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買戻し(買戻特約)とは|用語集

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コンテンツ番号:1786

買戻し(買戻特約)とは

意義:一度売却した不動産を、売却代金と契約費用を返還することによって買い戻すという特約のこと

買戻しの特約

民法579条:「①不動産の売主は、②売買契約と同時にした買戻しの特約により、③買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなす。」

買戻しの期間

民法580条1項:「買戻しの期間は、十年を超えることができない。特約でこれより長い期間を定めたときは、その期間は、十年とする。」

同条2項:「買戻しについて期間を定めたときは、その後にこれを伸長することができない。」

同条3項:「買戻しについて期間を定めなかったときは、五年以内に買戻しをしなければならない。」

買戻しの特約の対抗力

民法581条:「売買契約と同時に買戻しの特約を④登記したときは、買戻しは、第三者に対しても、その効力を生ずる。」

とあります。
いったん不動産を『売却』し、売主(元所有者)に資金が用意できたら返済することで、不動産が返還される契約であり、一種の担保として使用されます。最近では任意売却でも使用されるケースが増えています。

買戻し(買戻特約)の図

要件

  1. 目的物が不動産であること

  2. 売買契約と同時に買戻特約がなされたこと

  3. 代金・契約費用を返還したことが必要です

  4. (第三者に買戻し特約を対抗するには「登記」が必要)

期間

期間については「10年以内」である必要があり、期間を定めなかった場合は「5年以内」に買戻しを実行する必要があります。なお、10年以内の期間を定めた場合は、事後に期間を伸ばすことは許されないとされています(民法58条2項)。

♦参考判例
1. 売買契約後に買戻しの特約をした場合
大判明33年10月5日判決要約:「条文規定から有効とはならない。ただし、『再売買予約』として有効」
2. 事後的な買戻し特約が変更された場合
大判大11年5月5日判決要約:「特約の同一性がある限りは有効
3. 買戻特約のみの解除された場合
大判大10年3月31日判決要約:「買戻特約は解除され、売買契約だけが残る

この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。借地非訟、建物明渡、賃料増額請求など借地権や底地権をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

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