「地代が安すぎる」と悩む地主へ!地代増額請求のタイミングと成功事例|借地人とのトラブル
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「地代が安すぎる」と悩む地主へ!地代増額請求のタイミングと成功事例

目次

「長年、地代を上げていない」「周りと比べて明らかに安い気がする」

そう感じながらも、借地人との関係悪化を恐れて何も言い出せない地主の方は少なくありません。

しかし、地代の据え置きが続くことで、

  • 固定資産税や都市計画税だけが上昇
  • 実質利回りが極端に低下
  • 相続後に“負の資産”になってしまう

といった問題が現実に起きています。

本記事では、地代が安くなりがちな理由から、増額請求の法的根拠、適切なタイミング、そして実際の成功事例までをわかりやすく解説します。

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「地代が安すぎる」よくある3つのケース

なぜ、多くの地主様が「地代が安い」という悩みに直面するのでしょうか。

主な理由は以下の3つです。

1. 物価と税金の変動:契約当時と現在の経済状況の乖離

地代の契約が数十年前に結ばれたまま、一度も更新されていないケースです。

当時の1万円と現在の1万円では価値が異なります。

また、インフラ整備や都市開発が進んだことで、当時の経済状況とは前提条件が大きく変わっていることが原因です。

2. 近隣相場とのズレ:周辺の開発により地価だけが上昇

かつては郊外だった土地が、新駅の開設や大型商業施設の進出により「一等地」に変わることがあります。

土地の評価額(固定資産税評価額)が跳ね上がっているにもかかわらず、受け取る地代が昔のままだと、実質的な収益性は著しく低下します。

3. 「情」による据え置き:先代からの付き合いで言い出せなかった背景

「お互い様だから」「先代同士が仲良かったから」という理由で、あえて低額に抑えてきたパターンです。

しかし、相続が発生し代替わりをすると、納税負担や管理コストの面から、感情だけでは維持できない現実が浮き彫りになります。

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地代は勝手に上げられない?地主が知っておくべき法的ルール

借地借家法における「地代増額請求権」とは

借地借家法32条では、一定の条件を満たせば、地主・借地人の双方に賃料(地代)増減額請求権が認められています。

重要なのは、
「契約で地代を定めていても、永久に固定されるわけではない」
という点です。

地代増額が認められる代表的な理由

法律上、次のような事情があれば地代増額請求が可能とされています。

  • 周辺の地代相場と比べて著しく低い
  • 固定資産税などの公租公課が上昇した
  • 土地価格(地価)が上昇した

これらは裁判所でも判断基準として用いられる、客観的な理由です。

注意すべきなのは、
「今日から地代を上げます」と一方的に通知することです。

よくある失敗例として、

  • 内容証明郵便をいきなり送る
  • 根拠の説明がない
  • 相場とかけ離れた金額を提示する
    といったケースがあり、結果として借地人との関係が悪化してしまいます。

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地代増額を請求できる3つの正当なタイミング

「いつ切り出すべきか」は非常に重要です。

以下のタイミングは、交渉の説得力が最も高まる時期です。

1. 固定資産税・都市計画税が増税されたとき

3年に一度の「評価替え」のタイミングなどで税額が上がった時は、最も客観的な交渉材料になります。

「税金の支払いが苦しいので、その分を一部負担してほしい」という理屈は、借地人にとっても理解しやすいものです。

2. 土地の価格(地価)が著しく上昇したとき

公示地価や路線価が大幅に上がったタイミングです。

再開発や新路線の開通など、目に見える変化がある時は、借地人も「地価が上がっていること」を認識しているため、交渉がスムーズに進みやすくなります。

3. 近隣の地代相場と比較して明らかに低いとき

周辺の同様の借地物件の賃料を調査し、自社の地代が著しく低いことが判明した時です。

「周辺はこれくらいが相場です」とデータを示すことで、不当な値上げではないことを証明できます。

【重要】更新時期まで待つ必要はない
「地代の改定は契約更新のタイミングでしかできない」と思われがちですが、法律上は契約期間中であっても、正当な理由があればいつでも請求可能です。

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地代増額請求を成功させるための4ステップ

トラブルを避け、円滑に増額を実現するための手順を解説します。

ステップ1:地代相場の調査

まずは「いくらが適正か」を把握します。一般的には以下の指標が参考にされます。

  • 公租公課倍率法:
    固定資産税・都市計画税の合計額の3〜5倍程度(住宅地の場合)。
  • 期待利回り法:
    土地価格に一定の利回りを乗じて算出。
    これらを専門的な知識に基づいて計算し、根拠を固めます。

ステップ2:借地人への誠実な打診

いきなり弁護士名義で内容証明を送ると、相手は身構えてしまいます。

まずは手紙や対面で、「現在の税負担がこれだけあり、経営上厳しいので相談したい」と、誠実な姿勢で相談を持ちかけましょう。

ステップ3:根拠資料の提示

口頭での説明だけでなく、視覚的な資料を提示します。

  • 過去数年間の固定資産税の領収書の写し
  • 周辺の公示地価の推移グラフ
  • 近隣の成約事例データ
    これらを用意することで、「地主のわがままではない」という納得感を与えられます。

