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【弁護士Q&A】借地権の立ち退きについて教えてください。

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作成日:
コンテンツ番号:13774

【弁護士Q&A】借地権の立ち退きについて教えてください。

質問 借地権契約の更新を2年後に控えています。 先日、突然地主が家に来て、「次回の契約更新はしない。次回の更新までに立ち退きをお願いしたい。」と言われました。 地主からの一方的な立ち退き要求に、対応するしかないのでしょうか。

借地契約は、借地人と地主の合意に基づくものである以上、本来、契約の更新について合意が纏まらなければ、契約期間満了と同時に契約が終了するのが原則です。しかし、借地借家法は、借地人を保護するため、更新の合意がない場合であっても、一定の要件のもとで、契約の更新(法定更新)を認めています。
借地借家法が定める法定更新には、更新請求による契約の更新(請求更新。借地借家法5条1項)と使用継続による法定更新(使用継続更新。同条2項)があります。なお、どちらの法定更新も、借地上に建物が存在することが要件になっています。そのため、契約満了時に建物が滅失している場合は、法定更新の制度は利用出来ません。
請求更新は、借地人が地主に対して契約更新を請求することで、従前の条件で借地契約が更新されるというものです(契約期間については、借地借家法4条の規律があります)。但し、地主が遅滞なく異議を述べた場合は、請求更新の効果は生じないとされていますが(借地借家法5条1項但書)、この地主の異議には正当事由(同法6条)が必要とされます。
使用継続更新は、契約期間満了後も借地人が土地の使用を継続する場合に、従前の条件で契約が更新させるというものです(契約期間については、借地借家法4条の規律があります)。この使用継続更新に関しても、地主が遅滞なく異議を述べ、かつ、その異議に正当事由があるときは、法定更新の効力が生じないものとされています。
どちらの場合も、借地契約の法定更新が認められるか否かの最大の争点は、地主からの異議に正当事由があるか否か、という点になると思われます。
正当事由の有無は、まず、(1)地主側の土地を必要とする事情と、(2)借地人側の土地を必要とする事情を比較考量し、それだけでは判断できない場合には、(3)借地に関する従前の経過、(4)土地の利用状況、(5)立退料等を補充的に考慮して判断されます(借地借家法6条)。
注意したいのは、立退料は、あくまで正当事由の判断における補完的な要因に過ぎないので、地主が立退料を提供すれば、それだけで正当事由が認められる訳ではない、という点です。

まとめ

  • 更新の合意が出来ない場合でも、一定の要件を満たせば、借地契約は更新されます。

  • 法定更新には、請求更新と使用継続更新の2種類があります。

  • 法定更新の成否は、地主の異議に正当事由が認められるか否かが争点となります。

この記事の監修者

菅原 悠互スガワラ ユウゴ

弁護士

弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で借地非訟手続きや建物買取請求権の行使など今社会問題化しつつある借地権トラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。

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