地主が変わると借地権の契約はどうなる?7つのケースを解説
地主が変わると借地権の契約はどうなる?7つのケースを解説

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地主に相続が発生した場合や地主が底地を第三者に譲渡した場合、新しい地主に権利義務がそのまま引き継がれます。
そのため、原則土地の賃貸借契約の更新手続き等は不要です。
ただし、地主が変わったのをきっかけに、地代や更新料の値上げ交渉をされ、借地人と新しい地主との間でトラブルになるケースがあります。
この記事では、地主が変わった後にトラブルになる代表的なケースについて解説します。

ケース①:新しい地主による地代や更新料の値上げ要求
- 新しい地主から地代や更新料の値上げを求められることがあります。
借地借家法第11条では、以下のような客観的な状況変化があった場合に地代の値上げが認められています。土地の固定資産税や都市計画税などの税金が上がった場合 - 地価が上昇した場合
- 近隣の同条件の土地と比べて地代が著しく安い場合
ただし、たとえこれらの条件に当てはまるとしても、地主が一方的に値上げすることはできず、必ず借地人の同意が必要です。
まずは契約内容を見返し、値上げの根拠と金額が妥当なものかを確認してみましょう。
もし法外な値上げを要求された場合、その裏には「立ち退いて欲しい」という地主側の思惑が隠れていることも考えられます。
このような場合は、個人で対応せず借地権に強い弁護士などに相談し、場合によっては借地権の売却も視野に入れて根本的なトラブル解決を目指すことも選択肢の一つです。
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ケース②:契約更新時に「新法借地権」への変更を求められる
1992年8月1日に施行された現行の借地借家法(新法)には、契約期間の満了をもって確実に契約が終了する「定期借地権」という種類があります。
これに対し、1992年7月31日以前に契約された旧法借地権が適用されている場合、地主に正当な事由がない限り契約は更新され、引き続き旧法が適用されます。
新しい地主が「契約更新後は定期借地権契約に切り替える」と主張してきても、借地人が同意しない限り応じる必要はありません。
ケース③:新しい地主に借地権の売却を認めてもらえない
借地権付きの建物を第三者に売却するには地主の許可が必要ですが、新しい地主が杓子定規な対応を取る場合、承諾を得るのが難しくなることがあります。
一般的に、譲渡承諾料(名義書換料ともいいます)を支払うことで承諾を得られます。
相場は借地権価格の10%程度とされています。
もし、地主が正当な理由なく売却を拒否する場合、「借地非訟」という裁判手続きによって、地主の代わりに裁判所に許可を求めることも可能です。
不要なトラブルを避けるためにも、まずはセンチュリー21中央プロパティーのような借地権の専門家に相談するのがおすすめです。
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ケース④:新しい地主に建物の建て替えや増改築を許可してもらえない
借地契約では、借地上の建物の建て替えや大規模リフォーム(増改築)をする際に地主の許可が必要です。これを「増改築許可」といいます。
許可を得るためには、建て替え承諾料(増改築承諾料)を支払うケースが一般的で、相場は更地価格の3~5%程度とされています。
もし承諾料の支払いを申し出ても許可が得られない場合は、地主側に「次回の契約を更新したくないため、建物が新しくなると困る」など、何かしら別の理由があるかもしれません。
ただし、このような理由は借地人の権利を一方的に制限する正当な理由にはなりません。
まずは、センチュリー21中央プロパティーのように、借地権に強い社内弁護士が所属している不動産会社に状況を相談することをおすすめします。

ケース⑤:新しい地主から立ち退きを求められる
借地契約がある限り、借地権は法律で守られ、土地の利用を続けることができます。
特に、借地人名義の建物が登記されている場合は、新しい地主に対しても借地権を主張できる「対抗力」が認められます。
地主が立ち退きを迫るために地代の受け取りを拒否した場合は、法務局に地代を預ける「供託」という手続きをすることで、地代未払いを理由とする契約解除を防ぎ、借地権を維持できます。
これは、地主の意向によって一方的に権利が失われることを防ぐための有効な手段です。
それでも立ち退き要求が続くなど、不安な場合は、早めに借地権に強い弁護士や不動産会社に助言を求め、トラブル解決のサポートを受けましょう。
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ケース⑥:新しい地主に相続による名義変更料を請求される
借地人が亡くなり、その子供などが借地権を相続した場合、新しい地主へいわゆる名義変更料(譲渡承諾料)を支払う必要はありません。
相続は売買や贈与と異なり、地主の承諾が不要なためです。
ただし、遺言によって相続人以外の人に財産を渡す「遺贈」の場合や、相続した借地権付き建物を第三者に譲渡した場合は、名義変更料の支払いが必要です。
借地権の相続に際しては、原則として建物の所有権移転登記(名義変更)のみで手続きは完了し、土地に関する手続きは不要です。
ケース⑦:地主が亡くなった場合の対応方法が分からない
地主が亡くなり、誰が相続人になるか未確定の場合、借地人は地代の支払先が分からなくなることがあります。
地代の支払いが滞ると契約違反とみなされる恐れがあるため、注意が必要です。
そのような場合は、相続人が確定するまで法務局に地代を預ける「供託」制度を利用することが可能です。
これにより、地代未払いの状態を回避できます。
相続が完了し、新しい地主(相続人)が確定した後は、その新しい地主へ地代を支払うことで問題なく契約を継続できます。
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地主変更をきっかけとしたトラブルや関係性の悪化は、将来の建て替えや売却の際に大きな不利益となる可能性があります。
新しい地主からの要求に少しでも不安を感じたら、一人で抱え込まず、可能な限り早くご相談ください。
当社センチュリー21中央プロパティーは、これまで4万件を超えるご相談実績を持つ借地権の専門家です。
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この記事の監修者
弁護士
弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で借地非訟手続きや建物買取請求権の行使など今社会問題化しつつある借地権トラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。