【品川区版】地主がお寺の借地権、売却相場を徹底解説!

作成日:
コンテンツ番号:20000

【品川区版】地主がお寺の借地権、売却相場を徹底解説!

【品川区版】地主がお寺の借地権、売却相場を徹底解説!

「先祖から引き継いだ実家が、実は旗岡八幡神社や品川寺といったお寺・神社の借地だった…」

そう知って、売却や相続を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、地主が宗教法人の場合、一般の借地権とは異なる特殊な事情が多く、どう進めていいか分からず不安になりますよね。

本記事では、東京都品川区に焦点を当て、地主がお寺・神社の借地権を売却する際の相場の考え方や、交渉を円滑に進めるためのポイントを徹底的に解説します。

借地権の無料査定サービスはこちら ≫

品川区の寺院借地権が持つ2つの特殊性

品川区の借地権、特に地主がお寺や神社の場合、一般的な借地権とは異なる2つの特殊性があります。それは、「都心に位置する土地の価値」と「宗教法人が地主であることの特殊性」です。この2つの要素が複雑に絡み合うことで、売却や更新の交渉を難しくしているのです。

1.品川区の立地がもたらす土地の価値

品川区は、都心へのアクセスが極めて良好であり、JR山手線や東急線、京急線など複数の路線が乗り入れています。この利便性の高さから、住宅地としての需要が非常に高いのが特徴です。

①:路線価の高さ

路線価(相続税などを計算する際の土地の評価額)は、駅からの距離や利便性によって決まります。品川区の寺院の多くは、駅近の好立地にあり、その路線価は高水準です。借地権の価格は路線価に大きく影響されるため、土地そのものが持つ価値が高いといえます。

②:商業地と住宅地の混在

品川区は、五反田や大崎といったビジネス街と、戸越銀座や旗の台のような昔ながらの商店街、そして閑静な住宅街が共存しています。この多様な土地利用形態は、借地権の活用方法(住居用、事業用など)に多様な選択肢を与えます。例えば、旗岡八幡神社や品川寺の周辺は、利便性の高い住宅地として評価されます。

しかし、単に路線価が高いからといって借地権が高く売れるわけではありません。ここに「お寺」という地主の特殊性が加わります。

2.地主が宗教法人であることの特殊性

地主が営利目的の企業や個人ではなく、お寺や神社といった宗教法人であることは、借地権の売買や更新に大きく影響します。

①:交渉の難しさ

多くの寺院は、地域コミュニティや檀家との関係性を重視します。そのため、お金だけを前面に出した交渉は敬遠されがちです。また、檀家から寄進された土地である場合など、安易な売買に難色を示すこともあります。

②:交渉相手の専門性

お寺や神社は、長年にわたり借地権の管理を行っており、交渉にも慣れています。法的な知識や慣例に基づいた対応が求められるため、借地権に関する専門知識を持たない個人が交渉に臨むのは非常に困難です。

これらの特殊性を理解せずに安易に交渉を進めると、トラブルに発展したり、本来得られるはずだった売却価格を下回ってしまう可能性があります。

借地権の無料査定サービスはこちら ≫

品川区の借地権相場を考える上での共通点

旗岡八幡神社や品川寺をはじめとする品川区の寺社が地主の場合、借地権の売却価格を考える上で、以下の共通した原則があります。

①相場は「路線価×借地権割合」が基本

借地権の価格は、まず土地の価値(路線価)に、その地域の借地権割合を掛け合わせて算出されます。これはあくまで基本の評価額であり、実際の売却価格はこれに上乗せ・減額がされます。

②交渉次第で変動する「譲渡承諾料」

地主がお寺の場合、売買の承諾を得るための「譲渡承諾料」が発生することが一般的です。この費用は法律で定められているわけではなく、交渉によって決まるため、専門家を介した交渉が非常に重要となります。

③個別性が非常に高い

土地の形状、建物の築年数、地主とのこれまでの関係性など、個別の事情が売却価格に大きく影響します。そのため、一般的な相場情報だけを鵜呑みにせず、専門家による個別診断を受けることが最も確実な方法です。

借地権の無料査定サービスはこちら ≫

旗岡八幡神社と品川寺の借地権事情:売買相場

東京都品川区に位置する旗岡八幡神社や品川寺の借地権は、それぞれ異なる立地特性を持ちながらも、共通して「高い土地の価値」と「地主との特殊な関係性」という要素を含んでいます。ここでは、各寺院の借地権事情と、その相場を考える上での重要なポイントを解説します。

旗岡八幡神社周辺の売却相場

旗岡八幡神社周辺の売却相場

荏原町駅近くに鎮座する旗岡八幡神社は、昔ながらの商店街と住宅街が広がるエリアにあります。

最寄りの駅から徒歩圏内という立地は、住宅地としての需要が高く、土地の路線価も高水準です。そのため、借地権の売却価格も、その高い利便性が大きく影響します。

国土交通省のWEBサイト「不動産情報ライブラリ」によると、旗岡八幡神社のある品川区旗の台付近での不動産取引は、2024年第2四半期から2025年第1四半期までで計12件確認できます。

