底地相続で揉める理由と対策、争族を防ぐための生前整理の秘訣|底地の相続
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底地相続で揉める理由と対策、争族を防ぐための生前整理の秘訣

「代々受け継いできた土地だから、子供たちにしっかり残してやりたい」
地主様であれば誰もがそう願うはずです。

しかし、その土地が「底地(貸地)」である場合、良かれと思って残した資産が、皮肉にも家族をバラバラにする「争族」の火種になるケースが後を絶ちません。

底地には、更地や自宅とは決定的に異なる「現金化しにくい」「評価が分かりにくい」「借地人が絡む」という3つの特殊性があります。相続が発生してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しても、底地の問題は一朝一夕には解決しません。

本記事では、底地相続でなぜこれほどまでに揉めるのか、その具体的な理由とリアルなトラブル事例、そして家族の絆を守るために今すぐ実践すべき生前整理の秘訣を徹底解説します。

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底地の相続が揉めやすい3つの理由

底地は相続において「お荷物」とされやすく、争族の原因になりやすい不動産です。

その背景には、主に以下の3つの特徴があります。

1. 収益性が極端に低い


多くの底地は長年にわたり地代が据え置かれており、固定資産税や管理費を差し引くと実質的な収益はほとんど残りません。

相続税の納付義務が発生すると、手元資金が圧迫され、キャッシュフロー上の負担が大きくなるケースも少なくありません。

結果として、相続人の一部に「持たせたくない資産」と認識されやすくなります。

2. 売却・分割が極めて困難


底地は借地権が付随するため、物理的な分筆が難しいだけでなく、第三者に売却する場合も、借地権の存在により更地価格の1〜3割程度にしかならないのが現実です。

相続人間で分割方法や売却方針の意見が分かれると、協議が長期化しやすく、争族リスクが高まります。

3. 専門知識がないと価値判断が困難


路線価や固定資産税評価だけでは底地の実勢価値を正確に把握できません。

実際には売れない土地なのに高額に見える評価が提示されると、相続人間で不公平感や疑念が生じやすくなります。

つまり、底地は「権利関係が複雑で、価値が見えにくい資産」であることこそ、揉め事の根本原因なのです。

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底地相続で実際に起きる「争族」トラブル事例

ここからは、実際に地主の家系で起きた4つのトラブル事例を紹介します。

事例①:評価額をめぐって兄弟が対立

父が亡くなり、遺産は「路線価1億円の底地」と「現金3,000万円」。長男が底地を継ぎ、次男が現金を相続することになりました。


長男は「底地なんて借地人が居座っていて売れないし、地代もスズメの涙だ。実質的な価値は2,000万円もない」と主張。

一方、次男は「相続税評価では1億円になっているじゃないか。俺が3,000万円で兄貴が1億円分もらうのは不公平だ。差額を現金で寄越せ」と一歩も譲りません。

【問題点】
相続税評価(税務上の数字)と実勢価格(実際に売れる金額)の乖離を、誰も客観的に説明できないまま感情論に突入してしまいました。

結局、兄弟仲は決裂し、遺産分割協議は泥沼化しました。

事例②:底地を相続した人だけが「損」をする問題

三兄弟で、長男が底地を、次男と三男が利回りの良い賃貸マンションと現金を相続しました。


相続から数年後、長男は頭を抱えることになります。借地人から「屋根の修理をしたいから承諾してくれ」「名義を息子に変えたい」と頻繁に連絡が来ますが、そのたびに複雑な交渉が必要です。対して、次男たちは毎月多額の家賃収入を得て悠々自適。

長男は「管理の手間ばかりかかって、金にならない負動産を押し付けられた」と不満を募らせ、弟たちに「あの時の分割はやり直しだ」と詰め寄る事態になりました。

事例③:借地人との関係悪化が相続後に噴出

先代の父は、借地人と幼馴染で「地代は安くていいよ」と口約束で済ませていました。


父の死後、相続した息子が「今の地代では固定資産税すら賄えない」と値上げを打診。しかし、借地人は「お父さんとはこの金額で一生行くと約束した。代替わりしたからと言って欲を出すのか」と猛反発。


さらに、相続人が複数(長男と長女)いたため、長男は「強く交渉すべき」と言い、長女は「揉めたくないから放置でいい」と言い出し、身内同士でも意見が割れて借地人につけ込まれる結果となりました。

事例④:共有相続で身動きが取れなくなる

「とりあえず平等に」と、1筆の大きな底地を兄弟3人で3分の1ずつ共有名義で相続しました。


数年後、借地人から「底地を買い取りたい」という申し出がありました。長男と次男は「現金化できるなら売りたい」と賛成しましたが、三男だけが「先祖代々の土地を売るなんて不謹心だ」と猛反対。


共有名義の場合、売却や大規模な契約変更には全員の同意が必要です。たった一人の反対で交渉はストップ。

そのまま三男が認知症になり、さらに事態は悪化。次の世代(孫たち)に、より複雑になった権利関係を押し付ける形になってしまいました。

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なぜ生前整理をしないと「争族」になるのか

事例から分かる通り、底地問題の多くは「相続発生後」に動き出すから失敗するのです。

相続発生後では打てる手が限られる

本人が亡くなった後、相続人は「期限のある相続税申告」に追われます。その短期間で、借地人と買い取り交渉をしたり、土地を測量して等価交換をしたりするのは物理的に不可能です。


