借地権の買取トラブル6選!トラブルの防止策や対処法を徹底解説
借地権の買取トラブル6選!トラブルの防止策や対処法を徹底解説

目次
「借地権付き建物を地主に買い取ってもらいたい」
「買取業者に借地権を売ってもトラブルにならない?」
借地権の売却には複雑な権利関係が絡むため、売買時にトラブルが発生する可能性があります。
この記事では、借地の買取に際して起こりがちなトラブルの事例や、その防止策、さらにはトラブルが起きた際の対処法を詳しく解説します。

借地権の買取でよくあるトラブル6選
借地の買取に際して、さまざまな理由でトラブルが発生することがあります。代表的なトラブルは以下の通りです。
- 地主が第三者への売却を承諾しない
- 地主が借地権付き建物を買い取ってくれない
- 譲渡承諾料が高すぎる
- 借地契約書を紛失した
- 借地権を買い取ってくれる人が見つからない
- 借地権付き建物の売却を巡って共有者と意見が合わない
それぞれ解説します。
①地主が第三者への売却を承諾しない
借地権を第三者に譲渡(売却)するときは地主の事前承諾が必要です。地主の許可を得ずに売却を進めると、後々トラブルに発展することがあります。
正確には地主の承諾がなくても売りに出すこと自体は可能ですが、地主の承諾なしに建物の名義を移転(引渡し)することはできません。もし借地人の都合で無断に借地権を売却してしまうと、地主側から契約を解除される可能性があります。
また、譲渡承諾の条件として「譲渡先は個人でなければならない」などの制限を付けられるケースもあります。
②地主が借地権付き建物を買い取ってくれない
地主に借地権付き建物を売却したいと考えても、必ずしも買い取ってもらえるとは限りません。
なぜなら、本来は更地にして土地を返すのが原則だからです。地主にとって借地権を買い取らなければならない義務はないため、地主への買取交渉は難航しやすいです。
地主が買い取ってくれない場合、無理に交渉を続けるのではなく、専門家に相談し、他の選択肢を検討することが重要になってきます。
③譲渡承諾料が高すぎる
借地権を第三者に譲渡するときは、地主から承諾を得ることに加えて、地主に対する譲渡承諾料を支払う必要があります。
ただし、この承諾料は、借地権価格の10%という目安はあるものの、法的な決まりはないので、額を巡って借地人と地主の間でトラブルになることがあるのです。
譲渡承諾料は、地主と借地人の間で「第三者に借地権を売却するとき、借地人から地主に譲渡承諾料の支払いは不要」などの取り決めが明確にない限り、譲渡承諾料の支払いは必須です。
ただし、あまりにも高額な譲渡承諾料を提示された場合は、借地権に強い弁護士や不動産会社に相談しましょう。
④借地契約書(土地賃貸借契約書)をなくした
借地契約書は、借地権の条件や内容を証明する重要な書類です。
借地契約書を紛失してしまうと、借地権の詳細を証明できず、売買交渉や地主とのやりとりが困難になります。契約書がない場合、借地権の価値評価にも影響を及ぼし、場合によっては借地権そのものの有効性が疑問視されることもあります。
紛失した場合は、まず地主や不動産会社、法務局などに写しがないか確認しましょう。それでも見つからない場合、そのままになっているケースも多いですが地主と協議して新たに覚書や借地契約書を作成し直すのがよいでしょう。
⑤借地権を買い取ってくれる人が見つからない
借地権付き建物は、買い手を見つけるのが難しい不動産です。
なぜなら、通常不動産を購入する場合は、住宅ローンを組むことが多いですが、借地権付き建物の場合、地主の承諾がなければ住宅ローンを利用できないからです。
借地権付き建物で住宅ローンを組む際には、地主の署名と捺印がされた、金融機関指定の融資承諾書と地主の印鑑証明書が必要になります。融資承諾書は、新たな借地人になる買主がローンを組むことを、地主が承諾した証です。
ただし、地主の中には融資承諾書への署名押印や、印鑑証明書の取得を拒む者も多くおり、それが原因でトラブルになることもあります。また、融資の承諾条件として地主が提示した内容を巡り、トラブルになる可能性もあります。
【地主によるローンの承諾条件の例】
- 融資承諾書及び印鑑証明書と引き換えに高額な承諾料を求める
- 特定の金融機関の住宅ローンしか認めない
- 新たな借地人の年収や国籍などに制限を設ける
- 二階建てで、耐火使用の建物に限定するなど、建築予定の建物に制限を設ける
結果、地主からの承諾を諦めて住宅ローンの適用を受けられない不動産として借地権付き建物を売りに出したとしても、買い手を見つけるのは困難です。買い手からしたら現金一括で購入しないといけなくなりますから、買いづらい物件となってしまいます。
一般市場で、借地権付き建物の買い手を見つけるのは困難です。借地権に強い買取業者や仲介業者に依頼するとスムーズな売却が実現できます。
⑥借地権付き建物の売却を巡って共有者と意見が合わない
これは、借地権を共有名義で所有している際に起こり得るトラブルです。
借地権を複数人で共有している場合、活用や処分方法について意見が合わず、トラブルに発展することがあります。例えば、一部の共有者が売却を望む一方で、別の共有者が所有を続けたいと考えるケースです。
こうした状況を解消するためには、まず共有者間で十分な話し合いを行い、お互いの意向や事情を理解し合うことが重要になります。必要に応じて、専門家に仲介を依頼し、共有持分の買取や分割などを検討すると良いでしょう。
借地権の買取トラブルの防止法
借地権の買取をめぐるトラブルを防止するには、以下の方法が有効です。
- 契約内容を確認する
- 借地権の適正価格を把握する
- 登記簿謄本を確認
- 借地権に強い不動産会社に相談する
これらを実践することで、スムーズな取引と将来的なリスクの軽減が期待できます。
