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土地は借地、家は持ち家の人必見!借地権の相続時に気を付けるポイントとよくあるトラブルを解説|借地権を相続した方

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作成日:
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土地は借地、家は持ち家の人必見!借地権の相続時に気を付けるポイントとよくあるトラブルを解説

「実は、実家が借地権だった」

「借地権付きの実家を相続するかもしれない」

そんな方のために、この記事では実家が借地権の場合に注意すべきことや、相続発生時に必要な手続きについてわかりやすく解説しています。

借地権付きの実家について、トラブルなく相続手続きなどを進めたい方はぜひ参考にしてください。

借地権は相続の対象になります

借地権は、相続の対象になります。

相続する際に、地主の承諾は不要です。

しかし、後々のトラブルを防ぐためにも、地主には相続が発生した旨を共有し、相続人も借地権の契約内容を把握するように努めましょう。

借地権の実家を相続したら、まず確認すべき3つのポイント

借地権を相続したときにまず確認すべきポイントは、次の3つです。

  • 地代はいくらか
  • 契約期間はいつまでか
  • 地主との関係性(過去のトラブル含む)

地代はいくらか

借地権付きの実家を相続したら、地代はいくらか確認しておきましょう。自分が土地を借りたわけではありませんが、相続によって借地人としての地位を承継し、地主に地代を支払う義務があるからです。

もし親が地代を滞納していたら、その滞納分は支払う必要があります。

また、地代の支払い方法も確認しておかなければなりません。銀行振込の場合は、振込先の銀行口座情報が必要です。場合によっては借地人が地主の家に行って支払う持参払いや、地主が借地人の家に集金に来る場合もあります。

契約期間はいつまでか

相続したら、借地権の契約期間がいつまでか確認しましょう。借地権は永遠に続く権利ではなく、契約の更新がなく終了してしまったら、原則として自分名義の建物を解体し更地にして土地を地主に返還する必要があるからです。

借地権の契約期間は契約書(土地賃貸借契約書・借地契約書)で確認できます。

しかし、借地契約をした時期がはるか昔であり契約書を探し出せないケースも少なくありません。

地主側にも契約書が残っておらず契約期間がわからない場合は、建物の保存登記がされた日から契約が始まったとするのが一般的です。

地主との関係性は良好か

地主との関係性については、可能であれば生前に確認しておくのが理想です。

主な確認ポイントは以下の通りです。

  • 親と地主との関係性はどうだったか
  • 地主はどのような人か(氏名、年齢、性別、住所、性格など)
  • 過去にトラブルはなかったか

相続により借地人としての地位を承継したあとも、できるかぎり借地人と地主との関係性は良好に維持したいものです。少なくとも、相続が発生したことを地主に連絡しておきましょう。

借地権を相続したら必要な手続き

借地権を相続するときに行うことや、確認すべきポイントについて解説します。

地主へ報告する

借地権の承継方法には「相続」と「遺贈」があります。相続の場合は地主の許可はいりませんが、遺贈の場合は地主の許可が必要です。

以下では、相続と遺贈それぞれのケースについて解説します。

借地権を相続するとき

借地権を相続できるのは、法定相続人(配偶者、子、父母、兄弟など)のみです。借地権を相続する際に、地主の許可や承諾料などは必要ありません。また、被相続人の権利がそのまま相続人に対して承継されるため、借地の契約内容も変わりません。相続したら、どのような契約内容なのか確認しておきましょう。

借地権を相続したら、地代の支払いや売却・建て替えの相談など、地主とコミュニケーションを取る機会が発生します。地主に対して相続の許可を求める必要はありませんが、良好な関係を築くために相続したことは必ず地主へ報告しておきましょう。

借地権を遺贈するとき

遺贈とは、被相続人の遺言書によって指名された相手に遺産の一部、または全部を譲ることです。遺贈の相手は法定相続人以外でも構いません。個人だけでなく病院やNPO法人といった団体・法人も指名できます。

相続とは異なり、遺贈の場合は地主の許可と承諾料の支払いが必要です。法定相続人でも、遺贈として引き継ぐ場合は地主の許可と承諾料の支払いが必要になるため注意しましょう。

承諾料は借地権価格の10%程度が一般的な相場ですが、契約内容などさまざまな事情を考慮して最終的な承諾料が決まります。

名義変更が必要か確認する

借地権を相続したら、借地権が登記されているかどうか確認しましょう。登記されていた場合は、借地権の名義変更手続きが必要です。

借地権は、基本的に借地に建てた建物を登記することで権利を主張できるため、登記されていることは稀です。相続が発生したからといって改めて借地権を登記する必要もなく、建物の名義変更のみ行えば問題ありません。

