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供託とは?地主が地代を受け取ってくれない場合の対処法

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供託とは?地主が地代を受け取ってくれない場合の対処法や供託手続きの流れを解説

借地契約において、何らか地主とトラブルになり、地代を供託するケースがあります。供託とは、借地人が法務局などの供託所に地代を預けることで、地代を支払ったとみなす制度です。

この記事では、供託手続きの概要や地主が地代を受け取ってくれない場合の対処法、供託を行う際の注意点について解説します。

供託とは

借地権における供託とは、すなわち「弁済供託」を指します。

弁済供託とは、債務者が債権者に対して金銭などを支払うべき義務があるにもかかわらず、何らかの理由で直接支払いができない場合に、法務局などの供託所にその金銭を供託することにより、法的にその義務を果たしたと認められるという仕組みです。

供託は、条件なく利用できる制度ではなく、以下の3つに当てはまる場合のみ利用できる制度です。

  • 弁済の提供をしたにも関わらず、債権者がその受領を拒んだとき(受領拒否)
  • 債権者が弁済を受領することができないとき(受領不能)
  • 弁済者に過失がなく債権者を確知することができないとき(債権者不確知)

参考:法務省:供託手続

弁済者は、次に掲げる場合には、債権者のために弁済の目的物を供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する。弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだとき。債権者が弁済を受領することができないとき。弁済者が債権者を確知することができないときも、前項と同様とする。ただし、弁済者に過失があるときは、この限りでない。

民法第494条

具体的なケースについて、以下で事例を紹介します。

借地契約で地代を供託をするケース

借地契約において、地代を供託するケースは大きく以下の3つです。

  • 地主に地代の受け取りを拒否されたケース
  • 地主と音信不通になってしまったケース
  • 地主が亡くなり、誰に地代を支払うべきか不明なケース

地主に地代の受け取りを拒否されたケース

地代を供託するケースで最も多いのが、地主に地代の受け取りを拒否されたケースです。

地主から地代の増額請求があったものの、提示された地代に借地人が納得できないことは珍しくありません。「以前と同じ地代しか払わない」と借地人が主張したところ、「増額した地代を払わないなら、地代の受け取りを拒否する」と地主に受領拒否されてしまうことがあります。

ここで「完全に地代を支払わない」となると、借地契約に違反し、地主から契約を解除されてしまうリスクがあります。

そこで、地主の代わりに供託所に地代を納めることで、法的に地代の支払い義務を果たしたことにします。

地主と音信不通になってしまったケース

最後に、地主が行方不明になるなどして音信不通になるケースです。

たとえ地主が行方不明になっていたとしても、地代の未納が続くと法的には、借地契約を解除されてしまう可能性があります。

地主が行方不明になり、地代を渡せない、地震や天災などにより、物理的に地代の受け渡しができない、などの場合にも供託制度を利用することができます。

また、地主が認知症を発症するなどして「制限行為能力者」(判断能力が十分でないために、単独では法律行為を行うことができない者)になってしまった場合も、供託可能な要件の対象となります。

地主が亡くなり、誰に地代を支払うべきか不明なケース

次に、地主が亡くなり地代を支払う相手が誰なのかわからなくなってしまったケースです。

例えば、「地主の相続人が誰かわからない」「相続人の中で誰が借地契約を引き継ぐのか揉めている最中」などのようなケースがあります。

このような場合、借地人に過失(落ち度)がないことから、供託制度を活用し、地代を納めることが認められます。

供託手続きの流れ

では、地代の供託が必要になった場合、以下の流れで手続きを進めます。

  1. 供託の対象可否について確認する
  2. 管轄の供託所を調べる
  3. 申請を行う
  4. 供託金の支払い
  5. 供託書正本が発行される
  6. 債権者に供託通知書が送られる

供託の対象となるケースは、上記で解説した通り主に以下の3つです。

  • 弁済の提供をしたにも関わらず、債権者がその受領を拒んだとき(受領拒否)
  • 債権者が弁済を受領することができないとき(受領不能)
  • 弁済者に過失がなく債権者を確知することができないとき(債権者不確知)

管轄の供託所は、以下よりお調べいただけます。

登記管轄一覧表・供託所一覧表:法務局

申請手続きは、オンラインでも可能です。

法務省:オンラインによる供託手続について

供託手続きに必要な書類

供託手続きの申請に必要な書類は、以下の通りです。

  • 供託書
  • 資格証明書 ※登記された法人以外の法人が供託をする場合
  • 委任状 ※代理人が申請する場合
  • 郵便切手

供託書の用紙は、管轄の供託所で入手することができます。

また、供託書の書き方は以下の記載例を参考にしてください。

法務省:供託書等の記載例

郵便切手は、「供託通知書」や「供託書正本」を発送する際に使用します。供託通知書とは、供託が完了したことを、債権者に通知するものです。

通常、供託所から債権者に通知が行きます。この通知により、弁済者が供託を行ったことが債権者に伝わり、債権者が金銭を受け取る手続きを進めることができます。

供託書正本とは、供託が成立した際に供託所から交付される書類です。供託金を電子納付をした場合は、即日に供託書正本が交付されます。

供託手続きの注意点

供託手続きの注意点は、以下の2つです。

  • 供託手続きを行うには、適用要件を満たす必要がある
  • 供託をしても地主とのトラブルは解決しない

先述の通り、供託の申請手続きを行うには、受領拒否・受領不能・債権者不確知のいずれかに該当している必要があります。供託の対象になるかどうかは、借地権に詳しい弁護士にご相談ください。

また、地代の増額がきっかけで供託を始めた場合などは特にですが、供託したからといって地主とのトラブルが解決するわけではありません。

供託が続くことで、さらに地主との関係性が悪化してしまうケースもありますので、地主とのトラブルを抱えている場合はできるだけ早めに、根本的な問題解決に動き出すことをおすすめします。

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地主とのトラブルを解決するには?

地主とのトラブルを解決したい場合、借地権に強い弁護士や不動産会社に相談しましょう。

中央プロパティーでは、「供託が続いている」「供託しようかどうか検討している」など、

地主とのトラブルに悩む借地人のサポートを専門的に行っています。

供託の対象かどうか、供託以外の最善な方法について、ご提案できるケースもありますので、借地権のお悩みならぜひ当社にご相談ください。

この記事の監修者

松原 昌洙マツバラ マサアキ

代表取締役 /
宅地建物取引士

CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。借地権を始めとした不動産トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。

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