\ 無料相談・査定をする /

損害賠償額の予定とは|用語集

更新日:
作成日:
コンテンツ番号:1859

損害賠償額の予定とは

予定を考えるイメージ

意義:債務の不履行があった場合に備え損害賠償の額を予定すること

民法420条1項:「当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。」
同条2項:「賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。」
同条3項:「違約金は、賠償額の予定と推定する。」

引用元: より

とあります。債務不履行に基づく損害賠償請求をする場合は、債権者は原則として損害の発生とその額を立証する必要があります。
もっとも、予め当事者間において債務不履行の場合の損害賠償額が定められていた場合には、損害の発生とその額の立証を要せずに定められた賠償額を請求することが可能になります。予め当事者間で賠償額が定められていることを「賠償額の予定」と言います。

予定を考えるイメージ
  • 民法改正により変わる予定となっています。要綱では「民法第420条第1項後段を削除するものとする。」

♦最判平成6年4月21日判決:

「当事者が民法四二〇条一項により損害賠償額を予定した場合においても、債務不履行に関し債権者に過失があったときは、特段の事情のない限り、裁判所は、損害賠償の責任及びその金額を定めるにつき、これを斟酌すべきものと解するのが相当である…」

すなわち、賠償額の予定が著しく「過大」「過小」な場合が出て来てしまい、不合理な結果が多くありました。そこで、最高裁は、当事者間で損害賠償の予定を定めていたとしても、過失の程度などを考慮し、斟酌することができるとしました。

それに伴って、民法420条1項:「当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。」の後段は削除される予定です

この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。借地非訟、建物明渡、賃料増額請求など借地権や底地権をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

この記事のタグ

おすすめの記事はこちら