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売買契約締結後、残金決済前に
買主(地主)が死亡した場合の売買契約|弁護士Q&A

更新日:
作成日:
コンテンツ番号:918

売買契約締結後、残金決済前に
買主(地主)が死亡した場合の売買契約

売買契約締結後、残金決済前に買主(地主)が死亡した場合の売買契約のイメージ

質問 借地権を地主に売る契約(売買契約締結)後、残金決済前に買主(地主)が死亡したら、売買契約はどうなるのでしょうか。

借地権を地主に売る契約(売買契約締結)後、残金決済前に買主(地主)が死亡したら、売買契約はどうなるのか?疑問に思っている図

詳細解説

まずは、関係する法律の規定を見てみましょう。

民法896条:「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」

とあり、買主としての地位も子や妻らの相続人に承継されることになります。なお、相続人が複数人似る場合は、

民法898条:「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。」

民法899条:「各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。」

となっています。相続人はその相続分に応じてその権利義務を承継します。相続人が複数の場合には、誰がその権利義務を承継するかという問題が生じますが、明確になるまでは、相続人全員が共同で相続することになります。

その間は、原則として相続人全員がその相続分に応じた権利義務を承継するということになりますが、本件のような不動産の購入の場合には、比較的早く結論が出るのが通常です。ただ、共有として遺産分割協議が終了することもありますので、その際は地主側の相続人らが代金の支払い義務を負うことになります。

一身に専属する権利義務とは

民法896条:「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」

たとえば、委任契約に基づく委任事務の処理義務、親族間の扶養請求権、夫婦間の契約取消権などがあります。なお、身元保証契約に基づく身元保証債務は、身元保証人の相続人には原則として承継されませんが、賃貸借契約における保証人の保証債務や責任限度額の約定のある保証人の保証債務は、相続人に承継されることとなっています。

♦参考判例①:大判昭和18年9月10日判決

判旨:「身元保証に関する法律」の施行の前後を問わず、身元保証は特別の事由がない限り身元保証人の死亡によって消滅し、相続人はこれを承継しない。」

♦参考判例②大判昭和9年1月30日判決

判旨:「賃貸借契約における保証人の相続人は、相続開始後に生じた賃料債務についても当然にその保証債務を負担する。」

この記事の監修者

菅原 悠互スガワラ ユウゴ

弁護士

弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で借地非訟手続きや建物買取請求権の行使など今社会問題化しつつある借地権トラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。

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