契約内容を確認する
借地契約書には、地代や更新料、契約期間などの条件、権利関係について記載されています。こうした内容を正確に把握しておけば、取引時に起こり得るリスクを軽減できます。
特に注目すべき項目は、地代の金額、譲渡に関する制限、建物の増改築に関する条件などです。とはいえ、普段から契約書を読む習慣がない人にとって、契約条項は複雑で理解が難しく感じるかもしれません。契約書の内容に不明点がある場合や、解釈に不安がある場合は、弁護士などの専門家に相談することを検討しましょう。
借地権の適正価格を把握する
借地権の売買取引を行う際は、周辺地域の取引相場を調べるようにしましょう。適正価格を知っておけば、地主からの提示が相場とかけ離れていないかどうかを確かめられます。
一般的に、借地権の価値は更地価格の60~80%に収まることが多いと言われています。また、路線価や借地権割合を用いて借地権の価値を算出することもできますが、これらはあくまで目安であり、借地権が位置する地域や条件によって価格は変わります。そのため、借地権売買のノウハウを持った不動産会社に査定を依頼するのが確実と言えるでしょう。
登記簿謄本を確認
土地や借地権の権利関係を明確にするためには、登記簿謄本(登記事項証明書)の確認が必要です。登記簿謄本を確認することで、土地や建物の権利関係が明確になり、多くのリスクを未然に防ぐことができます。
確認すべきポイントは、土地及び建物の所有者情報が正しいかどうかです。また、抵当権や他の担保が設定されていないか、隣地との境界が明確に確定されているかどうかも重要になります。
登記簿謄本の内容が分かりにくい場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談することで、より詳しい解釈やアドバイスを得られるでしょう。
借地権に強い不動産会社に相談する
借地権の売買には、通常の不動産取引よりも複雑で専門的な知識が要求されます。ほとんどの場合は専門業者に仲介を依頼しますが、借地権は権利関係が複雑で、通常の所有権の売買しか経験のない、借地権に不慣れな不動産業者では対応できないことが多くあります。
したがって、専門業者の選定にあたっては、借地権取引の実績が豊富であるか、借地借家法や関連法規に精通しているかを確認すると良いでしょう。また、弁護士の常駐する業者であれば、法的な問題へのスピーディーな対応に期待できます。さらに、地主との交渉力を持つ業者であれば、円滑な取引を実現できる可能性が高まります。
【借地権に強い不動産会社】センチュリ-21中央プロパティーがおすすめの理由 ≫
借地権の買取でトラブルが生じた場合の対処法
借地の買取において、万が一トラブルが発生してしまった場合は、以下の対処法が有効です。
- 地主への交渉を無理に進めない
- 借地権に詳しい弁護士に相談する
- 売却先を再検討する
地主への交渉を無理に進めない
借地権の買取を巡って借地人と地主でトラブルになることも珍しくありません。できれば交渉は無理に進めず、専門家へ相談するようにしましょう。交渉を無理に進めるのはリスクがあります。特に、地主との関係がこじれそうな場合や交渉が難航しそうな場合は、早めに専門家の意見を聞くことが重要です。
そもそもの話にはなりますが、地主と借地人の立場と利益は相反するため、交渉を始める前に専門家へ相談しておくのが良いでしょう。
借地権に詳しい弁護士に相談する
借地権に関するトラブルは、権利関係が複雑なため、早めに借地権に詳しい弁護士へ相談することが重要です。弁護士は売却手続きをスムーズに進めるためのアドバイスを提供してくれるほか、地主との交渉を代行してくれます。
また、弁護士に相談すれば裁判所への借地非訟の手続きもスムーズに進められます。借地非訟とは、地主がどうしても許可してくれないことを、裁判所が代わりに許可する申し出のことです。
売却先を再検討する
地主が借地権の買取を拒否した場合や、条件が折り合わない場合は、売却先の見直しが必要です。他の買主や不動産会社への売却も選択肢として考えられます。
この場合の選択肢として、不動産会社には大きく分けて二種類あります。一つは、借地権を買いたい人と売りたい人を仲介する会社です。もう一つは、借地権を直接買い取る会社です。借地権の仲介業者は、自社のビジネスネットワークを駆使して買いたい人を探してくれます。
【借地権に強い不動産会社】センチュリ-21中央プロパティーがおすすめの理由 ≫
借地権の買取先を探すなら中央プロパティー
借地権の買取交渉を地主に対して行う場合、借地権特有の複雑な権利関係からトラブルになりやすい傾向にあります。しかし、事前の対策や適切なタイミングで専門家のサポートを得ることで、トラブルに対処することができます。
センチュリー21中央プロパティーは、借地権の売却を専門にサポートする不動産会社です。創業以来、10年以上にわたって借地権の売買に関するトラブルを解決してきました。そのため、地主への交渉や社内弁護士と連携しながら、有利な条件で買取を進めるノウハウとスキル、圧倒的な解決実績が一番の特徴です。
また、当社は買取業者ではなく仲介業者です。センチュリ-21のネットワークを活かし、独自のルートで販売活動を行うため、スピーディかつ買取業者よりも高額で借地権を売却することが可能です。
借地権の売買仲介なら、当社にお任せください。

この記事の監修者
弁護士
弁護士。早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。地代滞納、建物明け渡しなど借地権・底地権の案件へ積極的に取り組む。主な著書に「一番安心できる遺言書の書き方・遺し方・相続の仕方」「遺言書作成遺言執行実務マニュアル」など。