借地権の名義変更をしないとどうなる?相続登記の流れ・費用も解説
目次
借地権の相続時には、名義変更の手続きが必要です。この名義変更手続きのことを相続登記と言います。
本記事では、借地権を相続した際の名義変更の流れや名義変更しない場合の5つのリスクについて詳しく解説します。
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借地権の相続登記の流れ
借地権付き建物の相続登記の流れは以下の通りです。
- 遺産分割協議書もしくは遺言書を用意する
- 司法書士に登記申請を依頼する
- 登録免許税を納税する
- 相続登記が完了する
借地権は土地に登記されていないことが多いですが、借地上の建物を登記することで、第三者にその権利を主張することが可能です。
ここでは借地権付き建物の相続登記手続きについて紹介します。
Step1.遺産分割協議書もしくは遺言書を用意する
借地権付き建物を相続登記するためには、自身が相続した証拠となる「遺産分割協議書」もしくは「遺言書」が必要となります。
遺産分割協議書とは相続人全員で被相続人(亡くなった方)の財産の分割方法と割合について話し合った内容をまとめたものです。原則遺言書が無い場合に作成しなければいけない書類です。
遺産分割協議書などがなければ第三者に借地権付き建物を相続したことを証明することができません。
Step2.司法書士に登記申請を依頼する
遺産分割協議書が作成できた後は、司法書士に登記申請を依頼します。
自分で相続登記の手続きをすることも可能ですが、必要書類が多く煩雑な手続きが多いため、司法書士に依頼する方が多いです。
なお、遺産分割協議書の作成代行も司法書士が行ってくれるため、最初から依頼しても問題ありません。
Step3.登録免許税を納税する
不動産の名義変更登記などを行う場合、登録免許税を納税しなければいけません。
登録免許税は登記申請する前に納税する必要があり、固定資産税評価額に税率を掛けたい値を納税します。
登録免許税=固定資産税評価額×0.4%
納税は税務署や法務局ではなく金融機関の窓口で行います。ただし登録免許税が3万円以下であれば収入印紙で納付することが可能です。
Step4.相続登記が完了する
登録免許税を納税し、司法書士が登記申請を行えば、おおよそ1週間から2週間前後で登記が完了します。
ただし、2月3月は新築住宅や新築アパートの完成時期と重なり、多くの登記申請が重なることから1か月以上かかるケースもあるため注意してください。
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借地権付き建物の相続登記に必要な書類
借地権の名義変更手続き(相続登記)には、亡くなった方に関する書類と相続人に関する書類が必要です。
また、遺産分割の方法によって、必要書類が異なるため詳しく解説します。
書類①:亡くなった方(被相続人)に関する書類
- 戸籍謄本(または除籍謄本、改製原戸籍謄本)
出生から死亡までの連続した戸籍の記録が必要です。
これにより、被相続人の死亡の事実と、相続人との関係を証明します。 - 住民票の除票
最後の住所を証明する書類です。 - 固定資産税評価証明書
相続する借地権の評価額を証明する書類で、登録免許税の計算に必要です。
所在地の市区町村役場で取得します。
書類②:相続人に関する書類
- 戸籍謄本
相続人全員の現在の戸籍謄本が必要です。 - 住民票
相続人全員の現在の住民票が必要です。 - 印鑑証明書
相続人の中で、遺産分割協議に参加する方全員の印鑑証明書が必要です(遺産分割協議が必要な場合)。
発行から3ヶ月以内のものが求められることが多いです。 - 本人確認書類
運転免許証、マイナンバーカードなどの顔写真付きの公的な本人確認書類のコピーが必要です。
書類③:相続する借地権に関する書類
- 借地権に関する契約書
借地契約書、賃貸借契約書など、借地権の内容を証明する書類のコピーが必要です。 - 土地の登記事項証明書(全部事項証明書)
相続する土地の登記情報を確認するために必要です。法務局で取得します。 - 被相続人の住民票の除票(登記簿上の住所と異なる場合)
登記簿上の住所から転居している場合、住所の繋がりを証明するために必要です。
書類④: 遺産分割に関する書類(遺言書がない場合)
- 遺産分割協議書
相続人全員で遺産の分け方について話し合い、合意した内容を記載した書類です。相続人全員の署名と実印の押印が必要です。
書類⑤:遺言書がある場合に必要な書類
- 遺言書の謄本または正本
公正証書遺言の場合は公証役場で、自筆証書遺言の場合は家庭裁判所の検認済みの遺言書が必要です。 - 遺言者の死亡の記載がある戸籍謄本
遺言者が亡くなったことを証明する書類です。 - 受遺者(相続人以外に遺贈された場合)の住民票
受遺者の住所を証明する書類です。
司法書士に相続登記を依頼する場合は、委任状も必要です。
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借地権付き建物の相続登記にかかる費用
借地権付き建物の相続登記にかかる費用は数十万円程度となります。主な費用は以下の通りです。
- 登録免許税・・・固定資産税評価額×0.4%
- 司法書士への報酬額・・・6万円~10万円程度
- 各種書類取得費用・・・2,000円~1万円程度
仮に固定資産税評価額が2,000万円の場合、15万円から20万円前後の費用がかかります。固定資産税評価額は固定資産税納税通知書に記載されているため、確認してみましょう。
また、新築の建物の場合は固定資産税は翌年に課せられる税金であるため、納税通知書が手元にありません。その場合は、司法書士などに計算してもらいますが、一般的には「本体価格の50%〜60%」が固定資産税評価額の目安となります。
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借地権の名義変更しないとどうなる?5つのリスク
借地権の相続登記を怠ると、以下のような不利益があるため注意が必要です。
- 第三者へ借地権を対抗できない
- 罰則(過料)の対象となる可能性がある
- 売却や担保設定できない
