\ 無料相談・査定をする /

準共有借地権とは?借地権の共有状態を解消すべき理由

更新日:
作成日:
コンテンツ番号:14253

準共有借地権とは?借地権の共有状態を解消すべき理由

準共有とは、借地権や賃借権など所有権以外の権利を複数人で共有している状態です。「準共有」と似た言葉に「共有」があり、どのような違いがあるのか疑問に思っている方もいるでしょう。

特に準共有借地権は、権利関係が複雑なためトラブルが発生しやすく、需要が小さいため売却したいタイミングで売却できないケースも多いです。

本記事では、借地権を相続した際の準共有状態における注意点や準共有状態を解消する方法について解説します。借地権を相続する予定のある方のご参考になれば幸いです

<この記事でわかること> 

  • 準共有借地権とは
  • 準共有借地権の注意点
  • 準共有借地権を売却する方法

1. 準共有とは

準共有について理解するために下記の2つを解説します。

  • 準共有と共有の違い
  • 準共有が発生する主なケース

1-1 準共有と共有の違い

準共有と共有の違いは、複数人で共有する権利にあります。準共有では所有権以外の「借地権・賃借権・抵当権」などを、共有では「所有権」を複数人で所有している状態です。

例えば地主から土地を借りて、その土地の上に自宅を建てたとしましょう。この自宅を子2人が相続すると、地主の土地を使える権利である借地権は「準共有」となり、自宅の所有権は「共有」になると考えます。

例のように借地権は、地主から土地を借りる権利です。地主から借りている土地を複数人で借りている状況を「共有している」と表現するのには違和感があります。

そのため、物を所有する権利である所有権以外の権利を共有する表現として「準共有」という言葉が用いられています。

また基本的に準共有と共有は同じ法律の決まりが適用されます。

より詳しく準共有と共有の違いについて知りたい方はこちらの記事をご確認ください。

1-2 準共有が発生する主なケース

準共有が発生するケースを以下2つ解説します。準共有のイメージができていない方は参考にしてください。

  • 借地権を複数人で相続した場合
  • 借地権付きマンションを購入した場合

1-2-1 借地権を複数人で相続した場合

借地権を複数人で相続すると、相続した借地権を相続人同士で「準共有」している状態になります。

借地権とは地主の土地を借りて、その土地に借地人(土地を借りた人)が自由に建物を建てられる権利です。

基本的に借地権者を変更する場合には地主の承諾が必須ですが、相続が理由で借地権者の変更をする際は、地主の承諾を得る必要はありません。

1-2-2 借地権付きマンションを購入した場合

借地の上に建てたマンションを購入した場合も準共有が発生します。

マンションの一室はオーナー個人の「所有」ですが、マンションの敷地はマンションオーナー同士で共有しているため「準共有」になると考えます。

自分の住んでいるマンションの土地が借地か分からない方は、マンションの物件概要を確認してください。借地に建っている場合は、物件概要に「一般定期借地権の準共有」のような記載がされています。

2. 準共有借地権はトラブルになりやすい

準共有の借地権はトラブルになりやすいです。下記2つのトラブルを例に説明するので、準共有借地権を相続する予定のある方は参考にしてください。

  • 相続人同士のトラブル
  • 地主とのトラブル

2-1  相続人同士のトラブル

準共有借地権は、準共有者全員の同意がないと売却ができません。準共有者の1人でも反対すると、借地権の活用や処分の方法の方向性が定まらないため、トラブルに発展しやすいです。

子供ABCが「借地上の自宅」と「借地権」を相続したケースで考えてみましょう。

AとBは、自宅と借地権も売却して現金化したいと考えていますが、Cは自宅に住み続けたいと思っており売却に反対しています。多数決の考え方だと、AとBの主張している売却になりそうですが、Cが反対しているため借地権の売却はできません。

地域にもよりますが借地権を売却すると、数百~数千万円以上の価格になることもあります。借地権の売却は大金が絡むケースがあり、処分方法を巡って準共有者間で争いが起きてしまうケースも珍しくありません。

準共有者間でのトラブルを避けるためには、借地権は複数人で相続せず1人だけにすることをおすすめします。借地権の相続人が1人であれば、活用方針や処分方法やもめることがなく、相続人同士でのトラブルには発展しません。

2-2  地主とのトラブル

相続によって借地人が変わったタイミングで、地主から名義変更料を要求されるケースがあります。相続が原因で借地権を取得した場合は、名義変更料を支払う義務はありません。

また、相続発生のタイミングで借地の返還や地代の値上げを求められるケースもあります。「土地の賃貸借契約を結んだのは、亡くなった借地人であって相続人ではない」と考える地主もいるためです。