借地権が登記されているケースは、借地権を担保にして融資を受けていた場合などです。登記されている場合は、借地権と建物の両方の名義変更を行いましょう。なお、相続による借地権の名義変更は、地主の許可を得る必要はありません。

借地権と建物の名義変更には、以下の書類が必要になります。

  • 遺産分割協議書
  • 被相続人の戸籍謄本
  • 被相続人の除住民票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 借地権の相続人の住民票
  • 固定資産税評価証明書

など

また、名義変更の手続きには以下の費用がかかることも覚えておきましょう。

  • 戸籍謄本などの取得にかかる費用
  • 登録免許税
  • 司法書士代行費用(依頼する場合)

相続税を支払う

借地権は課税対象であるため、相続税を支払う必要があります。ただし、相続税の申告で借地権として評価するには、以下の条件を満たさなければなりません。

  • 借地上に建物を建てて所有していること
  • 使用貸借ではないこと

借地が更地状態の場合や地代を支払っていない場合は、借地権として評価されないため注意しましょう。

なお、相続税の申告時に必要となる普通借地権の相続税評価額は、以下の計算式で求められます。

普通借地権の評価額=土地の価格×借地権割合

「土地の価格」とは更地状態の土地の評価額で、路線価方式あるいは倍率方式という計算方法で算出します。「借地権割合」は国税局が地域ごとに設定しているもので、国税庁HPに掲載されている路線価図で確認可能です。都心部にある借地は土地の利用価値が高いため借地権割合も高く、反対に郊外の借地は割合が低い傾向にあります。

土地の価格の計算方法や借地権割合についての詳細は、以下の記事でも詳しく解説しています。

定期借地権の相続税評価額については計算が複雑なため、正確な評価額が知りたい場合は専門家に依頼して算出してもらいましょう。

相続人が知っておきたい借地権の注意点

借地権には、知っておきたい注意点があります。相続時の対応や固定資産税、増改築や売却をするとき、契約期間が満了したときなど、それぞれについて注意点を解説します。

相続時の対応

借地権の相続時、まずは地主に相続が発生したことを連絡しましょう。できるかぎり対面であいさつをして、良好な関係の構築・維持につとめるのがポイントです。

また、相続人が2人以上いる共同相続時には、遺言どおりの相続をしない場合、遺産分割協議で借地権を相続する人や持分の割合を決めます。

その後、借地権が賃借権である場合は借地上の建物について、地上権である場合は借地上の建物と地上権について、相続を原因とした所有権移転登記手続きをしなければなりません。

稀に借地権(賃借権)が土地に登記されている場合もあるため、土地の登記事項も確認しておき、登記されていれば借地権の相続登記手続きも進めましょう。

固定資産税の扱い

借地権の場合、建物の固定資産税は、借地人(相続人)が負担する必要があります。

※土地は、地主の所有権のため固定資産税の負担は不要です。

固定資産税の納税義務者は1月1日時点の登記上の所有者(地方税法第343条)ですが、相続が発生すると、納税義務は(共同)相続人に承継されます(地方税法第9条)。

名義変更の手続き前でも、固定資産税の納付義務は発生している点に注意が必要です。

遺産分割協議が確定するなど新たな借地人が決まるまでは、代表者を決めて相続財産から固定資産税を負担しましょう(民法第885条)。新たな借地人が確定したら、その後は新たな借地人が固定資産税の納税義務者となります。

なお、相続が開始した年の12月末日までに相続登記が完了しない場合は、現所有者(納税義務者)を申告するために、市町村(東京23区は東京都)に現所有者申告書を提出しなければなりません。

増改築や売却には地主の許可が必要

相続した実家に住むためリフォーム(増改築)したい場合や、相続した実家に住まないため建物を第三者に売却したい場合は、地主へ相談し、許可を得なければなりません。

許可を得る場合にも、地主から承諾料の支払いを求められることがあります。リフォーム(増改築)の内容によりますが、増改築承諾料の相場は更地価格の5%程度です。

増改築や売却について地主の許可が得られないとき、増改築や売却を進めるためには、裁判所に増改築許可申立や土地の賃借権譲渡の許可申立などをする必要があります。

更地返還が原則

契約期間が満了して更新もしなかった場合は、借地上の建物を取壊して更地にして地主に返還するのが原則です。

つまり建物の解体が必要ですが、解体費用を借地人と地主どちらが負担するのかを巡って地主とトラブルが起こりやすいことに注意する必要があります。

しかし、解体費用は建物所有者である借地人が負担するのが基本であるため、無理に地主と交渉するのは避けるようにしましょう。

借地権の相続で起こるトラブル

借地権は地主の許可なく相続手続きが可能である一方で、地主と相続人の間、また相続人同士でのトラブルが起こりやすいものでもあります。よくある相続トラブルとしては、下記が挙げられます。