生前であれば、地主本人が「地主としての権威」を持って借地人と対等に話せますが、相続人(子供)が突然現れて交渉を始めても、借地人は警戒して心を閉ざしてしまいます。

「遺言だけ」では不十分な理由

「長男に底地、次男に現金」と遺言を書くだけでは不十分です。

なぜなら、遺言は「分け方」は指定できても、その資産の「扱いづらさ(デメリット)」までは解決してくれないからです。


残された家族が、納得感を持ってその資産を引き継げる「状態」にしておくことこそが、真の生前整理です。

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争族を防ぐための底地の生前整理5つの秘訣

では、具体的に何をすべきか。地主様が今すぐ取り組むべき5つのポイントをまとめました。

秘訣① 底地の「本当の価値」を専門家に可視化してもらう

まずは、身内に説明できる「客観的なデータ」を用意しましょう。

  • 相続税評価額(税理士)
  • 実勢価格(不動産鑑定士や底地専門業者)
    これらを比較し、「この土地はいくらで売れる可能性があるのか」を明確にすることから始まります。

秘訣② 共有を避ける相続設計をする

底地の共有は「争いの予約」です。
単独相続を原則とし、もし不公平が出るなら「代償分割(土地を継ぐ人が、他の兄弟に現金を払う)」や、他の資産(生命保険など)を組み合わせた設計を事前に行いましょう。

秘訣③ 借地人との関係を生前に整理

契約書が古い、あるいは紛失している場合は、生前に「改訂」や「再作成」を行います。

また、将来的に売却する意向があるのか、更新時にどうしたいのかを、地主本人の口から借地人に伝えておくことで、相続後のハードルが劇的に下がります。

秘訣④ 売却・等価交換・買取交渉を検討

「持ち続ける」ことだけが正解ではありません。


相続人が底地の管理を望まないなら、生前に売却して現金化しておく、あるいは借地権の一部と交換して「完全な所有権の土地」にしておくなど、相続人が扱いやすい形に姿を変えておくことが最大の優しさです。

秘訣⑤ 相続人に「底地の現実」を説明しておく

メリット(安定収入など)だけでなく、デメリット(トラブルのリスクや管理の手間)も包み隠さず話しましょう。

地主様の想いとセットで「なぜこの分け方にしたのか」を書面(付言事項など)に残すことが、感情的な対立を防ぐ防波堤になります。

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底地トラブルを回避するための対策3選

底地は相続や管理の面でトラブルが起きやすいため、事前に整理しておくことが重要です。

代表的な手法として、以下の3つがあります。

①借地人に買い取ってもらう

借地人に土地を譲渡する方法です。

借地人にとっては「自宅が完全に自分の土地になる」ため、購入意欲が高く、交渉も円滑に進みやすいのが特徴です。市場価格よりやや高めの設定でも納得されやすく、相続人間での分配もスムーズになります。

また、地主側は借地人との関係を整理できるため、将来の管理負担や争族リスクを大幅に減らせます。

②借地権と底地を「等価交換」する

土地の一部を借地人に譲渡し、代わりに現金ではなく別の土地の所有権を取得する手法です。

これにより、地主は売却しやすく、利用しやすい更地を確保できます。現金を使わず資産を再配置できるため、相続税や分割の調整にも有効です。

ただし、測量や契約の再設定など手続きが複雑なため、専門家のサポートが欠かせません。

③専門業者への売却

底地専門の不動産業者に一括売却する方法です。

借地人との交渉や契約上の調整も業者が引き受けるため、地主は心理的負担を負わずに資産を現金化できます。

相続税や相続人間の公平性を考慮した売却設計が可能で、時間や労力を大幅に削減できるのもメリットです。

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まとめ:底地相続で失敗しないために今すぐやるべきこと

底地は、一見すると安定した地代収入をもたらす平穏な資産に見えるかもしれません。

しかし、その実態は「低い収益性」「低い流動性」「複雑な権利関係」という、相続におけるトラブルの種を内包した「静かに争族を生む不動産」です。

底地の整理には、借地借家法、税務、そして何より借地人様との高度な交渉ノウハウが不可欠です。

私たち「借地権専門の不動産会社 センチュリー21」は、数多くの地主様の悩みに寄り添い、円満な解決を実現してきた実績があります。

「借地人さんとの交渉を代行してほしい」
「今の底地がいくらで売れるのか知りたい」
「相続税対策として等価交換を検討したい」

どんな些細なご不安でも構いません。まずは底地のプロフェッショナルである私たちにご相談ください。代々守ってこられた大切な土地を、次世代へ「笑顔」で繋ぐためのお手伝いをさせていただきます。

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この記事の監修者

塩谷 昌則

弁護士

エルピス総合法律事務所 代表弁護士/宅地建物取引士
東京大学法学部を卒業後、20年以上にわたり不動産法務の最前線で活躍するスペシャリスト。東京弁護士会に所属し、弁護士資格に加え宅地建物取引士の資格も有することで、法律と不動産実務の両面から深い専門知識と豊富な経験を持つ。

特に借地権における紛争解決においては、業界屈指の実績を誇り、借地権更新料問題、地代増減額請求、借地非訟事件、建物収去土地明渡請求など、複雑な案件を数多く解決に導いてきた。

著書に「事例でわかる 大家さん・不動産屋さんのための改正民法の実務Q&A」がある。メディア出演やセミナー登壇実績も多数。

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