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底地の相続はデメリットが多いって本当?

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底地の相続はデメリットが多いって本当?

底地(そこち)は、土地と建物が異なる名義で混在しているため、権利関係が複雑で相続時に親族間や借地人とトラブルになることがあります。

昨今では底地を相続するとトラブルになりやすいため、底地を相続したくない、底地を売却して現金で相続したいと親族から言われるケースも多いです。

本記事では、底地の相続についてメリットとデメリットついて詳しく解説します。底地の相続によりご遺族のトラブルを防止したい方、底地を相続する予定のある方のご参考になれば幸いです。

<この記事でわかること> 

  • 底地相続時の注意点
  • 底地相続のメリットデメリット
  • 底地の相続税の計算方法
  • 底地の相続税対策方法

1.底地とは

底地とは、所有者(地主)以外の第三者が土地を使用する目的で、借地権が設定されている土地です。借地権は、借りた土地に建物を建てて自由に使用できる権利のことで、借地権を有する方を「借地人」や「借地権者」といいます。

底地の権利関係を整理すると下記のようになります。

  • 底地の所有者:地主
  • 建物の所有者:借地人 ※土地を使用できる権利(借地権)

一般的に底地を所有する地主は、借地人と土地賃貸借契約を結んでいるため、借地人から地代収入を得ています。地主は先祖代々からなる土地を受け継いでいることが多く、その広い土地を区割りして複数の借地人に貸し出して「地主業」営んでいます。

また、底地のことを「貸宅地」とも言います。

2.底地を相続するメリット

底地を相続すると、借地人から定期的に賃料収入を得られることがメリットです。

借地人が底地上に建物を建てて自宅や事務所として利用している場合、数十年の使用が見込まれるため、長期にわたって賃料収入が得られるでしょう。安定した賃料収入は、老後の年金対策になります。

また底地を相続する場合は「小規模宅地等の特例」の活用により、一定の面積まで相続税評価額を減らすことが可能です。底地は「貸付事業用宅地等」に該当し、面積200㎡までの土地の相続税評価額を50%まで減らせます。

つまり相続税評価額が1億円の土地を相続した場合でも、土地上に借地人の建物があることによって、評価額が5,000万円の土地を相続したとして計算できるということです。

小規模宅地等の特例は、相続税を大きく節税できる一方で適用されるための条件が複雑です。小規模宅地等の特例を使えるか気になる方は、中央プロパティーにお問い合わせしてください。

3.底地を相続する5つのデメリット

底地を相続する以下5つのデメリットについて解説します。

  • 借地人とのトラブル
  • 相続人とのトラブル
  • 相続税の対象となる
  • 管理の負担が大きい
  • 売却しにくい

3-1 借地人とのトラブル

土地の賃貸借契約では借地人の権利が強く守られているため、相続によって借地人と以下のようなトラブルを抱える可能性があります。

  • 地代が滞納される
  • 更新料が支払われない
  • 土地賃貸借契約を解約したくてもできない

賃料収入を受け取れることが底地のメリットですが、借地人が滞納すると賃料収入を得られません。滞納された地代を受け取るためには、催告状の送付や訴訟の提起など行わなければならず非常に手間がかかります。

また借地人が地代を滞納していたとしても、簡単に賃貸借契約を解除することはできません。借地借家法では、地主よりも借地人の権利を強く保護しており、1〜2ヶ月程度の滞納では契約の解除は認められないでしょう。

一般的におよそ6ヶ月の滞納や何度も地代を滞納していなければ、債務不履行を理由とする地主側からの賃貸借契約解除は認められない可能性が高いです。

3-2 相続人とのトラブル

底地の相続人が2人以上いる場合、相続人同士で以下のようなトラブルに発展する可能性があります。

  • 賃料収入の分配割合で揉める
  • 底地の扱いに関しても揉める

底地の相続人が2人以上になると、賃料収入の分配割合が折り合わず、収益の取り合いになる可能性があります。賃料収入が多額で、底地の管理を1人の相続人が負担しているなどの状況だとより、分配割合で揉める可能性が高まるでしょう。