取引総額は、3,300万円〜3億3,000万円となっています。

旗岡八幡神社周辺の売却相場

画像引用:不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード

品川寺周辺の売却相場

品川寺周辺の売却相場

品川寺は京急線青物横丁駅からほど近く、旧東海道沿いの歴史ある一角に位置します。

賑やかな品川駅からほど近くにありながら、古くからの歴史を感じさせる落ち着いた環境です。

駅周辺には商店街もあり、都心へのアクセスと生活の利便性を兼ね備えたエリアです。

国土交通省のWEBサイト「不動産情報ライブラリ」によると、品川寺のある青物横丁駅付近での不動産取引は、2024年第2四半期から2025年第1四半期までで計11件確認できます。

取引総額は、2,000万円〜19億円となっています。

品川寺周辺の売却相場

画像引用:不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード

借地権の無料査定サービスはこちら ≫

地主がお寺の場合、借地権売却で失敗しないための3つのポイント

地主がお寺や神社の借地権を売却する際、単なる不動産取引とは異なるデリケートな対応が求められます。大切な資産を適正な価格で売却し、後悔しないためにも、以下の3つのポイントを必ず押さえておきましょう。

1. 借地権専門のプロに相談する

お寺の借地権は、一般的な借地権とは異なる特殊な事情を抱えています。地主が宗教法人であるため、不動産取引の専門知識だけでなく、宗教的な慣習や交渉の進め方に精通したプロの助けが不可欠です。

一般の不動産業者がお寺との交渉経験が少ないのは、ごく自然なことです。なぜなら、お寺や神社といった宗教法人との取引は、通常の不動産売買とは全く異なる専門知識とノウハウを必要とするからです。

借地権専門の不動産会社は、この特殊性を深く理解しています。過去の豊富な事例から、お寺が土地をどのように捉えているか、どのような交渉ルートが最も効果的かを知り尽くしています。

また、借地権専門の不動産会社であれば、単に路線価や公示地価といった公的な情報に頼るだけでなく、その寺院が持つ歴史や地域での役割といった、数値には表れない要素も加味して適正な売却価格を診断します。

法律や慣例に基づいた交渉を進めることで、地主との間で起こりがちな不要なトラブルを未然に防ぎ、借地権の売却を円滑に進めることができるのです。

2. 交渉は「誠実」かつ「戦略的」に

お寺は、営利目的の企業ではありません。檀家や地域社会との関係性を重んじ、土地を単なる資産ではなく、信仰や歴史を継承する重要な場所だと考えています。

交渉の際は、お金の話ばかりするのではなく、先祖代々土地を借りてきたことへの感謝や、土地への敬意を伝えることが大切です。

借地権の売却が、地主であるお寺にとってもメリットになるような提案をします。

例えば、老朽化した建物の建て替えや土地の有効活用など、お寺が抱える課題を解決するような提案は、交渉を有利に進める上で大きな武器になります。

3. 契約内容を徹底的に確認する

売却価格や交渉の成功に大きく影響するのが、これまでの借地契約書の内容です。

借地契約書には、更新料や名義変更料の規定が記載されていることが一般的です。これらの費用が法外な額でないか、事前に確認しておくことが重要です。

長期間にわたる契約の場合、現在の法律や慣例と合致しない内容が含まれていることがあります。専門家と契約内容を精査することで、潜在的なリスクを発見し、売却価格に影響する要因を事前に把握できます。

これらのポイントを押さえることで、地主がお寺という特殊な借地権でも、適正な価格で、かつ円滑な売却を目指せるでしょう。

まとめ:品川区の寺院借地権、まずは専門家へ相談を

品川区の寺院借地権は、都心の高い土地価値と、お寺との交渉という特殊な側面が絡み合う複雑なものです。

適正な価格で円滑な取引を実現するには、借地権に特化した専門家のサポートが不可欠です。

当社、センチュリー21中央プロパティーは、お寺との交渉経験が豊富で、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な解決策をご提案します。まずは無料相談で、あなたの抱える不安や疑問を私たちにお聞かせください。

借地権の無料査定サービスはこちら ≫

この記事の監修者

松原 昌洙マツバラ マサアキ

代表取締役 /
宅地建物取引士

CENTURY21 中央プロパティー 代表取締役/宅地建物取引士
都内金融機関、不動産会社での経験を経て、2011年に株式会社中央プロパティーを設立。長年にわたり不動産業界の最前線で活躍するプロフェッショナル。

借地権の売買に精通しており、これまでに1,000件以上の借地権取引や関連する不動産トラブル解決をサポート。底地や借地権付き建物の売却、名義変更料や更新料の交渉など、複雑な借地権問題に従事。

著書に「地主と借地人のための借地権トラブル入門書」など多数の書籍を出版。メディア出演やセミナー登壇実績も豊富で、難解な相続不動産問題も「わかりやすい」と説明力に定評がある。

おすすめの記事はこちら