とあるように、債務者の財産について、他の債権者に先だって弁済を受けられる権利です。

とあります。

民法の場合は、賃貸人は賃借人の「動産」に対して先取特権を有するだけです。債務者（賃借人）の不動産には先取特権の効力は及ばないことになります。

借地借家法の対象にしている土地や建物については、上記の民法312条以下で「不動産賃貸の先取特権」ということで、不動産の賃料については民法とは別に先取特権が認められています。
それに加えて、借地権設定者（地主）に対する先取特権を民法とは異なる範囲を借地借家法で認めています。以下、見てみましょう。

民法の規定は、先取特権の目的物として賃借人の「動産」のみを対象としています。
それでは不十分だということで、借地借家法12条は「借地権者がその土地において所有する建物」についても先取特権を認めたことに意味があります。
ただし、借地借家法12条1項にもあるように、「弁済期の到来した最後の２年分の地代等」に制限しています。

この理由は、抵当権の場合の被担保債権の利息は最後の２年分だけ抵当権の行使を認めるという民法375条と同趣旨と考えられています。その趣旨とは「他の債権者を害さないようにする」ということです。
あまりに長きにわたっての期間の未払い地代に対して先取特権を認めてしまうと、他の債権者の利益を害してしまうため、制限するようにしています。

他の債権者や先取特権者がいる場合はどうでしょうか。

とあります。地代に対する先取特権は、他の権利より優先するとありますが、

上記の5つには劣後することになります。
そのため、地代に対しての先取特権があるといっても場合によっては回収できないことも考えられます。未払い地代が多くなる前に、対処をすることが非常に重要です。