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【弁護士Q&A】借地の立ち退き料について相談です|弁護士Q&A

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【弁護士Q&A】借地の立ち退き料について相談です

借地の立ち退き料について教えてください。
私の実家は、地主から土地を借りて家を建てており、いわゆる借地権を所有しています。
最近、地主が亡くなり相続人の息子さんが相続税の支払いに困っているようで、私達に「土地を所有権として売りたいから立ち退いてくれないか」とお願いされました。
この場合、地主に立ち退き料を請求できるのでしょうか?可能な場合は、立ち退き料の相場についても教えてください。

借地の立退きとは、地主側の都合により、借地人に借地から出て行ってもらい、地主が借地人から土地の返還を受けることを言います。
まだ契約期間が続いているにもかかわらず地主が立退きを求める場合は、当然、借地人が同意しない限り、地主は借地人を立ち退かせることは出来ません。また、契約期間が満了した場合であっても、地主は、『正当の事由』がない限りは、借地契約の更新を拒絶することが出来ません(借地借家法6条)。
いずれのケースでも、借地人側が地主に求められて立退きに応じるに当たっては、応じる条件として、地主から借地人に対して、立退料が支払われることになります。勿論、借地人側の債務不履行で契約を解除されたとか、もともと契約更新がない定期借地権の契約期間が満了したといった場合には、立退料は発生しませんが、逆に言えば、そういう特殊な事情がないときは、最終的には立退料という形で金銭的な解決が図られることが殆どです。
なお、借地借家法上は、立退料の支払いは、上記の更新拒絶の『正当の事由』の有無の判断の補完要素という位置づけです。したがって、立退料を支払うことで『正当の事由』が認められやすくなるとはいえ、立退料さえ支払えばそれだけで『正当の事由』が直ちに認められるということではありませんので、ご注意ください。
そもそも立退料は、当事者の合意があって支払われるものですから、具体的な立退料の金額も、当事者の合意によって決まります。とはいえ、金額を決める際の一応の目安のようなものがないと、最終的な合意の形成が困難になってしまうことが予想されるため、当事者の立場からは、立退料の『相場』が求められるところです。
但し、立退料に関しては、借地が居住用か事業用か等、個々の事情が大きく異なるため、およそ全ての借地に当てはまる統一的な相場というものは存在しません。
本件のような住宅用途の借地の立退料については、借地権価格を基準に地主側の『正当の事由』を考慮して金額を調整する、というのが基本的な考え方ですが、調整要素となる事情は千差万別です。このような立退料の金額感をつかむ上で有効な方法としては、立退料に関する過去の裁判例を調査し、自身と類似するケースでの判断内容を確認することが挙げられます。

まとめ

  • 立退料は、あくまで当事者の合意により発生するものですが、実際に立ち退きが問題になるケースでは、立退料を支払って解決することが殆どです。
  • 立退料に関する統一的な相場というものはありません。

この記事の監修者

菅原 悠互スガワラ ユウゴ

弁護士

弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で借地非訟手続きや建物買取請求権の行使など今社会問題化しつつある借地権トラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。

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