契約の中の特約で合意します。
借地上の建物の増改築には地主の承諾が必要である旨の特約(増改築禁止特約)が存在する場合には、借地人は、この特約に従う義務を負い、地主に無断で増改築工事を行った場合には、契約解除となるリスクがあります。建替えは『改築』に該当しますので、地主の承諾を必要とする対象となります。地主から建て替えの承諾を得るにあたり、地主に増改築承諾料を支払うことが一般的です。具体的な承諾料は当事者の合意で決まりますが、概ね更地価格の3~5%程度が相場と言われています。
これに対し、リフォーム工事については、簡単な雨漏り修理など小規模なものであれば、地主の承諾が必要な『増改築』に当たらないが、大規模な修繕工事になる場合は、『増改築』に該当し、地主の承諾が必要だと考えられています。
とはいえ、地主からすると、行われているリフォーム工事が小規模か大規模かの判断は難しく、実際は小規模なのに大規模な工事だと誤解して、無断増改築を理由に契約解除を言い出す可能性もありますから、小規模なリフォーム工事であったとしても、どういう工事をするかを事前に地主に伝えておく方が安全です。 以上のとおり、増改築禁止特約が存在する場合は、地主の承諾がない限り増改築は出来ないのが原則ですが、他方で、借地契約が長期にわたる中で、法令の変更や周囲の土地利用状況の変化等に伴い、増改築を行う必要が生じることは十分あり得ます。その場合に、地主の承諾が得られないことで一切の増改築が認められないという事態は、社会的にも望ましいことではありません。
そこで、借地借家法では、一定の要件のもと、借地人の申立てにより、増改築について、地主の承諾に代わる許可を裁判所が行なう制度が設けられています(借地借家法17条2項)。
但し、工事資金の融資調達を予定している方は、この制度を利用している時点で金融機関側が融資に消極的になりますし、既に地主との対立が深刻化しているため、金融機関から提出を求められる地主の承諾書の取付けも困難ですので、注意してください。

まとめ

  • 借地契約の中に増改築禁止特約が存在する場合、建替えには地主の承諾が必要です。また、承諾を得るにあたり、地主に対して増改築承諾料を支払うことが一般的です。

  • リフォーム工事に関しては、その規模や内容によっては、地主の承諾が必要になる場合があります。

  • 地主が増改築の承諾をしない場合、裁判所に代諾許可を求めることが出来る制度が存在します。

この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する相続人への支援を担当。これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた相続のプロフェッショナル。

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