借地人とのトラブル事例集:地主が取るべき対応と解決のプロに頼る基準|借地人とのトラブル
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借地人とのトラブル事例集:地主が取るべき対応と解決のプロに頼る基準

先祖代々の土地を貸している地主様にとって、借地人との関係は切っても切れない重要なものです。

しかし、「地代が支払われない」「更新料を拒否された」といったトラブルに直面し、頭を抱えている方も少なくありません。

本記事では、借地トラブルがなぜ複雑化するのかという背景から、具体的な事例別の対応策、そして専門家に相談すべき判断基準までを分かりやすく解説します。

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なぜ借地トラブルは長期化・複雑化しやすいのか?

借地トラブルが他の不動産トラブルと比べて圧倒的に解決しにくい理由は、主に2つあります。

①借地借家法の壁

日本の法律(旧借地法および現行の借地借家法)は、借り手を非常に強く保護しています。

一度土地を貸すと、地主側から契約を終了させるには「正当な事由」が必要となり、これは容易には認められません。「貸している側なのに自由にならない」という法的な構造が、地主様のストレスの根源となっています。

②借地人との感情的な対立

借地関係は数十年、時には親子二代にわたって続くものです。

長年の付き合いがあるゆえに、「昔からの仲だから安くしてやっているのに」という地主側の思いと、「ずっと住んでいるのだから既得権益だ」という借地人側の「甘え」や「不信感」が衝突します。

こうなると、法律論だけでは解決できない泥沼状態に陥ってしまいます。

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【ケース別】借地人とのよくあるトラブル事例と地主の対応策

借地トラブルは、初期対応を誤ると解決までに数年を要することもあります。

地主様が直面しやすい4つの代表的なトラブルについて、その深層と具体的な対応策を見ていきましょう。

① 地代の滞納・未払いトラブル

最も多いトラブルの一つです。「不景気で収入が減った」「年金だけでは生活が苦しい」といった情に訴えるケースから、何の相談もなく一方的に減額した金額だけを振り込み続けるケースまで様々です。

「長年の付き合いだから」という遠慮は禁物です。まずは電話や書面で速やかに督促を行いましょう。

それでも改善されない場合は、「内容証明郵便」を送付し、期限を定めた督促と「期限内に支払いがなければ契約を解除する」旨を公式に通知してください。

借地契約の解除には「信頼関係の破壊」が認められる必要があります。

裁判実務上、3ヶ月分以上の滞納がその目安とされています。少額であっても「未払いを放置しない」姿勢を示すことが、後の法的手続きにおいて非常に重要になります。

② 更新料・地代の値上げ交渉の難航

土地の評価額が上がり、地主様が支払う固定資産税が増税されているにもかかわらず、地代の値上げに応じないケースです。

また、契約更新時に「更新料の支払いは法律で決まっていない」と突っぱねられることも少なくありません。

感情的な議論を避け、固定資産税の納税通知書や近隣相場の推移表など、「値上げが必要な客観的データ」を提示してください。

合意に至らない場合は、裁判所での「民事調停」を利用し、第三者を交えて話し合うのが一般的です。

法律上、更新料の支払いは特約(契約書への記載)がない限り強制できないという「地主にとって不都合な真実」があります。

そのため、次回の更新時には必ず書面で特約を盛り込むなど、事前の対策が必須となります。

③ 無断での増改築・用途変更

地主への相談なく、柱や梁を残した大規模なリフォーム(増改築)が行われたり、居住用として貸している家屋を勝手に店舗や事務所として利用し始めたりするケースです。

異変に気づいたら、すぐに現場を確認し写真に収めてください。その上で、直ちに異議申し立てを行い、工事の中止や用途の是正を求めます。

無断増改築を知りながら放置すると、法的に「黙認(承諾)した」とみなされるリスクがあります。

一度承諾したとみなされると、将来的な契約解除が困難になるため、「気づいたら即座に書面で抗議する」ことが権利を守る鉄則です。

④ 借地権の無断譲渡・転貸

借地人が地主に内緒で第三者に借地権を売却したり、建物をまた貸し(転貸)したりするケースです。知らない間に住人が入れ替わっていることで発覚することが多いトラブルです。