前出の通り相続によって借地権を取得した場合は、基本的に地主の許可を取る必要はありません。

ただし地主の要望に応える義務はありませんが、借地人と地主は切っても切れない関係です。地主の要望をすべて断ると、借地権の売却や建て替え・大規模な修繕の承諾を拒否されるケースも考えられます。

土地と建物の所有者が異なることによって、借地人と地主間でトラブルになりやすいという側面があります。トラブルを避け地主との関係を良好に保つためには、地主からの要求には柔軟に対応することも必要です。

3. 準共有状態を解消する方法

これまで説明してきたようなトラブルを避けるために、準共有の状態を解消したいと考えている方もいるでしょう。ここでは、準共有の状態を解消する方法を以下4つ解説します。

  • 準共有者間で持分を売買する
  • 第三者に持分を売却する
  • 借地権を地主に売却する
  • 借地権全体を第三者に売却する

3-1  準共有者間で持分を売買する

1つ目の売却方法は、準共有者間で借地権の持分を売買し、1人に借地権を集約させることです。借地権を1人に集約するメリットは、現金をはじめとした対価を取得できることです。

他方で購入するメリットは、共有している借地に対して自分1人で決定できる行為が増えることです。共有している借地に対する行為とは以下の3つです。

概要要件
保存行為共有物の現状を維持する行為
例:建物の修繕
準共有者が単独で行える
管理行為共有物の利用や改良
例:第三者に借地権を貸与する
※地主の承諾は必要
持分の過半数の同意で行える
変更行為共有物の性質や形状を変更すること
例:借地権の売却
準共有者全員の同意が必要

借地権を売買して準共有者の1人が持分の過半数を所有すると、単独で第三者に借地権の貸与が可能です。さらにすべての持分を1人の準共有者に集約すると、通常の借地権と同じような扱いが可能となり、第三者への売却もスムーズに行えます。

3-2  第三者に持分を売却する

2つ目の方法は、第三者に持分を売却することです。

ただし第三者への持分のみの売却はあまり成立する取引ではありません。なぜなら、持分の一部を購入しても購入者は土地を自由に使えず、他の準共有者とトラブルになる可能性があるためです。

上記の理由から、投資家と利用目的で購入する方のどちらも購入候補者として見つけることは簡単ではありません。

しかし分譲マンションの準共有借地権は、スムーズに第三者に対して売却できるケースが多いです。そもそも区分所有法で、マンションの一室と敷地の借地権は個別の売却が認められていません。

購入者にとっては「分譲マンションの準共有借地権の購入=マンションの一室の購入」となるため、通常の分譲マンションを買うケースとほとんど変わりません。

ただし準共有借地権の売却は法律の専門知識がない不動産業者に依頼してしまうと、後々のトラブルにつながりやすいです。そのためマンションの準共有借地権の売却を検討している方は、共有不動産と借地権の専門家である中央プロパティーにご相談ください。

3-3  借地権を地主に売却する

3つ目の方法は、借地権を地主に売却することです。

地主が借地権を買い取ると、契約の期限を待たずに土地が自由に使えるようになります。一方で借地人のメリットは、第三者に売却するよりも高値で売れる可能性が高いことです。

ただし、地主に借地権を買い取る義務はありません。そのため地主との交渉次第では、借地権を買い取ってもらえない可能性があることには注意が必要です。

3-4 借地権全体を第三者に売却する

4つ目の方法は、準共有者全員の同意を得て、第三者に借地権全体を売却することです。2つ目の方法との違いは、持分の一部を売却するか、持分のすべてを売却するかにあります。

準共有者全員の同意がある場合は、通常の借地権を売却するケースと売却額の相場は変わりません。ただし借地権の売買自体が成立するケースが多くないため、購入希望者が見つからないこともあります。

借地権を購入したとしても、建物の建て替え・大規模な修繕・第三者への貸与(転貸)には地主の許可が必要となり、自由に土地を使えないためです。

そのため準共有借地権を売却したい方は、共有不動産に強みのある不動産会社への依頼をおすすめします。

4.準共有借地権の売却時の注意点

準共有借地権を売却時の注意点を以下3つ解説します。

  • 売却は地主の承諾が必要
  • 承諾料の支払いが必要
  • 借地権は購入希望者が少ない

これらの注意点を理解しておかないと、そもそも売却ができない、想定外の手数料が発生するといった事態が生じます。売却時につまずかないために、これらの注意点をしっかりと理解しておきましょう。

