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借地権の譲渡に地主の承諾は必要?|借地権の売却・買取

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借地権の譲渡に地主の承諾は必要?

「借地権を譲渡したいけど地主の承諾は必要かな?」

「どうやって譲渡するのだろう」

「地主が承諾しなかったらどうすればよいの?」

借地権の譲渡を検討している方は上記のような疑問を抱いているのではないでしょうか。借地権上に建物を所有している方は、建て替えや売却する際地主の承諾が必須となりますが、譲渡の場合も必要なのでしょうか。

この記事では借地権の譲渡に関する地主の承諾の必要性と譲渡方法、地主が承諾しない場合の対処方法について紹介します。

1.借地権の譲渡には地主の承諾が必要

借地権の譲渡には地主の承諾が必要です。

譲渡とは、有償無償を問わない贈与や売却が具体例として挙げられますが、借地権の譲渡は第三者に借地人の権利を移すことになります。

地主の承諾を得ずに借地権を譲渡してしまうと、借地契約違反に該当し、地主との間で大きなトラブルになります。

そのため、借地権の譲渡をする際は、必ず地主の承諾を得てから行う必要があります。

2. 借地権を譲渡する方法

ここでは借地権を譲渡する方法を6つステップに分けて紹介します。

2-1 不動産査定をする

はじめに借地権の売却査定を不動産会社に依頼します。借地権の売却査定は不動産会社によって価格が異なるため、相場価格を知るうえでも複数社に依頼することをおすすめします。

とはいえ、価格が高ければ良いというわけではありません。もちろん価格が高ければ得られる利益も大きくなりますが、高すぎるがゆえに買い手が見つからないということにもなりかねないためです。

さらに不動産の取引は売り出し価格から買主が値段を下げて購入したい指値交渉を行ってくるのが一般的なため、あくまで相場価格を把握することを目的に査定を依頼しましょう。

2-2 借地権専門の業者に相談する

借地権は権利調整や法律が複雑なため、取り扱いの経験が少ない不動産会社も多いことから、借地権に強い不動産会社を選ぶのも一つのポイントです。後々重要となる地主との交渉は、借地人だけでなく、不動産会社にもサポートしてもらいながら行うため、経験やノウハウが求められるためです。

2-3 地主への交渉をおこなう

借地権専門の業者と地主への交渉を行います。自分だけで地主と交渉すると、そもそも譲渡に承諾しないということにもなりかねず、場合によっては地主との関係が悪化し、今後のやり取りにも支障をきたす可能性も高まります。

しかし借地権の専門業者に依頼すれば、双方の中立な立場として仲介してくれるため、交渉も成立する可能性が高まります。

2-4 売買契約の締結

買主が決まった後は、売主と売買契約を締結します。

売買契約時の時点では、買主から代金を受け取ることができず、決済時に受け取るため注意してください。

また売買契約時には不動産会社に仲介手数料と、契約書に添付する印紙を用意する必要があります。仲介手数料は売買代金によって計算式が異なるものの、400万円以上の場合「(売買代金×3%+ 6万円)×消費税」の金額となります。

仲介手数料は「売主と買主が折半するケース」と「買主が全額負担するケース」があるため、事前に不動産会社へ確認しておきましょう。

また契約書に添付する印紙は、売買代金によって用意する金額が以下の表の通り決まっています。

契約金額本則税率軽減税率(平成26年4月1日から令和6年3月31日までの間に作成されるもの)
10万円を超え 50万円以下のもの400円200円
50万円を超え 100万円以下のもの1千円500円
100万円を超え 500万円以下のもの2千円1千円
500万円を超え1千万円以下のもの1万円5千円
1千万円を超え5千万円以下のもの2万円1万円
5千万円を超え 1億円以下のもの6万円3万円
1億円を超え 5億円以下のもの10万円6万円
5億円を超え 10億円以下のもの20万円16万円
10億円を超え 50億円以下のもの40万円32万円
50億円を超えるもの60万円48万円