  • 地主から名義変更料(承諾料)を要求される
  • 地代の値上げを要求される
  • 立ち退きを要求される
  • 誰が相続するか相続人の間で揉める
  • 共有で相続し意見の食い違いで揉める

ここからは、それぞれのトラブル内容の詳細と主な対処法を解説します。

地主から名義変更料(承諾料)を要求される

借地権の相続によって最も起こり得るトラブルが、地主から高額な名義変更料(承諾料)を要求されるという内容です。

前述の通り、借地権相続の際は地主の許可を得る必要はないものの、借地人名義や借地人の住所・連絡先など契約内容において変更が生じるため、相続した旨を地主に報告することが一般的となっています。この際、地主から名義変更料(承諾料)を要求されるケースは珍しくありません。

しかし、借地権の相続は譲渡に該当しないため、法的には譲渡承諾料はもちろん、名義変更料(承諾料)などの支払いは不要です。しかし、少額の名義変更料(契約書変更の事務手数料など)を要求されている場合は、そのまま支払ったほうが大きなトラブルへの発展を回避できる可能性もあるため、専門家の意見を聞いてケースバイケースで判断することをおすすめします。

また、遺言書によって被相続人と血縁関係にない第三者が借地権を譲り受ける(遺贈)場合は、地主の承諾・名義変更料の支払いが必要となることを覚えておきましょう。

地代の値上げを要求される

借地権の相続をきっかけに、地主から地代の値上げ(増額請求)を要求されるケースも少なからずあります。

相続人は原則、従来の借地契約内容を引き継いで借地権を継承することから、地代の値上げ要求に応じる必要は基本的にありません。

しかし、賃貸借契約書において「一定の期間、地代等を増額しない特約」の記載があるなど地代の値上げにおける取り決めがあらかじめ定められている場合は、その内容にもとづいて話し合い・交渉する必要があることに注意してください。また、相続前の地代が周辺の賃料相場や地価と比較して非常に安価である場合においても、地代等増減請求権の行使によって強制的に地代の値上げに対応しなければならない可能性もあります。

交渉がなかなか進まなければ、さらなるトラブルに発展する可能性もあるため、名義変更料(承諾料)の支払いと同様にケースバイケースで判断することがおすすめです。

立ち退き(土地の返還)を要求される

借地権を相続するタイミングや地代の値上げ交渉が決裂した際には、それをきっかけに地主から立ち退き(土地の返還)を要求されるケースもあります。

しかし、地主が借地人に立ち退き(土地の返還)を要求するためには、法的な正当事由が必要です。単なる借地権の相続は立ち退き要求の正当事由に該当しないため、立ち退き要求に応じる必要はありません。それでも地主からしつこく立ち退きを要求された場合は、弁護士や警察など然るべき機関に相談することがおすすめです。

ただし、地代等増減請求権の行使による地代の値上げに対応しない、などトラブル内容によっては立ち退きをしなければならない可能性もあることに注意しておきましょう。また、定期借地契約を締結している場合は原則更新ができないため、どのような形で借地権が締結されているかもしっかり確認しておきましょう。

誰が相続するか相続人の間で揉める

借地権の相続におけるトラブル内容は、地主だけを相手に起こり得るものではありません。なかには、複数の相続人同士で借地権にまつわるトラブルが生じるケースも多々あります。

特によくあるトラブルが「誰が借地権を相続し地代を負担するのか」といった問題で、資産価値の高い借地権付き建物は相続をめぐって相続人同士で揉めることもしばしばです。

親族間で速やかに遺産分割協議を進め、冷静に話し合って決めることが最もよい方法ではありますが、どうしても話がまとまらない場合は遺産分割調停・審判など法的手続きによる解決を図るとよいでしょう。また、借地権を相続した場合、相続税がかかるので注意が必要です。

共有で相続し意見の食い違いで揉める

遺産分割協議によっては、相続人を1人に特定せず、きょうだいなど複数人で共有する形(共有名義)で借地権付き建物を相続することが可能です。共有での相続は「誰が借地権を相続するか」というフェーズにおいてトラブルが発生する可能性を低くできるものの、地代の負担や誰が住むのかなど相続後にトラブルが起こる可能性の高い方法と言っても過言ではありません。

例えば、借地権付き建物のリフォームや建て替え、売却には相続人全員の同意が必要で、1人でも反対すればなかなか話が進まなくなります。さらに、地代や税金を一部の相続人が支払わず、ほかの相続人が費用を立て替えなければならなくなるといったリスクもゼロではありません。

