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契約上の地位の移転とは|用語集

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コンテンツ番号:1412

契約上の地位の移転とは

意義:売買契約の売主あるいは買主の地位や、不動産賃貸借契約の賃貸人あるいは賃借人の地位等、契約の一方当事者の地位を第三者に移転させること

判例・学説もこれを承認していますが、現行民法には明文の規定はありません。例えば、賃貸人の譲渡の事例では下記のような判例があります。契約上の地位を移転する場合、本来であれば、譲渡人(債権者)、譲受人、また、債務者、3者全員の同意が必要です。しかし、賃貸借契約において注目すべき判例があります。

契約上の地位の移転のイメージ

♦参考判例:最判昭和46年4月23日判決

判旨:「土地の賃貸借契約における賃貸人の地位の譲渡は、賃貸人の義務の移転を伴なうものではあるけれども、①賃貸人の義務は賃貸人が何ぴとであるかによつて履行方法が特に異なるわけのものではなく、また、②土地所有権の移転があつたときに新所有者にその義務の承継を認めることがむしろ賃借人にとつて有利であるというのを妨げないから、一般の債務の引受の場合と異なり、特段の事情のある場合を除き、新所有者が旧所有者の賃貸人としての権利義務を承継するには、賃借人の承諾を必要とせず、旧所有者と新所有者間の契約をもつてこれをなすことができると解するのが相当である。」

とあります。契約上の地位移転する場合、原則論に従えば、債務者たる賃借人の同意も必要なはずです。
しかし、判例では、

  1. 賃貸人の義務は賃貸人が何ぴとであるかによつて履行方法が特に異なるわけのものではない。

  2. 土地所有権の移転があつたときに新所有者にその義務の承継を認めることがむしろ賃借人にとつて有利である場合がある。

という上記の2点を理由に、賃借人の承諾なくして、賃貸人の地位を譲渡することは可能としています。

  • なお、現在は条文にはありませんが、民法改正により、明文化の予定です。

民法改正

契約上の地位の移転について、次のような規律を設けるものとする。
「契約の当事者の一方が第三者との間で契約上の地位を譲渡する旨の合意をした場合において、その契約の相手方が当該譲渡を承諾したときは、契約上の地位は、当該第三者に移転する。」

この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。借地非訟、建物明渡、賃料増額請求など借地権や底地権をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

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