出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁 

印紙は不動産会社が立替で用意してくれるケースと自身で用意するケースがあります。誤ってお互い購入することにならないためにも事前に不動産会社と打合せしておくことをおすすめします。

2-5 借地権譲渡承諾書

地主と借地権譲渡承諾書を締結します。譲渡承諾書は名前の通り借地権の譲渡に承諾したという書類です。

買主とすれば、地主から譲渡の承諾を得ているか不明なため、借地権譲渡承諾書を提示する必要があります。書類に関しては不動産会社が作成してくれるため、署名捺印の準備を行っておきましょう。

一般的には売買契約後に地主の承諾を得るケースも多いですが、事前に承諾を得ていても問題ありません。なお、承諾する代わりに地主から承諾料を請求されることが一般的であるため、いつまでに支払うのかを明確に確認しましょう。

2-6 所有権移転登記

決済が完了した後は所有権移転登記を司法書士に依頼して行います。司法書士は不動産会社が紹介してくれるため、自分で手配する必要もありません。

また所有権移転登記は、一般的に買主が費用負担してくれるため、署名捺印の準備と印鑑証明書などの必要書類を用意して待ちましょう。所有権移転登記が完了すれば、譲渡の手続きは終了となります。

3. 借地権の譲渡を地主が承諾しない場合

借地権を譲渡する流れについて紹介しましたが、そもそも地主が承諾しないケースも考えられます。地主としては新たな借地人と契約するのは面倒と捉える人も多いためです。そのような場合、以下の通り、「借地非訟」によって解決することが可能です。

3-1  借地非訟ができる条件

借地非訟とは、裁判所が地主に代わり、借地人に対し承諾を決定する制度のことです。地主が承諾してくれない場合に利用できますが、借地非訟は借地人が申立てを行い、裁判所が認めた場合のみ適用できるため、具体的な条件などを紹介します。

3-1-1 譲渡(引き渡し)の前であること

借地非訟ができる条件として、譲渡が完了する前であることが必要です。ここでの譲渡は所有権移転登記の完了前を指します。例えば地主の承諾を得ず売買契約を締結し、所有権移転登記の完了後に借地非訟はできません。

3-1-2 譲渡の相手が決まっていること

借地非訟は既に譲渡先(買主)が決まっていることが条件です。譲渡先がわからないと地主にとっては地代がもらえなくなるなどの不利な条件にもなりかねないためです。そのため先に裁判所から承諾をもらってから買主を探すということはできません。

3-1-3 借地上に建物があること

借地上に建物がなければ借地非訟はできません。借地権だけの売買の承諾を裁判所に申立てしても許可されることはありません。また建物の建て替えを行おうと地主の承諾を得て解体したものの、融資が認可されず譲渡せざる負えない状況になったとしても、100%借地非訟ができるとは限りません。あくまで借地上に建物があることが条件であるため、建て替えなどをする際は注意してください。

3-2 借地非訟の流れ現場の住宅地図

借地訴訟は以下の流れで手続きを行います。

  1. 申立て
  2. 事件の審理
  3. 事件の終了
  • 申立て

申立ては借地権のある土地を管轄する裁判所にて行います。裁判所のホームページから申立書をダウンロードし、必要事項を記載します。記載内容は複雑であるうえ、代理人は弁護士のみとなるため、弁護士に相談しながら申立てを行うことをおすすめします。申立書を提出した後は書記官が、提出書類を点検した後、受付票が交付されます。

なお申立書の他に必要書類は以下の通りです。

土地固定資産評価証明書(原本)建物固定資産評価証明書(原本)対象不動産の住宅地図賃貸借契約書等委任状(弁護士に委任する場合)

また申立をするには手数料を収入印紙で納付しなければいけません。手数料は借地非訟の申立て内容に異なり、借地権の譲渡の場合は「増改築許可申立事件以外の申立手数料」に該当し、以下の計算式で算出します。

