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借地権の価格を徹底解説|売却時の価格目安や高値で売るポイントも|借地権の売却・買取

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借地権の価格を徹底解説|売却時の価格目安や高値で売るポイントも

借地権を所有している人は、売却する際、いくらの値がつくか気になっている方もいるでしょう。借地権の価格を知るには相続税評価額を調べる方法もありますが、相続税評価額と実際の売却価格には差が出るケースもあるため注意が必要です。

当記事では、借地権価格(相続税評価額)の算出方法とともに、売却時の価格や高い価格で売却するコツを解説します。借地権をできるだけ高額で売却したい方は、当記事をぜひ参考にしてください。

 

1.借地権評価額で借地権価格を知る方法

そもそも借地権価格とは、借地権の価値を示す金額のことです。

借地権価格には、相続税・贈与税などの計算に使う「借地権評価額」と、借地権や借地権付き建物を売却するときに用いる価格の2種類があります。2種類の価格は金額に差があるため、評価する目的に沿った借地権価格を把握・使用することが重要です。

ここでは、普通借地権と定期借地権のそれぞれのケースにおける借地権価格(借地権評価額)の調べ方や計算方法を解説します。

 

1-1.普通借地権の借地権価格

普通借地権とは、借地契約の期限がきた際に契約更新ができる借地権です。

普通借地権の借地権価格は下記の式で計算します。

普通借地権の借地権価格=土地の自用地評価額×借地権割合

出典:国税庁「No.4611 借地権の評価」

借地権割合とは、土地の評価額に対して、借地権の価値が何割を占めているかを示す割合です。借地権割合は30~90%の範囲で設定されており、利用価値の高い土地ほど借地権割合が高く、反対に利用価値の低い土地ほど借地権割合が低くなります。

借地権割合は、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で調べることが可能です。調べたい土地がある都道府県をクリックし、土地が路線価の対象である場合は「路線価図」を、路線価の対象ではない場合は「評価倍率表」を選択しましょう。

路線価図は、土地が面する道路部分に書かれている「数字+アルファベット」で確認します。数字が路線価(土地の1平米あたりの評価額)、アルファベットが借地権割合の記号です。路線価図の上部に記号と借地権割合の表があり、土地の借地権割合が分かります。

一方の評価倍率表は、地名ごとに借地権割合が表示されています。評価倍率表のみでは土地の評価額が分からないため、国土交通省が公表する公示地価も調べましょう。

出典:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」

出典:国土交通省「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」

 

1-2.定期借地権の借地権価格

定期借地権とは、借地契約の期限がきた際に契約更新ができず、契約満了後は地主に土地を返却しなければならない借地権のことです。

定期借地権の借地権価格は原則として、課税時期において借地人に帰属する経済的利益と、契約の存続期間をベースに算出した価額で評価されます。

ただし、課税上の弊害がないケースでは、下記の計算式により定期借地権の借地権価格を算出することが認められています。

定期借地権の借地権価格=土地の自用地評価額×{(A/B)×(C/D)}

  • A:定期借地権等設定時における借地権者に帰属する経済的利益の総額
  • B:定期借地権等設定時における土地の通常取引価額
  • C:課税時期におけるその定期借地権等の残存期間に応ずる基準年利率による複利年金現価率
  • D:定期借地権等の設定期間に応ずる基準年利率による複利年金現価率

出典:国税庁「No.4611 借地権の評価」

計算式はかなり複雑であり、式中で用いる金額や複利年金現価率の算出にも手間がかかります。定期借地権の借地権価格を確認する際は、借地権に詳しい不動産会社など専門家に依頼することが確実です。

 

2.売却するときの借地権価格

借地権を売却するときの借地権価格は、借地権評価額の通りとはいかないことが多いです。借地権の売却では、さまざまな要因が売却額に影響するためです。

借地権の売却額を左右する要因としては、主に下記の4点が挙げられます。

●地代や更新料などの条件

地主は、毎月の地代や契約更新時の更新料を条件として土地を貸しています。地代や更新料が高い場合、借地権の購入希望者が現れにくくなるため、地代・更新料などの条件を含めて価格設定をしなければなりません。

●地主との関係性

借地権を売却するには、売却について地主の承諾を得なければなりません。地主との関係がこじれていると、売却の同意が得られなかったり、購入希望者から地主への相談・交渉がうまくいかなかったりするケースがあります。

●近隣の不動産の価格

借地権価格は近隣の不動産の価格による影響も受けます。近隣の不動産の価格が低下している中で、借地権価格が高いままでは購入希望者が現れません。購入希望者が周辺地域の不動産価格を例として、値下げ交渉をするケースもあります。

●立地や建物の状態

土地の日当たりがよくなかったり、土地の上にある建物の築年数が古かったりするときは、借地権価格が低下しやすくなります。建物付きの土地を更地にして売却する場合は、取り壊し費用がかかる点も考慮しなければなりません。

借地権割合から算出される借地権評価額は、基本的に相続税・贈与税などの計算に使うためのものです。売却するときの計算では、借地権評価額はあくまでも目安として使用する点を理解しておきましょう。

 

3.借地権を高い価格で売却するには?

