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借地以外にまたがる建物の建物買取請求|弁護士Q&A

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コンテンツ番号:2175

借地以外にまたがる建物の建物買取請求

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所有者の異なる数筆の土地にまたがって建物が存在する場合、建物買取請求権は行使できるのか。 甲土地・乙土地上にまたがって丙建物が存在し、甲土地はAが所有し、乙土地・丙建物はBが所有している。 ※甲土地についてはA・B間に借地契約がある。

建物買取請求権とは

借地借家法13条:「借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。」

建物所有目的の土地の賃貸借契約が終了すれば賃借人は原状回復義務の一環として建物を収去して土地を明け渡す義務を負いますが、建物を築造した賃借人に投下資本の回収を図らせ、建物の取り壊しによる社会経済上の損失を防ぐために建物買取請求権が認められています。

借地以外にまたがる建物の建物買取請求

それでは、本件のように借地がまたがる場合はどうでしょうか。半分は買取請求権が認められてもいいようにも思えますね。参考になる判例を見てみましょう。

♦参考判例:最判昭42年9月29日判決

判旨:「原判決は、所有者の異なる数筆の土地に跨つて存在する本件建物のうち上告人所有地上に存する部分についてのみ買取請求を認めている。しかし、買取請求によつて建物の所有権は土地賃貸人に移転するのであるから、買取請求の対象となる建物は独立の所有権の客体となるに適するものであることを要する。それは、必らずしも一棟の建物であることを要しないが、その一部であるときは、区分所有権の対象となるものでなければならない。したがつて、建物の取得者は、該建物のうち賃貸人所有地上の部分を区分所有権の客体たるに適する状態にした後初めて買取請求ができるのである。」

としています。まず、買取請求によつて建物の所有権は土地賃貸人(地主)に移転することになるため、建物買取請求権の対象となるのは、独立した客体とならなければなりません。

  • 共有などの状態にすることは想定されていません。一軒家になるように建物を分ける必要間ではありませんが、区分所有の対象(アパートやマンション等)にすれば、その分のみ買取請求権が認められるということです。

まとめ

所有者の異なる数筆の土地にまたがって建物が存在する場合、原則的に建物買取請求権は認められません。

  • 借地上以外の建物部分の所有権を放棄しても同様。

借地上の建物部分が区分所有権の対象となる場合に限り、建物買取請求権が認められると整理できます。

この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。借地非訟、建物明渡、賃料増額請求など借地権や底地権をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

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