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【弁護士Q&A】相続した借地権の実家について相談です|弁護士Q&A

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【弁護士Q&A】相続した借地権の実家について相談です

祖父の時代からの実家(借地権)を相続しました。

借地上の建物はもう40年以上経っています。現在は空き家で、この先使う予定もありません。
地代を払い続けるのももったいないので、売ってしまいたいと考えています。

先日、姉が地主に買い取ってほしいと話してくれましたが、地主も先日相続したばかりのお孫さんで話が合わず、「使わなくいなら借地契約を解除して更地返還するのが道理。なぜ買い取らなければならないのか?」と言われてしまった、と報告を受けました。

相続税まで支払ったのに、無償で地主に返すのは納得できないし、解体費用なんて高くて払いたくありません。

地元の不動産屋さんに相談したところ、あまり相手をしてくれず、雑な対応をされてしまいました。
借地権の売買は難しいのでしょうか?

借地権の売買とは、実際には、借地権付きの建物を売買するという形での売買となります。借地上の建物の売買をした場合、建物は敷地利用権がないと存続ができないことから、特段の事情がない限り、建物の所有権とともに借地権も譲渡されることになります(最高裁昭和39条12月11日判決)。

但し、借地権には、地上権と賃借権があるところ、借地権が地上権であれば、地主の承諾がなくとも自由に譲渡できるのですが、借地権が賃借権の場合には、賃貸人である地主の承諾なしに第三者へ譲渡することは出来ず(民法612条1項)、これに違反して地主に無断で譲渡した場合には、契約解除のリスクを負うことになります(民法612条2項)。この地主の承諾という条件が、借地権売買に当たってのハードルとなります。

また、地主の承諾を得る際には、原則として、地主に対して譲渡承諾料を支払う必要があります。借地権価格の10%程度が譲渡承諾料の相場と言われていますが、あくまで両当事者の合意によって具体的な金額を決めるものであるため、譲渡承諾料の金額をめぐり話し合いが纏まらず、結果、いつまでも譲渡の承諾を受けられないということも十分考えられます(なお、地主自身が借地権を買い取ると申し出た場合には、譲渡承諾料の支払いは不要です)。

とはいえ、地主から任意に承諾を得られない限り、契約終了時に常に借地人が建物を解体して借地を返還せざるを得ないとなると、借地人は、建物を建てるために投じたお金を回収する機会を奪われることになってしまい、また、契約終了のたびに建物が解体されるということは、社会的に見ても望ましい事態ではありません。

そこで、借地借家法では、一定の要件を満たす場合に借地権譲渡に関して、地主の承諾に代わる許可を裁判所が出す制度を設けています(借地借家法19条1項)。代諾許可に当たっては、基本的に、地主に対する財産的給付(譲渡承諾料相当額)の支払いを条件とされることになります。

このように、借地権の売買には、通常の不動産の売買とは異なるハードルがあることから、不動産業者の中でも、経験のない業者の方がむしろ多い分野です。他方で、借地権を専門・重点的に扱っている業者もいます。不動産業者にご相談に行かれる際には、借地権案件について経験が豊富であるのか、事前にリサーチをした上で相談先を選択するのが宜しいでしょう。

まとめ

  • 借地権の売買には、地主の承諾が必要です。
  • 借地借家法には、地主の承諾に代わる裁判所の許可制度があります。
  • 不動産業者は、借地権案件の経験が豊富な業者を選択するべきです。

この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する人への支援を担当しており、これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた経験がある。
相談者の立場に立ち、不利な点も含め、必要な事実を正確に説明する高いプロ意識に定評がある。

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