借地権の譲渡には地主の承諾が必須です。もし無断譲渡が発覚した場合は、契約解除を検討するか、追認する代わりに「譲渡承諾料(名義書換料)」を請求します。

譲渡承諾料の相場は、一般的に借地権価格の10%程度です。承諾を与える際は、新しい借地人と改めて契約書を巻き直し、条件を整理する絶好の機会でもあります。

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借地トラブルを放置する3つの大きなリスク

借地人との間に火種があっても、「長年の付き合いだから」「波風を立てたくない」と目を背けてしまう地主様は少なくありません。

しかし、借地問題において「放置」は最大の禁忌です。問題を先送りにすることで直面する、3つの深刻なリスクを詳しく解説します。

①相続時に発生する「負の連鎖」

最も恐ろしいのは、トラブルを未解決のまま次世代へ引き継いでしまうことです。

相続が発生した際、お子様世代は「借地契約の経緯」や「過去の口約束」を一切知りません。その状態で、いきなり借地人との交渉や滞納問題に直面することになります。


さらに、相続税の納税資金を作るために土地の一部を売却しようとしても、揉めている借地権付きの土地はすぐには換金できません。

結果として、「納税期限は迫るのに土地は売れない」という最悪のシナリオに陥り、遺産分割協議そのものが泥沼化するリスクを孕んでいます。

②資産価値が下がり売却できなくなる

不動産市場において、借地人とトラブルを抱えている土地は、いわゆる「訳あり物件」とみなされます。

地主様が底地(貸している土地)を第三者に売却しようとしても、買い手は将来の紛争リスクを嫌い、購入を控えるか、相場を大きく下回る買い叩き価格を提示してきます。


本来であれば価値ある資産であるはずの土地が、トラブル一つで「換金不能な塩漬け資産」へと変貌し、地主様の総資産価値を著しく毀損させてしまうのです。

③黙認すると権利を失うこともある

不当な状況を長年放置し続けると、法的に取り返しのつかない事態を招きます。

例えば、無断増改築や地代の不払いを数年も見過ごしていると、裁判では「地主がそれを黙認した」「その状態を追認した」という実績(慣習)として扱われる可能性が高まります。


いざ法的手段に出ようとした際、相手方から「ずっと何も言わなかったではないか」と反論されれば、地主としての正当な権利行使が制限されてしまうのです。放置すればするほど、土地に対する地主様の支配力は失われていくという現実を直視しなければなりません。

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自力で解決できる?「専門家」に頼るべき判断基準

どこまで自分でやり、どこからプロに任せるべきか。その境界線をまとめました。

項目自力で対応可能な範囲専門家に依頼すべき状況
交渉良好な関係での意向確認・世間話相手が感情的、または連絡を拒否している
地代滞納1ヶ月程度の「うっかり忘れ」の催促3ヶ月以上の滞納、内容証明が必要な段階
契約更新双方が合意しており、書面を作るだけ更新料を拒否された、地代改定が難航
建替え承諾料の条件がスムーズに決まる無断着工の兆候、承諾料で折り合いがつかない

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借地人とのトラブル相談先は「弁護士」または「不動産会社」

相談先を選ぶ際は、「ゴールをどこに置くか」で決まります。

  • 弁護士:
    すでに激しい紛争状態にあり、裁判を通じて白黒はっきりつけたい場合や、強制的に立ち退きを迫りたい場合に適しています。
  • 専門不動産会社(借地権コンサル):
    「等価交換(土地を分ける)」「地主と借地人の同時売却」など、経済的なメリットを生み出しながら円満に解決したい場合に最適です。


法律論だけで攻めると借地人も意固地になり、解決まで何年もかかることがあります。

まずは資産運用の観点から「出口戦略」を提案できる専門会社に相談し、お互いに利益が出る解決策(着地点)を探るのが近道です。

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借地問題は時間が解決してくれることはありません。むしろ、時間が経つほど関係が複雑化し、解決の難易度は上がっていきます。

まずは手元にある契約書を読み直し、借地人が何を主張しているのかを整理することから始めてください。

センチュリー21中央プロパティーは、借地権を専門に扱う不動産会社です。地主様と借地人様、双方の権利を調整し、複雑なトラブルを円満解決へと導いてきた豊富な実績があります。

「地代が払われない」「借地人が無断で増改築をしている」といったお悩みがあれば、ぜひ一度、当社の無料相談をご活用ください。専門スタッフがあなたの土地の価値を守るための最適なプランをご提案いたします。

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この記事の監修者

塩谷 昌則

弁護士

エルピス総合法律事務所 代表弁護士/宅地建物取引士
東京大学法学部を卒業後、20年以上にわたり不動産法務の最前線で活躍するスペシャリスト。東京弁護士会に所属し、弁護士資格に加え宅地建物取引士の資格も有することで、法律と不動産実務の両面から深い専門知識と豊富な経験を持つ。

特に借地権における紛争解決においては、業界屈指の実績を誇り、借地権更新料問題、地代増減額請求、借地非訟事件、建物収去土地明渡請求など、複雑な案件を数多く解決に導いてきた。

著書に「事例でわかる 大家さん・不動産屋さんのための改正民法の実務Q&A」がある。メディア出演やセミナー登壇実績も多数。

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