底地の固定資産税が高すぎる?地主必見の節税対策と収益化の実践法
「先代から引き継いだ底地があるけれど、地代収入のほとんどが税金に消えてしまう……」
「毎年送られてくる固定資産税の納税通知書を見るのが苦痛だ」
このように、底地(借地権が設定された土地)を所有する地主様の多くが、収益性と税負担のバランスに頭を悩ませています。特に都市部では地価の上昇に伴い、固定資産税だけが跳ね上がり、実質的な収支が赤字になる「負動産」化するケースも少なくありません。
本記事では、税理士の視点から底地の固定資産税の仕組みを紐解き、具体的な節税対策と収益を最大化させるための実践法を詳しく解説します。
底地の固定資産税とは?
固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に対して課される地方税です。税額は基本的に以下の数式で算出されます。
固定資産税 = 固定資産税評価額 × 1.4%
土地の評価方法
土地の評価には、実勢価格のほかに「公示地価」「路線価」「固定資産税評価額」といった複数の基準があります。
固定資産税の計算には、3年に一度評価替えが行われる固定資産税評価額が用いられます。
底地の特殊性(評価減の仕組み)
底地は、他人が建物を建てて住む権利(借地権)が付着しているため、地主が自由に使うことができません。
そのため、相続税評価においては借地権割合(30%〜90%程度)を差し引いた価額で評価されます。
しかし、固定資産税においては「更地」と同じ評価が基本であり、借地権がついているからといって自動的に税金が安くなるわけではないのが、底地所有者の大きな負担となっている要因です。
高額になりやすい原因
底地の固定資産税が「収益に見合わないほど高い」と感じるのには、法的な仕組みと評価のタイムラグに起因する明確な理由があります。主に以下の3点が挙げられます。
① 借地権割合が低く評価減が十分でないケース
相続税や贈与税の計算では、借地権割合(土地全体の価値のうち、借地人が持つ権利の割合)を差し引いた「底地価格」で評価されます。
しかし、固定資産税においては、基本的に「土地全体の所有価値」に対して課税されるのが原則です。
相続税評価では「借地人がいるから30%〜40%の価値しかない」とされる土地でも、市区町村が算出する固定資産税評価額では、更地に近い基準で課税されることが多々あります。
昭和初期などの古い契約では、借地権の範囲や内容が曖昧なことが多く、行政側が「底地としての減額事由」を正しく把握できていないケースも見受けられます。
② 固定資産税の評価替えのタイミング
固定資産税は、3年に一度「評価替え」が行われます。このタイミングが、地主様の収支を直撃するリスクとなります。
近年、都市再開発や地価の高騰が続いているエリアでは、評価替えの年に評価額が一気に跳ね上がることがあります。
固定資産税は3年ごとに最新の地価を反映しますが、借地人から受け取る「地代」は数十年据え置かれているのが一般的です。「支出(税金)は変動するが、収入(地代)は固定されている」という構造が、負担感を増大させる最大の要因です。
③ 借地人の権利設定による課税影響
土地の上にどのような建物が建っているか、どのような契約形態かによっても、税負担の軽減措置が変わります。
通常、居住用の建物が建っていれば「住宅用地の特例」により課税標準額が1/6(小規模住宅用地の場合)などに軽減されます。
しかし、借地人が地主の承諾なく建物を改築して非住宅用(事務所や店舗など)に変えてしまった場合や、建物が取り壊されて空き地状態が続いた場合、この特例が外れ、税金が一気に3倍〜6倍に跳ね上がるリスクがあります。
また、長期間にわたる借地権が設定されている場合、地主側で土地の用途変更や処分が制限されるため、実質的な価値(処分価値)は低いにもかかわらず、公的な評価額にはその「不自由さ」が十分に反映されないことが高額課税の一因となります。
地主が取れる節税対策
底地の固定資産税は、評価額の設定次第で大きく変わります。
そのため、地主としては適切な評価額を維持しつつ、合法的な節税策を取ることが重要です。ここでは税理士が実務でおすすめする具体的な節税方法を解説します。
①評価減交渉による固定資産税の軽減
固定資産税評価額に不服がある場合、市区町村に「固定資産税評価額の見直し請求」を行うことができます。
これは正式には「固定資産評価審査請求」と呼ばれ、評価額が実勢価格より高い場合や、借地権設定により評価減が可能な場合に有効です。
実例として、都市部の底地で建物の老朽化や借地権割合の見直しを理由に請求したケースでは、評価額が約15%減額され、年間固定資産税の負担が数十万円軽減された事例もあります。
審査請求には過去の取引事例や周辺地価、借地契約書などの資料を添付する必要があり、税理士に依頼することでスムーズに進められます。
②借地権設定の見直し
底地の評価額は借地権割合によって大きく変わります。
借地権割合が高ければ地主側の課税評価は下がるため、評価額を正しく反映させることが節税につながります。