- 将来的に相続トラブルになりやすい
- 地主とトラブルになりやすい
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リスク①:第三者へ借地権を対抗できない
借地借家法第10条により、借地権者が土地の上に登記された建物を所有していれば、借地権の登記(賃借権登記)がなくても第三者に対抗できます。
しかし、建物の登記名義が故人(被相続人)のまま放置されていると、相続人が「自分が正当な借地権者である」ことを新しい地主などの第三者に対して明確に主張・証明するために、建物の相続登記(名義変更)が求められます。
リスク②:罰則(過料)の対象となる可能性がある
不動産登記法の改正により、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。
相続により不動産(借地権を含む)の所有権を取得した相続人は、その事実を知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。
正当な理由なくこの義務を怠った場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
リスク③:売却や担保設定できない
将来的に借地権(建物)を売却したいと思っても、登記名義が故人のままだと、買主に権利を移転する手続き(所有権移転登記)ができません。結果として、売却取引自体が成立しなくなります。
また、借地権を担保に入れて金融機関から融資を受けようとする場合も、相続登記の完了が担保設定の前提条件となります。
登記が完了していないと、担保権の設定ができず、融資を受けられません。
リスク④:将来的に相続トラブルになりやすい
相続登記をしないまま時間が経過し、さらに次の相続(二次相続)が発生すると、相続人の数がねずみ算式に増加します。
相続人が増えると、遺産分割協議を行うための関係者全員の合意を得ることが非常に困難になります。
登記に必要な戸籍謄本などの書類収集も、複数の世代にわたるため膨大な量となり、時間と費用が大幅にかかります。
リスク⑤:地主とトラブルになりやすい
地代の支払いに関する契約上の権利・義務の主体が不明確になり、地主との間で契約履行に関する手続きが滞る可能性があります。
借地契約の更新や、借地権の譲渡・転貸の承諾を得る際など、重要な局面で権利者が誰であるかを明確にできず、手続きがスムーズに進まなくなる原因となります。
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相続登記は2024年4月1日より義務化され、借地権付き建物も該当します。
相続で建物を継承する人は、相続登記しなければ10万円以下の過料が課せられるため注意しなければいけません。
また相続の手続きは複雑であり、司法書士などの専門家に相談しながら手続きしなければ、申告・納税期限の10か月に間に合わなくなる可能性も高いです。
当社は借地権を専門に取り扱う不動産会社として、相続登記から売却までのサポートを行ってきた実績がございます。
売却前提であれば、相続登記にかかるお客様負担はなしでご対応させて頂いているため、借地権に関して悩んでいる方はぜひ中央プロパティーへご相談くださいませ。
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借地権の相続登記に関してよくある質問
借地権の相続登記に関してよくある質問と、その回答をいくつかご紹介します。
Q1:借地権を相続したら、登記は必ず必要ですか?
A:法律上は必須ではありませんが、速やかに登記を行うことが強く推奨されます。
登記をすることで、「自分がこの借地権の正当な所有者である」ことを第三者(対抗力)に対して証明できるからです。
特に将来、土地上の建物を売却したり、担保に入れたりする際に不可欠となります。
Q2:借地権を相続登記しないとどうなりますか?
A:登記がないと、借地権を二重に主張する第三者が現れた場合などに、あなたの権利を法的に証明することが難しくなります。
また、金融機関からの融資の担保とすることもできません。
Q3:登記の際、地主の承諾は必要ですか?
A:相続による借地権の承継(名義変更)については、借地権の地位がそのまま承継されるため、地主の承諾は原則として不要です。
地主から承諾料を求められても、応じる義務はありません。
Q4:登記申請に必要な主な書類は何ですか?
A:通常の建物の相続登記に必要な書類とほぼ同じです。
具体的には、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、遺産分割協議書(または遺言書)、相続人全員の印鑑証明書などが必要になります。
Q5:登録免許税はいくらぐらいかかりますか?
A:借地権の登録免許税は、土地の固定資産評価額を基に算出されます。
具体的には、土地の固定資産評価額の10分の1を課税標準額とし、これに税率1000分の4を乗じて計算されます。
Q6:相続後、借地契約を地主と結び直す必要がありますか?
A:借地権は包括的に相続されるため、原則として契約を結び直す必要はありません。
契約の借主の地位が相続人にそのまま移転します。
ただし、地主から借地権者変更の通知や挨拶は行うべきでしょう。
Q7:借地権の契約書を紛失してしまった場合、登記はできますか?
A:契約書がなくても、土地の登記簿に既に借地権の登記がされている場合や、建物登記がされていれば、相続登記は可能です。
しかし、将来の契約更新やトラブルに備えて、地主に相談して契約内容の確認や写しを求めることが望ましいです。
この記事の監修者
司法書士
司法書士・司法書士ALBA総合事務所 代表
平成16年に司法書士試験合格以来、一貫して司法書士業界で研鑽を積む。東京司法書士会新宿支部所属。
特に借地権に関する登記手続き(借地権設定登記、名義変更、解除など)において、豊富な実績と深い知見を持つ。複雑な借地権の権利関係を整理し、スムーズな登記を実現する専門家。
また、不動産登記全般(共有持分、権利変更など)や、会社設立などの商業(法人)登記にも精通。相続手続きや債務整理の経験も活かし、多岐にわたる法的ニーズに対応可能。