4-1 売却は地主の承諾が必要

借地権の売却には地主の承諾が必要です。地主の承諾なしに借地権を売却すると、土地の賃貸借契約違反となり、借地契約を解除されます。

仮に地主から承諾をもらえなかったときは、借地人から裁判所への申し立てにより売却の許可が下ります。裁判所の許可のことを「代諾許可」といいます。

代諾許可は以下の条件に該当し、承諾料として借地権価格のおよそ10%を支払うと、基本的に認められるケースが多いです。

  • 購入者が決まっていること
  • 購入者が反社会的勢力に該当しない
  • 地主が不利になる恐れがない
  • 経済的に余裕がある

ただし代諾許可は、申立てから許可が出るまでおよそ半年かかります。相続税の支払いが迫っており、急いで借地権を現金化したい方は専門の不動産業者に地主との交渉を任せるのがおすすめです。

4-2 承諾料の支払いが必要

借地権の売却には地主へ譲渡承諾料の支払いが必要です。承諾料の相場は借地権価格の10%程度です。

ただ借地人が承諾料を支払うと申し出ても、地主から売却の承諾を得られないこともあります。承諾を得られない場合は、代諾許可や承諾料の上乗せを行うことを検討してください。

4-3    借地権は購入希望者が少ない

借地権は以下の理由で購入希望者が少ないです。

  • 更新時期が近い
  • 契約期間の残存期間が短い
  • 権利関係が複雑
  • 住宅ローンが組めない場合がある

4-3-1 更新時期が近い

更新時期が近いと、購入者が更新料を支払わなければなりません。そのため金銭的な負担が発生するため、更新時期が近い借地権は購入希望者が少ないです。

4-3-2 契約期間の残存期間が短い

また地主と結んでいる土地の賃貸借契約の残存期間が短い場合も、購入希望者は多くありません。残存期間が短いと、期間満了に時期を迎え、契約更新にかかる更新料の負担問題があるためです。

4-3-3 権利関係が複雑

そもそも借地権は権利関係が複雑なため、購入を敬遠される傾向にあります。借地は所有権を地主が持っており、土地を使う権利を借地人が所有しています。

ですが建物の建て替えや売却などは地主の承諾が必要となるため、借地権を持っていたとしても土地を自由に使うことはできません。

また契約違反の行為をしてしまうと、土地の賃貸借契約が解消されてしまう恐れがあり、土地そのものを使用できなくなるリスクもあります。

このように借地は権利関係が複雑なため、購入者から敬遠されてしまい売却がスムーズにできない可能性が高いです。

4-3-4 住宅ローンが組めない場合がある

一般的に借地権の購入を目的とする住宅ローンの場合、審査が通らない可能性があります。金融機関は住宅ローンの返済が滞ったときに備えて、借地権を売却した際の売却額を計算します。

一般的に所有権に比べて借地権は売却相場が低いため、売却したとしても金融機関は融資金額を回収できないリスクを考えます。また売却する際には地主との交渉が必要となり、売却までのハードルも高くなります。

上記の理由から借地権の購入を目的とした場合、住宅ローンの審査は所有権の審査に比べて条件が厳しいと言えるでしょう。このような事情から借地権を購入する方には、現金一括で購入できる方も多く含まれることを理解しておきましょう。

住宅ローンを適用できないと、買い手が少なくなるため借地権売却のスキームを熟知していることが求められているのです。

まとめ

この記事では、借地権の準共有について解説しました。借地権の準共有とは、所有権以外の「借地権・賃借権・抵当権」などの権利を複数人で所有している状態です。

特に準共有借地権は権利関係が複雑なため、準共有者同士または準共有者と地主間でトラブルになりやすいです。トラブルを解消するためには、共有者間で手続きをして持分を相続人の1人に集約させる、もしくは第三者に持分を譲渡する方法があります。

しかし準共有借地権の取引は需要が低く、スムーズに売却できないケースが多いです。安心して準共有借地権を売却したい方は、共有不動産を専門にしている不動産会社への依頼をおすすめします。

中央プロパティーは、共有持分をはじめとした相続不動産に強みを持つ不動産会社です。社内常駐の専任弁護士に加えて、司法書士や税理士などの専門家とも提携しており、専門的な視点で準共有借地権の相談に乗ってくれます。

さらに中央プロパティーは、仲介手数料や相談から売却にかかる費用がすべて無料のため、経済的に余裕がない方でも安心して利用できる点が魅力です。

準共有借地権の売却について悩んでいる方は、1度中央プロパティーまでお問い合わせください。

この記事の監修者

松原 昌洙マツバラ マサアキ

代表取締役 /
宅地建物取引士

CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。借地権を始めとした不動産トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。

この記事のタグ

おすすめの記事はこちら