また相続した底地の扱いについても、方針が割れる可能性があります。相続人Aは売却してまとまった現金を手に入れたい、しかし相続人Bは現在のまま賃料収入を得続けたいといったケースが考えられます。

底地の売却は、相続人全員の同意がなければ行えません。そのため相続人が複数いると議論が平行線をたどり、いつまでたっても相続問題が解決しなくなってしまいます。

相続人同士のトラブルを避けるためには、底地の相続は1人の相続人が単独で行うことがおすすめです。底地の所有者が1人であれば、収益の分配割合や相続後の扱いに関してトラブルになることはありません。

3-3 相続税の対象となる

底地は相続財産の対象のため、相続すると相続税の支払い義務が課せられる可能性があります。

特に駅近や都心をはじめとした地価が高いエリアの底地を相続すると、多額の相続税支払い義務が課せられるため、事前に現金を準備するなどの対策が必要です。

3-4 管理の負担が大きい

底地を相続すると、相続人が以下のような管理をしなければならず負担が大きいです。

  • 地代の確認や契約の管理
  • 地代滞納者への督促対応
  • その他借地権者との調整・交渉

借地人が地代の滞納をしていなくても、毎月の地代の入金確認や契約の管理などの手間がかかります。

また借地人が1度でも地代を滞納すると、管理の負担が大きくなります。地代を回収するためには、借地人への催促や裁判所への申し立てなどを行わなければなりません。

また近年の固定資産税や都市計画税の値上がりに合わせて、地代の増額請求をしても借地権者に断られてしまうと悩んでいる地主が多いです。

地代の値上げ交渉に借地人が応じない場合、賃料増額調停を経て場合にっては裁判所に申立てなければならず、底地を相続すると管理のいろんな負担が非常に大きくなります。

3-5 売却しにくい

底地は売却しにくいこともデメリットです。先述したように借地人の権利は非常に強いため、借地人に問題がなければ地主から土地賃貸借契約を解除することはできません。

借地権の設定されている土地を購入しても自由に使用できず、事業用不動産としての利回りも低いため、購入するメリットが薄く売却しにくいのが現状です。

売却しようとすると、相場の土地よりも大幅に値下げしなければならないケースが多く、売却価格によっては相続税額よりも売却金額の方が安くなってしまうこともあります。

4. 底地の相続税評価額の計算方法

底地の相続税評価額の計算方法について理解するために、以下の3つを解説します。

  • 相続税評価額とは
  • 相続税評価額の計算方法
  • 底地の評価額が低くなる理由

4-1  相続税評価額とは

相続税評価額とは、相続税額を算出するための元となる価格です。

相続財産には、現金や預貯金のような現在の金銭価値が明確にわかる財産だけでなく、土地や有価証券など現在の価格がすぐにわからない財産も含まれます。

正確な相続税額を算出するためには、現在の価値がわからない財産の価格も明らかにしなければなりません。価格を明らかにする方法は、財産の種別ごとに決められています。その方法によって、相続税額を計算するために算出された価格が「相続税評価額」です。

4-2  相続税評価額の計算方法

底地は専門用語で「貸宅地」といい、下記の式で相続税評価額を計算します。

  • 自用地評価額×(1-借地権割合)

自用地とは地主が自分のために利用している土地のことです。底地の相続税評価額を求めるためにまずは、自用地としての評価額を求める必要があります。

自用地評価額を求める計算式は「路線価方式」と「倍率方式」の2つです。路線価が決まっているような市街地にある宅地は「路線価方式」を用いて、路線価が定められていない宅地は「倍率方式」を用います。

路線価方式では路線価に奥行・角地を考慮した補正率をかけて求めます。倍率方式では、固定資産評価額に一定の倍率をかけて求めます。

自用地評価額が算出できたら、次に底地(貸宅地)の評価額を算出しましょう。

先述したように底地には、地主が持つ土地の「所有権」と借地人の「借地権」が混在しています。自用地の場合は、借地人がいないため所有権の割合が100%で借地権の割合が0%です。