借地の範囲が当該土地全部のとき固定資産評価額÷2
借地の範囲が当該土地のうちの一部のとき固定資産評価額×借地が占める割合÷2
目的物の価格(算定の基礎となる額)申立手数料の目安額
500万円12,000円
1,000万円20,000円
1,500万円26,000円
2,000万円32,000円
2,500万円38,000円
3,000万円44,000円
3,500万円50,000円
4,000万円56,000円
4,500万円62,000円
5,000万円68,000円
5,500万円74,000円
6,000万円80,000円
6,500万円86,000円
7,000万円92,000円
7,500万円98,000円
8,000万円104,000円
8,500万円110,000円
9,000万円116,000円
9,500万円122,000円
1億円128,000円

第3 費用 | 裁判所 (courts.go.jp)

ただし、上記の手数料は目安であり、裁判所によって算定基準が異なることがあるので、正確な申立手数料については管轄裁判所の算定基準を確認しましょう。

また、申立手数料とは別に書類送付の費用として、相手1名に対し4,500円分の切手を用意する必要があります。

  • 事件の審理

申立てが完了した後、1か月〜1か月半前後に第1回審問期日が開始され、当事者から陳述を聴く手続となります。地主側も答弁書を提出する事になります。当日は当事者から意見を裁判官に伝え、必要があれば書類をもって説明します。当事者の主張立証が終了したあとは、決定が下されます。しかし第1回審問で内容がまとまらなければ、第2回と重ねて行く流れとなります。

  • 事件の終了

事件の審理で借地非訟が決定された場合、借地人は借地権を譲渡することが可能です。しかし、申立てを行っている最中に地主と和解した場合は、申立て自体を取り下げることもできます。一方で借地非訟が認可されなかった場合など、決定に対して不服がある場合は「決定に対する不服申立て」をすることも可能です。

3-3 裁判所の判断基準

裁判所は借地権を第三者に譲渡しても地主に不利益にならないと判断した場合、承諾料の支払いを条件に許可することがあります。

一方で借地権の契約期間が残り1年など限られている場合や建物が老朽化して住めるような状態でない場合は、地主にとって不利益になる可能性も高いため、認められないことがあります。裁判所の判断基準は明確に定められていないものの、「地主にとって不利益になる」と判断されれば、裁判所から承認をもらうことができません。また承諾料の支払いも一般的には、借地権価格(更地の6〜7割)の10%が相場とされておりますが、期限までに支払えない場合は承諾(決定)は取り消されます。

3-4 借地非訟にかかる期間

借地非訟は地主から即時抗告が無ければ2週間で確定します。即時抗告とは裁判所の決定に不服がある場合、高等裁判所に不服を申し立てる方法です。地主も裁判所の決定事項に納得している場合は、承諾料を支払うことで、借地権の譲渡が承認されたことになります。

まとめ

借地権の譲渡は地主の承諾が必要です。地主の承諾なく譲渡してしまうと、借地権の契約違反となり、解約になる可能性も高いです。

とはいえ自身で地主への承諾交渉を行うと、トラブルにも発展する可能性も高まり、かえって交渉が難航するケースも少なくありません。そのため借地権に強い専門家に相談し、正しい手順で交渉することをおすすめします。

万が一、地主への承諾が得られない場合、裁判所に借地非訟を行うことになります。

借地非訟は専門的な知識が求められるため、弁護士に委任して行う流れとなりますが、事前に裁判所の判断基準をクリアしているかを不動産会社などに相談しておきましょう。

当社は借地権を専門に取り扱う不動産会社として、これまで多くのトラブル解決や売却のサポートを行ってきた実績がございます。さらに相談料無料でご対応させて頂いているため、借地権に関して悩んでいる方はぜひ中央プロパティーへご相談くださいませ。

この記事の監修者

菅原 悠互スガワラ ユウゴ

弁護士

弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で借地非訟手続きや建物買取請求権の行使など今社会問題化しつつある借地権トラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。

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