借地権
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借地権で起こりやすいトラブルは?対処法も解説

借地権とは、建物を建てる土地を他人から借りた際、借地人に発生する権利のことです。戸建住宅を建てる土地に設定されることが多い借地権は「賃借権」であり、さまざまな場面で地主の了承が必要となります。借地権は地主が持つ底地権と表裏一体であるため、土地を所有する場合と比べてトラブルが起こりやすい点に注意が必要です。

当記事では、借地権にまつわる代表的なトラブルについて解説します。トラブルの種類や借地権におけるデメリットの側面、トラブルに対処する方法も併せて確認し、借地権に関するトラブルの発生を防ぎながら地主と良好な関係を築きましょう。

 

1.借地権の地代や更新料についてのトラブル

借地権にまつわるトラブルにはいくつか種類がありますが、その中でも多い問題として、地代や更新料などのお金に関するトラブルが挙げられます。

ここでは、「地代の値上げ」「地代の滞納」「更新料の支払い」といった金銭的なトラブルについて、具体的な事例や借地権者が講じることができる対処法を紹介します。借地権にまつわる金銭トラブルについて理解を深め、トラブルの発生を事前に防ぎましょう。

 

1-1.地代の値上げ

借地権が設定された土地を借りる場合は、決められた金額の地代を地主に対して毎月支払います。しかし、借地契約期間中でも地主から地代の値上げを求められる場合があることに注意しましょう。

地代の増減を行うことは地主に認められた権利です。ただし、地代の値上げを請求するためには、基本的には「借地借家法」で定められた要件を満たす必要があります。

■地主が地代の値上げを請求できるケース(借地借家法11条より要約)

  • 土地に関する租税や公課が増加した場合(固定資産税や都市計画税など)
  • 条件が似ている近隣の土地の地代と比べて、地代が著しく安い場合
  • 経済事情における変動があった場合
  • 土地価格が上昇した場合

出典:e-GOV法令検索「借地借家法」

地主から地代の値上げを請求された場合には、借地契約書の地代に関する項目や、周辺の土地の価格や地代、物価上昇の推移などの知識・データを把握することが大切です。その上で、値上がりの理由・根拠や増額幅などを地主に確認しながら、冷静に交渉を進めましょう。

 

1-2.地代の滞納

「地代の振り込みを忘れていた」「今月の収入が芳しくなく地代を支払えない」といった理由から、地代を滞納してしまいトラブルに発展するケースもあります。地代を滞納した理由や金額、滞納期間などにもよりますが、場合によっては借地契約を解除されてしまう恐れがあることに注意しましょう。

決められた地代を毎月支払うことは、自身の借地権を守るための最低限の条件です。支払いが難しいときは地主に相談して猶予期間を設けてもらったり、公的な緊急融資制度を利用したりするなど、確実に地代を支払えるように対応しましょう。

 

1-3.更新料の支払い

借地権(普通借地権)の契約を更新する際には、地主から更新料の支払いを求められることも珍しくありません。借地権の更新料は法律によって定められているものではなく、地主と借地人との合意によって更新料の有無や金額が決まります。場合によっては、更新料の支払いに関するトラブルが発生する可能性があることを押さえておきましょう。

更新料の支払いに関するトラブルの例として、「契約時に更新料の取り決めがなかった」「更新料の金額に納得できない」などが挙げられます。地主との話し合いで合意に至らなかった場合は、専門家や裁判所による判断となることに留意しましょう。借地権の契約更新に関して詳しく知りたい人は、以下の記事もご参考ください。

借地権の更新料は支払うべき?更新料の計算方法やトラブルの対処法も

なお、一般的に借地権更新料の相場は「借地権価格の5%程度」と言われていますが、裁判所による判断では「更地価格の3%程度」となるケースが多く見られます。地域によって更新料の水準が異なるため、周辺の状況を事前に確認しておくこともおすすめです。

出典:国土交通省「定期借地権の解説」

 

2.借地の立ち退きについてのトラブル

借地の場合、地主の都合などによって借地人が立ち退きを要求されるケースも存在します。借地人は借地の上に建てた自己所有の建物に住んでいる場合が多いため、立ち退きに納得ができなければトラブルに発展する可能性も少なくありません。

地主側から借地人に立ち退きを要求する場合には、正当な事由が必要となります。正当事由かどうかは、以下の4つの観点をもとに地主と借地人のそれぞれの事情を比較した上で判断されます。

■正当事由かどうかを判断する4つのポイント

  • 地主側・借地人双方における土地利用の必要性
  • 借地に関する経過
  • 土地の利用状況
  • 立ち退き料など、借地人の経済的損失を補填しようとする地主の意思の有無

