底地売却の税金を節約!手残りを最大化する譲渡所得税の特例活用
目次
底地(貸地)の売却を検討する際、多くの地主様が直面するのが「驚くほど高い税金」の壁です。
実は、底地特有の「取得費不明」問題や「所有期間」の判定を誤ると、本来払う必要のない数百万円もの税金を支払うことになり、手残りが大幅に減ってしまうリスクがあります。
本記事では、底地売却にかかる税金の基礎知識から、「相続税額の取得費加算」や「5,000万円特別控除」といった具体的な特例活用術まで、専門知識がない方でも分かりやすく解説します。
底地売却にかかる主な税金一覧
底地を売却した際に発生する税金は主に4つあります。
その中でも、節税対策によって金額が大きく変わるのが「譲渡所得税」です。
| 税金の種類 | 内容 | 節税の余地 |
| 譲渡所得税 | 売却で得た利益(儲け)にかかる所得税・住民税 | 大(特例活用が可能) |
| 復興特別所得税 | 2037年まで所得税額に2.1%上乗せされる税金 | 譲渡所得税に連動 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼り付ける印紙代 | なし(契約金額で固定) |
| 登録免許税 | 抵当権抹消などが必要な場合にかかる実費 | なし |
譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税は、売れた金額すべてにかかるわけではありません。
以下の式で算出された「利益(譲渡所得)」に対して課税されます。
譲渡所得=譲渡価額−(取得費+譲渡費用)
- 譲渡価額: 売却価格
- 取得費: 土地の購入代金や手数料(不明な場合は売価の5%)
- 譲渡費用: 仲介手数料や測量費など、売却のために直接かかった費用
譲渡所得税の税率|相続の場合はどうなる?
底地売却の税率を決定する最も重要な要素が「所有期間」です。売却した年の1月1日時点で、その土地を何年持っていたかによって税率が倍近く変わります。
短期譲渡所得(5年以下)の税率
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合は、約39%(所得税30%+住民税9%+復興所得税)の税率が適用されます。
利益の約4割が税金として消えるため、非常に重い負担です。
長期譲渡所得(5年超)の税率
所有期間が5年を超えると、税率は約20%(所得税15%+住民税5%+復興所得税)まで下がります。
所有期間が5年前後の場合は、焦って売却せずに「5年超」になるのを待つだけで、手残りが利益の約20%分も増える計算になります。
相続で引き継いだ底地の場合、所有期間は「亡くなった方(被相続人)がその土地を購入した日」からカウントを引き継げます。
先代から長く持っている土地であれば、相続直後に売却しても「長期譲渡所得」として扱われるため安心してください。
底地売却ならではの「取得費」の注意点
底地は先祖代々の土地であることが多く、当時の契約書を紛失しているケースが多々あります。
不明な場合は「概算取得費(売価の5%)」として計算しなければなりませんが、これは「95%が利益」とみなされるため、税金が非常に高額になる「罠」です。
古い家計図や当時の領収書、あるいは当時の相場を証明する資料などで、5%以上の取得費を認められないか専門家への相談が推奨されます。
【重要】手残りを増やす!底地売却で使える特例・節税策
底地特有の事情を汲んだ特例を活用することで、税負担を劇的に軽減できます。
① 相続税額の取得費加算の特例
相続から3年10ヶ月以内に底地を売却する場合、支払った相続税の一部を「取得費」として経費に上乗せできます。
これにより、課税対象となる利益を圧縮し、実質的な所得税を減らすことが可能です。
② 借地権者への売却(等価交換・併合)の検討
底地を単体で第三者に売ると安値になりがちですが、借地人に売却する(または借地人と協力して更地として一緒に売る)ことで、土地全体の価値を高めることができます。
また、底地の一部と借地権の一部を「等価交換」して完全な所有権の土地に整理してから売却すれば、税負担を抑えつつ高い手残りを目指せます。
③ 公共事業等のための売却(5,000万円特別控除)
道路拡張などの公共事業のために底地を国や自治体に売却する場合、譲渡所得から最大5,000万円まで控除できる非常に強力な特例があります。
④ 買い換え特例(事業用資産の買換え)
底地を売った資金で、新たに「収益不動産(マンションやビル)」などを購入する場合、課税の8割を将来に繰り延べることができます。
今すぐ払う税金を最小限に抑え、資産を組み替えたい地主様に有効です。
底地売却で「損をしない」ための経費計上のポイント
節税の基本は、漏れなく「経費(譲渡費用)」を計上することです。
譲渡費用として認められるもの・認められないもの
- 認められる: 仲介手数料、測量費、借地権者との交渉にかかったコンサルティング費用、売却のために支出した立退料、建物の解体費用。
- 認められない: 維持管理のための固定資産税、修繕費、通常の交通費など。
契約書の印紙代や立退料の扱い
売買契約書に貼った印紙代は当然経費になりますが、特に底地で重要なのは「借地人への立退料」や「名義書換料の調整金」です。
これらは「売却のために直接要した費用」として認められるため、領収書や合意書を必ず保管しておきましょう。
まとめ:底地売却は「事前準備」で手残りが決まる
底地の売却は、通常の土地売却よりも計算が複雑で、特例の適用判断も専門的です。
- 所有期間を正しく把握する
- 不明な取得費をあきらめない
- 相続税の特例期限(3年10ヶ月)を意識する
これらを徹底するだけで、数百万円単位の節税が可能です。まずは現在の底地が「いくらで売れそうか」、そして「どの特例が使えるか」のシミュレーションから始めてみてはいかがでしょうか。
お客様の底地の状況に合わせた具体的な節税額の試算や、最適な売却タイミングの診断を承ることも可能です。まずは簡易的な査定から始めてみませんか?
当社センチュリー21中央プロパティーでは、底地の管理代行や借地権の専門家としてのサポートを行っています。まずは無料相談をご利用ください。

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この記事の監修者
税理士
ワールド法律会計事務所 代表/税理士
ワールド法律会計事務所の代表を務める、借地権・不動産税務のスペシャリスト。東京税理士会日本橋支部所属(登録番号 117651)。
特に借地権の評価や譲渡に関する税金問題、地代・更新料の税務処理など、借地権にまつわる税務相談を得意分野としている。
生前贈与や親族間の不動産売買、相続対策など、多岐にわたる不動産税務全般にも豊富な経験と実績を持つ。税務の専門知識と実践的なアドバイスで、複雑な不動産税金問題を最適化し、お客様の賢い資産形成をサポートする。