特に長期借地契約や更新時に、権利内容を最新の契約条件に合わせて調整することが重要です。
例として、旧借地契約で借地権割合が低く設定されていた土地を、現行の相場に合わせて契約書を更新した結果、固定資産税が年間20万円程度軽減されたケースがあります。
契約見直しは税理士や土地家屋調査士と連携して行うと安心です。
③小規模宅地の特例を活用する
相続や贈与が絡む場合、底地を「小規模宅地等の特例」の対象にできる場合があります。
条件を満たすと、相続税評価額を最大80%減額可能です。土地の相続において税負担が膨らむ前に、専門家と相談して適用可否を確認することが節税に直結します。
④評価替え・地価調整のタイミングを活用
固定資産税は原則3年ごとに評価替えが行われます。
評価額が高騰する前に、減額要因(地形や借地権割合など)を見直すことで、税負担を抑えることができます。
また、自然災害や地盤の問題による減価が認められる場合は、評価額の減額申請も可能です。
⑤複数の土地所有における総合的な節税
底地を複数所有している場合、単独での評価減だけでなく、土地の組み合わせや売却タイミング、相続時の評価方法を総合的に判断することが節税効果を最大化します。
税理士が土地ごとの評価と収益性を分析し、最適な節税プランを作ることで、長期的に固定資産税を抑えることが可能です。
底地の収益を改善する方法
底地は節税だけでなく、収益化のポテンシャルも高い資産です。
特に都市部や住宅地、商業地にある底地は、地代収入や土地活用によって安定したキャッシュフローを生むことができます。
ここでは地主が実務で活用できる具体的な収益化方法を詳しく解説します。
1. 地代収入の最適化
借地契約を見直し、地代の相場や契約条件に合わせて更新することが最も基本的な収益化策です。
長期間固定された低額の地代では、インフレや地価上昇に対応できません。契約更新時には、地代の増額交渉を行うことが可能です。
例えば、築30年の建物が建つ底地で地代が古い契約のまま低額だったケースでは、地代を適正価格に改定することで年間収入が約50万円増加しました。
2. 底地売買・借地権売買
相続や資産整理の一環として、底地や借地権を売却することで現金化することも可能です。
特に借地権付き土地は市場で需要があり、相続税対策として売却することで税負担を軽減しつつ資産を現金化できます。
実務では、底地の相場評価を税理士と協議し、売却価格と税負担のバランスを最適化することが重要です。
3. 土地活用型の収益化
借地契約を維持しながら、底地自体を活用して収益を得る方法もあります。代表的な例は以下の通りです。
- 駐車場経営:都市部では需要が高く、初期投資が比較的小さい
- 貸地事業:倉庫や店舗用地として貸すことで安定収入を確保
- ソーラー発電:太陽光発電用地として活用し、固定収入を得る
これらは地代収入に加え、土地自体の収益性を高める手法です。
4. 借地人との共同事業
借地人と共同で賃貸住宅や商業施設を建設し、収益を分配するスキームも有効です。
地主は土地を提供するだけで一定の収益を得られ、借地人も開発リスクを軽減できます。
この場合、契約書や収益分配方法を明確に定め、税理士と連携して税務上の問題を回避することが重要です。
5. 複合的な活用戦略
底地の収益化では、地代収入、売却、土地活用を組み合わせることでリスク分散と収益最大化が可能です。
都市部の底地では、長期的に収益を安定させるために、税理士・土地家屋調査士・不動産会社と連携した戦略が推奨されます。
専門家に相談すべきタイミング
底地の固定資産税や収益化で迷ったら、税理士や土地活用の専門家に相談するのが最も安全です。
- 固定資産税評価額の異議申し立て前
- 相続や譲渡を検討する前
- 複数の借地人がいる場合の調整
専門家に相談することで、節税と収益化の両立が可能になります。
まとめ
底地の固定資産税は、適切な評価と節税対策によって軽減できます。また、収益化と税負担軽減はセットで考えるのが賢明です。
地主の方は、早めに税理士や土地活用の専門家に相談することで、固定資産税の負担を抑えつつ、底地を有効に活用できます。
センチュリー21中央プロパティーでは、底地の相続対策や管理・売却をサポートし、税理士と連携して最適なプランを提供しています。

借地人とのトラブル、相続した底地にお悩みの方は、ぜひ当社の無料相談窓口をご利用ください!「底地のトラブル解決マニュアル」では、トラブルの対処法や当社のサポート内容を紹介しています。ぜひご覧ください。
この記事の監修者
税理士
ワールド法律会計事務所 代表/税理士
ワールド法律会計事務所の代表を務める、借地権・不動産税務のスペシャリスト。東京税理士会日本橋支部所属(登録番号 117651)。
特に借地権の評価や譲渡に関する税金問題、地代・更新料の税務処理など、借地権にまつわる税務相談を得意分野としている。
生前贈与や親族間の不動産売買、相続対策など、多岐にわたる不動産税務全般にも豊富な経験と実績を持つ。税務の専門知識と実践的なアドバイスで、複雑な不動産税金問題を最適化し、お客様の賢い資産形成をサポートする。