出典:e-GOV法令検索「借地借家法」

借地人が居住している建物が借地上に存在しており、地代や更新料などを滞りなく支払っていれば、借地人の権利が保護される可能性が高いでしょう。ただし「地代の滞納・不払いがある」「借地人側が無断で再築や増改築を行った」など、地主側が有利になるケースもあります。このようなケースに該当しないよう、気をつけて土地を利用することが大切です。

 

3.借地権の売買についてのトラブル

一般的に、借地権を第三者に売却・転貸するためには、地主の許可が必要となります。また、住宅ローンを利用して借地上に自宅を建てる際に、借地上の建物へ抵当権を設定し担保とする場合も、地主のローン承諾が必要です。

地主の許可が得られないまま、借地権の売却や転貸・譲渡、住宅ローンにおける抵当権の設定などの手続きを進めると、地主との間でトラブルに発展する恐れがあります。トラブル回避のためにも勝手に手続きを進めることは避け、円満に許可をもらえるよう地主側とよく話し合いましょう。

なお、借地権の売買における詳しい手順は、以下の記事で詳しく解説しています。借地権の売買について詳しく確認したい人は、ぜひご参考ください。

借地権の買取方法は?買取相場や流れ、土地整理の方法も解説

借地権の売却方法とは|売却の流れや借地権の相場も解説

 

4.借地権の相続についてのトラブル

借地人が亡くなり相続発生が起こった場合、相続人は借地権を相続することが可能です。借地権相続の際には、地主の許可を得る必要はありません。ただし、遺言などによって法定相続人ではない人に借地権を遺贈する場合は「贈与」となるため、地主の許可や承諾料が必要となる点に注意してください。

一般的な借地権の相続の場合でも、借地権の相続を機に地代の値上げや立ち退き、名義書換料の請求など、土地所有者との借地トラブルが発生する可能性があります。また、借地権の相続をめぐり、相続人どうしで争いごとが起こる恐れがあることにも注意が必要です。

■借地権の相続にまつわる相続人どうしのトラブル

・誰が借地権付き建物を相続するか揉めてしまう

借地権付き建物は相続財産の中でも価値の高いものであるため、誰が相続するか相続人間で揉めやすいです。遺産分割協議(話し合い)で解決しない場合は、遺産分割調停を利用するなど法的手段で対応することになります。

・借地権の共有者どうしでトラブルが起こる

借地権付き建物を相続人(複数人)の共有名義のままにしておくと、「借地権にかかる費用を負担してくれない」「借地権に対する意見が対立する」などのトラブルが発生しかねません。早い段階で適切な協議・調停を行い、遺産分割しておくほうがよいでしょう。

借地権の相続については、以下の記事で詳しく解説しています。借地権付き建物の相続に関する詳細な情報を知りたい人は、ぜひご参考ください。

借地権を相続したら?よくあるトラブルと相続放棄手順も解説

 

5.借地権トラブルに対処するには?

借地権は、地主側の底地権と表裏一体であるため、所有権と比較するとトラブルが起こりやすい傾向があります。借地権にまつわるトラブルを防ぐためには、日頃から地主とのコミュニケーションを大切にし、良好な関係性を構築することを心がけましょう。また、トラブルが発生した際にも、基本的には話し合いによる解決を目指すことが大切です。

しかし、土地の権利関係に関する話し合いは難航するケースも少なくありません。借地権にまつわるトラブルがなかなか解決しない場合には、弁護士や不動産会社など、土地の専門家に相談することをおすすめします。専門家に話し合いを仲介してもらい、よりスムーズなトラブル解決を目指しましょう。

 

まとめ

借地権は建物を建てるための土地を借りる権利で、地主側の底地権と表裏一体であることから、トラブルが起こる可能性があります。特に借地権の地代や更新料、立ち退きに関するトラブルや、借地権の売買・相続に関するトラブルが起こりやすいことを理解しておきましょう。

借地問題解決が難しい場合には、専門家に相談することが大切です。「中央プロパティー」では、経験豊富で借地権の問題解決に詳しい専門家による無料のアドバイスを行っています。借地権をはじめとする土地建物に関するご相談は、ぜひ「中央プロパティー」にお問い合わせください。

この記事の監修者
森川 英太氏名 森川 英太
会社名 司法書士森川英太事務所
資格 司法書士
経歴
  • 簡裁訴訟代理等関係業務認定、成年後見センター・リーガルサポート 会員
  • NPO法人 相続アドバイザー協議会 認定会員
  • 一般社団法人 家族信託普及協会 家族信託専門士
  • 一般社団法人 民事信託推進センター 社員
  • 一般社団法人 日本財産管理協会 認定会員

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