ステップ4:地代改定合意書の締結

合意に至ったら、必ず書面(合意書・覚書)を残しましょう。

  • 新地代の金額
  • いつからの分に適用されるか
  • 今後の改定に関する取り決め

書面に残すことで、将来のトラブルを回避することができます。

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【成功事例】こうして地代アップを実現した

事例A:30年間据え置きだった地代を1.5倍に改定

都内住宅地の地主様。30年間月額2万円だった地代が、近隣相場の半分以下になっていました。

固定資産税の増税分を具体的に数字で示したところ、借地人様も「今まで安く借りられていた」と理解を示してくださり、1.5倍の3万円で合意に至りました。

事例B:専門家を介して客観的なデータで合意

「絶対に値上げは認めない」と頑なだった借地人様。専門のコンサルタントが入り、不動産鑑定士による鑑定評価書を提示。

「もし裁判になった場合、この鑑定額で判決が出る可能性が高い」という客観的な見通しを伝えたことで、借地人様も納得し、相場通りの増額に成功しました。

事例C:3年かけて段階的に増額する譲歩案

一気に3割の増額を求めましたが、借地人の生活を圧迫すると平行線の議論が続いていました。

そこで、「今年は1割、来年はさらに1割、再来年に目標額」という3段階のステップアップ案を提示。借地人の心理的・経済的負担を軽減することで、円満に合意できました。

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増額を拒否された場合は「調停」「供託」を検討しよう

地代増額の話し合いは、誠実に進めていても必ずしも合意に至るとは限りません。


特に借地契約は長期にわたることが多く、借地人側が「今まで通りで問題ない」と強く主張するケースも少なくありません。

話し合いがどうしても平行線になる場合、感情的に対立を深めるのではなく、法的に用意された手続きを冷静に活用することが、結果的に双方にとって最善となる場合があります。

話し合いがまとまらない場合の「民事調停」とは

地代増額請求については、いきなり訴訟を起こすことはできません。


借地借家法に基づく賃料増減額請求事件では、「調停前置主義」が採られており、まずは裁判所の民事調停を経る必要があります。

民事調停では、裁判官1名と、法律や不動産実務に精通した調停委員(通常2名)が間に入り、以下のような資料・事情を踏まえて協議が進められます。

  • 固定資産税・都市計画税の推移
  • 近隣地代相場や鑑定評価
  • 契約締結からの経過年数
  • これまでの地代改定の有無
  • 地主・借地人それぞれの事情

調停の特徴は、「勝ち負け」を決める場ではなく、裁判になった場合の見通しを踏まえた“現実的な落とし所”を探る場である点です。

そのため、当事者同士では感情的に対立していたケースでも、第三者である調停委員の説明によって、冷静に合意できるケースは非常に多いのが実情です。

「継続賃料」の考え方|極端な増額ができない理由

調停や訴訟で裁判所が地代を判断する際に用いられるのが、「継続賃料(けいぞくちんりょう)」という考え方です。

継続賃料では、次のような要素が総合的に考慮されます。

  • これまで長期間継続してきた賃貸借関係
  • 借地人が土地上に建物を所有し、生活・事業の基盤としている点
  • 過去の地代水準と改定の経緯
  • 経済事情の変動の程度

その結果、
「相場から見ればもっと高くてもおかしくないが、急激な負担増は避ける」という判断がなされることが多く、増額幅は段階的・抑制的になる傾向があります。

つまり、裁判所に委ねた場合、

  • 増額が否定される可能性は低い
  • ただし、地主が想定していた満額が認められるとは限らない

というのが、実務上の現実です。

この点を理解したうえで、調停前に「どこまで譲歩できるか」を整理しておくことが重要になります。

「供託」への対応は注意が必要

地代増額に納得しない借地人が取ることのある手段が、地代の「供託(きょうたく)」です。

供託とは、「増額には同意しないが、賃料不払いと評価されるのは避けたい」という場合に、借地人が従前の地代額を法務局に預ける手続きを指します。

借地人が供託を行うと、形式的には「賃料を支払っている」扱いとなるため、地主は滞納を理由とした契約解除ができなくなります。

ここで重要なのが、地主側の対応です。

供託された地代を何も言わずに受け取ると、「現在の地代で満足した(増額請求を撤回した)」とみなされるリスクがあります。これを防ぐため、「増額請求の効力を争う旨の異議を留めて受領する」という手続きを行う必要があります。

また、後に増額が確定した場合、確定した金額と既に支払われた(供託された)金額との差額については、年10%の利息(借地借家法第11条第2項)を付けて支払わせる権利が地主側にあります。

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地代の増額請求は、地主様にとって精神的なエネルギーを要する作業です。

しかし、本来得られるべき収益を得られない状態を放置することは、将来の相続トラブルを招く原因にもなります。

地代増額は「地主のわがまま」ではありません。土地の価値を維持し、次世代へ健全な形で引き継ぐための正当な管理行為です。

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この記事の監修者

塩谷 昌則

弁護士

エルピス総合法律事務所 代表弁護士/宅地建物取引士
東京大学法学部を卒業後、20年以上にわたり不動産法務の最前線で活躍するスペシャリスト。東京弁護士会に所属し、弁護士資格に加え宅地建物取引士の資格も有することで、法律と不動産実務の両面から深い専門知識と豊富な経験を持つ。

特に借地権における紛争解決においては、業界屈指の実績を誇り、借地権更新料問題、地代増減額請求、借地非訟事件、建物収去土地明渡請求など、複雑な案件を数多く解決に導いてきた。

著書に「事例でわかる 大家さん・不動産屋さんのための改正民法の実務Q&A」がある。メディア出演やセミナー登壇実績も多数。

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