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制限能力者(制限行為能力者)とは|用語集

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コンテンツ番号:749

制限能力者(制限行為能力者)とは

年齢および判断力の程度を基準とし、取引を行う資格を制限された人のイメージ

制限能力者(制限行為能力者)

年齢および判断力の程度を基準として、画一的に一定範囲の者の行為能力(取引を行う資格)を制限された者をいいます。

詳細解説

1. 目的

制限行為能力者制度の目的は、(1)判断能力が不十分な者のために適切な取引が行われるようにして、その者の財産の減少を防止すること、および、(2)取引の相手方の警戒・予防を容易にすることよって取引の安全を図ることにあります。

2. 種類

未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人に分けられます。

(1)未成年者

未成年者は20歳未満の者をいいます。親権者や法定代理人、未成年後見人の同意がない法律行為については取り消すことが出来ます。

民法6条:「一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。」

営業を許可された未成年はその営業に関しては成年と扱われます(許可された営業に関してのみ未成年として保護されません)。

(2)成年後見人

民法7条:「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。」

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者がその対象(その行為能力の目安は大体7歳未満の未成年者程度)となります。成年被後見人が成年後見人の代理によらず単独で行った法律行為については取消しすることができる(※日用品の購入は除く)。

(3)被保佐人

民法11条:「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。…」

精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者がその対象(その行為能力は、大体やや成長した未成年者程度)になります。被保佐人が民法列挙事由(13条1項)行為や家庭裁判所により追加された行為をする場合は、保佐人の同意またはこれに代わる家庭裁判所の許可が要求され、同意を得ることなくこれらの法律行為をした場合は、取り消すことが出来きます。

民法13条:「被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一  元本を領収し、又は利用すること。
二  借財又は保証をすること。
三  不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四  訴訟行為をすること。
五  贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法 (平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六  相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七  贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八  新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九  第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。」

引用元: より

(4)補助人

民法15条1項:「精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。…」

精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者がその対象となります。上記民法13条1項に列挙されている行為の一部の法律行為について補助人の同意を要する(17条)。補助人の同意を要するとされた法律行為を被補助人の同意またはこれに代わる家庭裁判所の許可を得ずに行った場合は、当該法律行為を取り消すことが出来る。

制限能力者(制限行為能力者)の図

この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。借地非訟、建物明渡、賃料増額請求など借地権や底地権をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

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