借地権の売却では、基本的に「土地を借りている借地人」「土地を貸している地主」「借地権の購入者」の3者が絡みます。地主にも購入者にもそれぞれの思惑があるため、借地人の思った通りに借地権を売却することは簡単ではありません。

借地権を高い価格で売却するには、いくつかのコツを押さえることが重要です。

最後に、借地権を売却する際に押さえるべき3つのコツを解説します。

 

3-1.地主との関係を良好に保つ

地主と借地人の間で、トラブルを抱えているケースは少なくありません。特に、地代や更新料は、地主にとって重要な収入源である一方、借地人にとっては金銭的な負担です。そのため、地代や更新料の値上げ・値下げ交渉などからトラブルに発展することがあります。

トラブルをきっかけに関係性が悪くなっている場合、借地権の売却で地主の同意をもらうことが難しくなります。借地権の売買がスムーズにできない土地は買い手がつきにくく、売却額にも影響が出ます。

借地権の売却で地主の同意を得やすくするには、普段から地主との関係を良好にしておくことが大切です。日頃から丁寧な接し方を心がけ、トラブルが発生した場合には話し合いの場を設けて問題解決を図りましょう。

 

3-2.仲介業者に依頼して第三者に売却する

借地権の売却先としては、主に下記の3つがあります。

  1. (1)借地権の買取業者に売却する
  2. (2)地主に売却する
  3. (3)第三者に売却する

(1)「借地権の買取業者に売却する」

借地権の買取業者を利用すると、借地権のスピーディーな売却ができます。ただし、買取業者は、安く買い取って高く売ることで利益を得ている事業のため、売却額は低くなる点がデメリットです。

(2)「地主に売却する」

土地所有者である地主に、借地権を買い取ってもらう方法です。地主にとって土地の完全所有権を取り戻せるメリットがあり、売却額が高くなりやすい傾向があります。しかし、地主に買取の意思がなければそもそも成立しません。買取の意思がある場合でも、売却額をめぐりトラブルにつながる可能性があります。

(3)第三者に売却する

借地権を購入したい第三者に売却する方法です。土地に魅力を感じている購入希望者であれば、高値で売却できるメリットがあります。しかし、高値で買ってくれる第三者を探したり、価格交渉や売却手続きをしたりする作業には手間がかかります。第三者への売却をスムーズに進めるためには、不動産仲介業者に依頼することが大切です。

 

3-3.不動産査定を行う

借地権付き建物は特殊な不動産であり、権利関係や法律関係が複雑であるため売却額の判断は難しくなります。借地権付き建物を売却する際は、不動産鑑定士による不動産査定をしてもらうと安心です。

不動産鑑定士は不動産鑑定の専門家であり、土地ごとの特殊性や借地事情、地域性などに応じた評価方法で鑑定してくれます。より手軽に査定額を知りたい方は、AI(人工知能)が膨大なデータに基づき査定額を算出する「AI査定」の利用もおすすめです。

 

まとめ

借地権の価格には、相続税の金額計算に使われる「相続税評価額」と、実際の売却価格があり、異なった金額になるケースも珍しくありません。借地権を売却するには、地主との関係を良好に保つことが大切です。また、できるだけ高い金額で売却するため、売却をサポートしてくれる仲介業者に依頼し、不動産査定を行いましょう。

中央プロパティーは、借地や底地の売却をお手伝いする不動産仲介業者です。不動産鑑定士による査定やAI査定の他にも、高額で売却するサポートをしているため、借地の売却をご検討の方はぜひご相談ください。

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この記事の監修者

大村 進オオムラ ススム

不動産鑑定士

不動産鑑定士。株式会社大村不動産鑑定事務所代表。不動産鑑定評価業務をはじめ、価格査定、意見書作成など不動産の価格に関するスペシャリスト。業者によって査定額に大きな差が生じやすい借地権や底地の不動産鑑定において市場動向を考慮した査定には定評がある。

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