底地の借地権の割合は、国税庁の路線価図で確認が可能です。路線価図では借地権の割合を、Aの90%〜Gの30%までの7段階で定められており、地図上で「700C」のように記載されています。

数字の単位は「千円」で、アルファベットがその土地の借地権の割合を表します。「700C」の場合は、その土地の1㎡の価格が「700千円=70万円」で、借地権割合が70%ということを示しています。

仮に下記条件の底地を相続した場合の相続税評価額をシミュレーションしてみましょう。

  • 1㎡あたりの路線価:70万円
  • 借地金割合:70%
  • 相続した土地の面積:200㎡

※小規模宅地等の特例は考慮しません

計算式は「(70万円×200㎡)×(100%-70%)」となり、相続税評価額は「4,200万円」です。

4-3 底地の評価額が低くなる理由

底地(貸宅地)の相続税評価額を求める式を見て分かるように、借地権を考慮するため底地の評価額は低くなります。

つまり同じ土地を相続したとしても、自用地として相続したケースと底地(貸宅地)として相続したケースとでは、相続税評価額は大きく異なります。

5. 底地の相続と贈与の違い

底地は相続以外にも、贈与によって所有権を取得する場合があります。ここでは以下の3つについて解説します。

  • 相続と贈与の違い
  • 贈与税の計算方法
  • 贈与税を非課税にする方法

5-1  相続と贈与の違い

底地を相続した場合の相続税は、底地を含めた全相続財産を考慮して算出します。一方で贈与で底地を取得した場合の贈与税額は、底地の評価額のみで算出できます。

相続と贈与どちらで取得した方が良いかは、財産状況によるため一概には言えません。ここでは明確に比較ができる「登録免許税」と「相続税と贈与税の違い」について解説します。

5-1-1 登録免許税

登録免許税は、土地の所有者を変更した際に生じる税金です。相続と贈与の登録免許税の税率は異なります。

  • 相続で取得した場合の登録免許税=固定資産税評価額×0.4%
  • 贈与で取得した場合の登録免許税=固定資産税評価額×2%

贈与で土地を取得した方が登録免許税は高くなります。

5-1-2 税率

相続税は、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人)を超えた部分に、10%〜55%の税率が課せられます。

基礎控除を超えた課税価格税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

参考:No.4155 相続税の税率

贈与税も基礎控除額(110万円)を超えた部分に税率をかけて求めます。税率は贈与者によって異なり、一般税率と特例税率があります。

特例税率は、祖父母や父母の直系尊属から18歳以上の子や孫に贈与した場合に用いられ、それ以外の贈与の場合には一般税率を適用します。

一般税率

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円

参考:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

特例税率

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

参考:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

基礎控除額の価格が1,000万円で比較すると、相続税の税率は「10%」なのに対し、贈与税は特例税率であっても「30%+控除額90万円」と負担が大きいです。

一概には言えませんが、相続で底地を取得した方が支払う税金を安く抑えられる可能性が高いでしょう。

5-2  贈与税の計算方法

贈与税の計算は以下の3ステップで行います。

  1. 1月1日〜12月31日までの1年間に贈与された財産の額を合計する
  2. 財産の合計額から基礎控除額の110万円を控除する
  3. 課税価格が算出できたら贈与税の税率をかける

先述したように贈与税の税率は、贈与者によって異なります。詳しくは前項を確認してください。

5-3  贈与税を非課税にする方法

相続時精算課税制度を活用すると、2,500万円まで贈与税が発生しません。相続時精算課税制度を活用するための条件は以下の2つです。

  • 一定の書類を添付して確定申告を行う
    ※贈与税の確定申告の期限:最初に贈与を受けた年の翌年の2月1日〜3月15日
  • 原則として60歳以上の父母・祖父母から20歳以上の子・孫に対して贈与する

