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【弁護士Q&A】地代の未払いは不利になりますか?|弁護士Q&A

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【弁護士Q&A】地代の未払いは不利になりますか?

借地権における裁判について相談です。
50年以上続いている借地に実家が建っています。地主が代替わりし、突然土地を返して欲しいと言われました。現在空き家で放置しているものの、借地権割合は50%で、更地で売却しても1千万円強です。ただで手放したくはないです。地主と揉め始めてから地代は払っていません。
借地権の返還を求められていることに対して、裁判で争うことを考えています。裁判をする価値があるのか教えてください。また、負けてしまったら地主の裁判費用も負担しなければならないのか教えてください。

借地契約の契約期間中に関しては、本来、地主が自身の都合で一方的に契約を打ち切ることは出来ませんが、本件の場合、ご相談者様が、地代の支払いを停止しているとのことですので、債務不履行を理由に借地契約が解除されるリスクがあります。

借地契約が解除されたら、その時点で借地権は消滅することになりますので、ご相談者様の責任と負担で、借地上の建物を解体収去した上で、更地にして返還しなければならなくなります(民法622条、599条1項)。

判例上、不動産賃貸借契約の解除に関しては、債務不履行があっても、信頼関係が破壊されていない場合は、契約解除は認められないとする『信頼関係不破壊の法理』が採用されていますが(最高裁昭和30年9月22日判決)、地代の不払いが続けば、信頼関係が破壊されたとして、契約解除が認められてしまいます。契約解除を回避し、借地権を確保するためにも、どんなに地主と揉めていても、地代の支払いは履行するべきです。

さて、もし、地主の要求が、『もうすぐ契約の更新時期だが、更新の意思はないので立ち退いて欲しい』というものであった場合、借地人としては、契約の更新を求めて裁判することが考えられます。

この点、借地借家法では、地主による契約更新の拒絶には正当事由が必要であると定められています(借地借家法6条)。

但し、正当事由の有無は、まずは、地主側の土地使用の必要性と、借地人側の土地使用の必要性との比較で判断し、それだけでは判断が難しい場合に、補完要因として、立退料の提供等が考慮されることになります。

本件の場合、地主側の土地使用の必要性は不明ですが、空き家にしているということからすると、ご相談者様の土地使用の必要性も強い訳ではないので、地主側がある程度の立退料を提供すれば、更新拒絶が認められる可能性が高いと予想されます。地主勝訴の判決の場合は、訴訟費用は敗訴した借地人の負担とされることが多いです。立退料の話し合いがつくようなら、裁判を回避する方が得策かと考えます。

なお、借地借家法では、契約終了時の借地人から地主に対する建物買取請求権を定めていますが(借地借家法13条1項)、地代未払いで契約解除になった場合はこの制度は使えませんのでご注意ください。

まとめ

  • 判例の法理を前提にしても、地代未払いが続くと、借地契約が解除されるリスクがあります。借地権を維持するためには、地代の支払いの履行を行なうべきです。
  • 契約更新拒絶の正当事由の有無は、まずは双方の土地使用の必要性で判断されます。借地人側の土地使用の必要性が低い場合、立退料の提供があれば地主勝訴の判決になる可能性が高くなります。

この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する人への支援を担当しており、これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた経験がある。
相談者の立場に立ち、不利な点も含め、必要な事実を正確に説明する高いプロ意識に定評がある。

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