このように、共有での相続は管理が難しくなることを念頭に置き、あらかじめ適切な判断をすることが大切です。

借地権の相続でトラブルになってしまった場合

借地権の相続をきっかけに、地主や相続人同士でトラブルになってしまった場合、必ず借地権に強い弁護士がいる不動産会社に相談しましょう。

借地権専門の不動産会社は、地主との交渉ノウハウや法的な対応策の知見を有しています。

無理に借地人(相続人)が自分で、地主に交渉を進めると、交渉が難航しやすく、最悪の場合、地主との関係性が悪化し、借地人に不利な状況になってしまいます。

当社中央プロパティーは、借地権に強い弁護士に無料で相談することができます。

相続した借地権の実家の処分方法

相続した借地権付きの実家に住む予定はなく、処分を検討するケースも少なくありません。そこで借地権付きの実家の処分方法を紹介します。

  • 地主に更地返還をする
  • 地主に買取をお願いする
  • 建物を第三者に売却する
  • 底地もあわせて同時売却する

状況に合わせて、適切な処分方法を検討してください。

地主に更地返還をする

更地返還は、借地上の建物を解体し、更地にして地主に返還する処分方法です。譲渡承諾料は発生しませんが、借地上の建物を解体する必要があるため解体費用がかかります。

解体費用は一般的に借地人が負担しますが、解体費用が高額で払えない場合などは、地主に費用負担を相談してみると良いでしょう。

地主に買取をお願いする

借地権を地主に買い取ってもらって処分する方法もあります。定期借地権を除く借地権は、地主にとってなかなか返してもらえないものです。数十年間ある更新の時期まで待って、そのタイミングで正当事由をもって更新を拒絶しなければ、地主は土地を返してもらえません。

そのため、地主に買取をお願いするのは有効な処分方法です。

また、後述する処分方法では地主に譲渡承諾料を支払わなければなりませんが、地主に買い取ってもらう場合だと譲渡承諾料は発生しません。

ただし、建物を解体する必要があるのか、解体するならどちらが解体費用を負担するのか、借地権はいくらで買い取ってもらうのかなどは地主と協議する必要があります。

建物を第三者に売却する

借地権(賃借権)は、地主の許可を得たときに限り、借地権付き建物として第三者に売却できます。ただし、譲渡承諾料やローン承諾料などが必要な場合もあるほか、一般的な不動産会社では借地権の売却に対応できないこともあるので注意が必要です。

借地権付き建物を第三者に売却するときは、借地権売却の実績がある不動産会社を選びましょう。

中央プロパティーは、借地権を専門に取り扱う不動産仲介業者です。

なお、売却について地主の許可が得られないときに売却を進めるためには、借地の所在地を管轄する地方裁判所に土地の賃借権譲渡の許可申立をする必要があります。

売却だけでなく増改築をする場合にも、同様の申立てが可能です。地主の許可が得られない場合に裁判所に地主に代わる許可を求めるなど、借地権に関する紛争の解決を図る手続きを借地非訟事件といいます。

なお、借地権が賃借権ではなく地上権の場合は、地主の許可なく売却可能です。

底地もあわせて同時売却する

借地権付き建物だけでなく、底地(土地の所有権)もあわせて第三者に売却して処分する方法もあります。同時売却できれば、借地と底地を別々で売るよりも高く売れる可能性があります。

しかし、勝手に地主の土地を譲渡するわけにはいかないので、当然、地主との合意が必要です。

また、地主にとっては地代収入がなくなってしまうことや、借地人よりも地主の取り分が少なめになってしまうことなどから、同時売却を許可してくれないケースも少なくありません。ただし、稀に底地と借地権の同時売却に応じてくれる地主もいるため、交渉してみる余地はあるでしょう。

弁護士Q&A

まとめ

借地権の相続は、地主や相続人とのトラブルのきっかけになりやすい傾向にあります。

  • 相続をきっかけに地主とトラブルになってしまった
  • 相続した借地権を売却したい
  • 相続した借地権を空き家のまま放置している
  • 借地権の実家に残置物が残ったままになっている

相続した借地権でお困りの方は、借地権を専門に扱う当社中央プロパティーへ是非ご相談ください。

この記事の監修者

福島 健太フクシマ ケンタ

税理士

税理士。東京税理士会品川支部所属。日本税務会計学会訴訟部門所属。福島健太税理士事務所代表。不動産デベロッパーから税理士に転身した経歴をもつ不動産と税のスペシャリスト。借地権を相続される方が相続税を、また相続した借地権を売却した際に発生する所得税について相談する税理士として多くの顧客を得る。趣味は釣り。

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