贈与者ごとに暦年課税(基礎控除額110万円)を適用するか、相続時精算課税制度を適用するかを選択できます。ただし1度相続時精算課税制度を選択すると、暦年課税に戻すことはできません。

また2,500万円を超える贈与を行うと、超えた部分には一律20%課税されます。仮に相続時精算課税制度を適用して、3,000万円の贈与を受けたとしましょう。

3,000万円のうち2,500万円までは非課税となり、残りの500万円に対して20%の税率がかかり100万円の贈与税を納めなければなりません。

相続時精算課税制度は、2024年1月1日以降税制改正によって制度の内容が見直される予定です。詳しくは国税庁の資料を確認するか、最寄りの税理士事務所までお問い合わせください。

6.相続した底地を売却する方法

相続した底地の売却は難しいと説明しましたが、決して売却できないわけではありません。ここでは相続した底地を売却する下記3つの方法について解説します。

  • 底地を借地人に売却する
  • 底地の買取業者に売却する
  • 投資家等の第三者に売却する

6-1 借地人に売却する

借地人に売却する方法があります。借地人が底地を購入するメリットは以下の2つです。

  • 地代・更新料もなくなり、何よりも地主の承諾等が不要になる。
  • 土地と建物が同一名義の完全所有権の不動産になる。

上記のメリットを提示すれば、借地人が底地を購入してくれる可能性は高まります。ただし、借地人が底地を買い取る場合の買い取り価格は、更地価格の50%〜70%が相場です。

安く購入したい借地人と高く売りたい地主と考え方が真逆のため、納得する価格での売却は難しいです。

ただ底地は一般市場で売却しにくいことに加え、売却するためには相場価格より著しく低い値段設定をしなければならないケースが多いです。

一般市場で売却するよりも、借地人の買い取り価格が高ければ、希望価格より安くても借地人に売却するメリットはあります。

6-2 底地の買取業者に売却する

底地を専門にしている買取業者に売却する方法もあります。専門業者は自社で買い取るため、底地であっても速やかに売却ができます。

買取業者のビジネスモデルは、安く土地を仕入れ高い価格で転売することです。そのため買取業者の言い値でないと売却できない可能性が高いです。

速やかに底地を現金化したい場合は、買取業者への売却を検討しましょう。

6-3 投資家等の第三者に売却する

投資家をはじめとした第三者への売却は、不動産の仲介業者に相談するところからはじまります。仲介業者は買取業者とは異なり、売主の代わりに高値で買い取ってくれる買い手を探してくれます。

これまで解説した3つの選択肢の中では、最も高額で売却できる可能性が高いのが第三者である投資家への売却です。そのため売却先を検討する際は、必ず仲介業者を含めましょう。

まとめ

この記事では、底地の相続について詳しく解説しました。

底地とは、借地権が設定されている土地で、所有者である地主が自由に利用できない土地です。底地は安定した地代収入が得られる一方で、以下5つのデメリットがあります。

  • 借地人とのトラブル
  • 相続人とのトラブル
  • 相続税の対象となる
  • 管理の負担が大きい
  • 売却がしにくい

上記のようなデメリットを解消するためには、底地の売却に強みを持つ仲介業者へ相談するのがおすすめです。中央プロパティーは、独自の投資家ネットワークを構築しており、買取業者よりも高値で売却しやすいことが強みです。

それに加えて売主様(地主)からは一切手数料を受け取っていないため、高額な手数料で受け取る金額が減ってしまう心配もありません。

底地売却の相談先がわからないという方は、1度底地売却の専門業者である中央プロパティーまでお問い合わせください。

この記事の監修者

福島 健太フクシマ ケンタ

税理士

税理士。東京税理士会品川支部所属。日本税務会計学会訴訟部門所属。福島健太税理士事務所代表。不動産デベロッパーから税理士に転身した経歴をもつ不動産と税のスペシャリスト。借地権を相続される方が相続税を、また相続した借地権を売却した際に発生する所得税について相談する税理士として多くの顧客を得る。趣味は釣り。

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