地主が借地権を買い戻すメリットとは?資産価値を最大化する方法|底地の売却・買取
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地主が借地権を買い戻すメリットとは?資産価値を最大化する方法

目次

借地権が設定された土地、いわゆる「底地(そこち)」を所有している地主さんの多くは、その資産としての扱いにくさに悩まされています。自由に建物を建てることもできず、売却しようにも市場価格より大幅に安く買い叩かれてしまうのが現状です。

しかし、この「不完全な資産」を劇的に蘇らせる方法があります。それが、借地人から借地権を買い戻し、底地と一体化させることです。

権利関係を一本化し「完全な所有権」を取り戻すことは、土地の資産価値を最大化する最強の出口戦略といえます。

本記事では、地主が土地を買い戻す具体的なメリットから、注意すべきデメリット、適正な相場、そして交渉を成功させる秘訣まで、専門家の視点で詳しく解説します。

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地主が借地権を買い戻す(土地を取り戻す)とは?

土地に借地権が設定されている場合、土地の権利は「底地」と「借地権」に分かれています。

  • 底地(地主の権利):土地の所有権。
  • 借地権(借地人の権利):土地を借りて建物を建てる権利。

この状態では、地主は土地の利用や売却に制限を受けます。例えば、アパートや戸建て住宅を建てたくても、借地人の承諾が必要ですし、売却も借地権を含めた交渉が必要になります。

一方、借地権を買い戻し底地と一体化させることで、土地は「完全所有権」となります。権利関係が整理されるため、自由に活用や売却が可能になり、資産としての価値が大幅に向上します。

なぜ「一体化」で価値が増大するのか

底地単体の市場価値は、更地価格の10〜15%程度と低く抑えられます。これは、購入希望者が少なく、融資も組みにくいためです。

しかし、借地権と底地を合体させることで、更地としての価値、すなわち市場価格の100%に近い評価を得られます。

結果として、権利一本化により資産価値は数倍に跳ね上がるケースも珍しくありません。

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地主が借地権を買い戻す5つのメリット

地主が借地権を買い戻すことで得られる恩恵は、単なる金銭的な価値向上に留まりません。

①土地の自由活用が可能になる

借地権がついている間は、地主であってもその土地に一歩も立ち入ることはできません。

買い戻しが完了すれば、以下のような活用が自由に行えます。

  • 老朽化した建物を解体して、収益性の高い最新のアパート・マンションを建築する。
  • 自身の自宅や二世帯住宅を建てる。
  • 建物を壊して駐車場やトランクルームとして運用する。

②高値での売却が可能になる(流動性の向上)

底地を欲しがるのは、主に底地専門の買取業者であり、購入希望者は極めて限定的です。

しかし、完全所有権になれば、マイホームを建てたい一般個人や不動産開発会社がターゲットになります。


買い手が激増することで、市場競争が生まれ、最も高い条件で売却できる「流動性の高い資産」へと変貌します。

③権利関係のトラブル・管理の手間からの解放

地主にとって、借地人との付き合いは数十年単位のストレスになることもあります。

  • 地代の滞納リスク。
  • 数十年ごとの更新料交渉。
  • 増改築や譲渡に伴う承諾料の協議。

買い戻しによって、これらの煩わしい管理事務や対人交渉から永久に解放されます。

④相続税対策・資産の整理

底地は相続税評価額が高いわりに、換金性が低いため、相続時に「納税資金が足りない」という事態を招きがちです。

また、権利が複雑なまま相続させると、子供たちが借地人とのトラブルを引き継ぐことになります。


生前に買い戻し、整理しておくことで、遺産分割がスムーズになり、いわゆる「争族」の回避に直結します。

⑤融資の担保価値が上がる

銀行などの金融機関は、底地に対して非常に厳しい評価を下します。

融資を受けようと思っても、底地だけでは十分な担保になりません。

一体化して完全所有権になれば、土地本来の評価額が担保として認められるため、新たな投資や事業資金の調達が容易になります。

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借地権の買取相場はいくら?(地主が支払う費用)

買い戻しを検討する上で、最も気になるのが「いくら払えばよいのか」という点です。

借地人から買い取る場合の目安

一般的には、更地価格の50%〜60%程度が妥当なラインとされることが多いです。


ただし、ここで注意が必要なのは「路線価図」に記載されている借地権割合(例:60%や70%)です。この割合はあくまで相続税計算のための指標であり、実際の売買価格を縛るものではありません。

実際には、「限定価格」という考え方が適用されます。

地主にとって、その借地権を手に入れることは資産価値を激増させる「特別な意味」を持つため、第三者が買うよりも高い金額(プレミアム)を上乗せして交渉するのが通例です。

買取費用の内訳

予算を立てる際は、以下の項目を合算する必要があります。

  1. 借地権の対価: 借地人に支払う直接の買取金。
  2. 建物の解体費用: 更地として活用する場合、解体費(坪5万〜10万円程度)が必要です。どちらが負担するかは大きな交渉ポイントになります。
  3. 諸経費: 仲介手数料、所有権移転の登記費用、契約書の印紙税、不動産取得税など。

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地主が土地を買い戻す際のデメリットと注意点

メリットが大きい反面、地主側が負うリスクや負担も無視できません。

①多額のキャッシュ(買い戻し資金)が必要

最大の壁は、まとまった資金調達です。借地権の買い取りは、通常の土地購入と同等の高額な費用がかかります。

手元資金がない場合は銀行融資を利用することになりますが、その利息負担も計算に入れなければなりません。

②不動産取得税・登録免許税などの税負担

土地を「取り戻す」という感覚であっても、税務上は「新たな不動産の取得」です。

  • 登録免許税: 移転登記の際に発生。
  • 不動産取得税: 取得後に自治体から請求。

これらに加え、一体化後は土地の評価額が上がるため、翌年からの固定資産税・都市計画税も増額されるケースがほとんどです。

③借地人との感情的な対立リスク

交渉の切り出し方を間違えると、「地主が追い出しにかかってきた」と誤解され、感情的な対立を生むことがあります。

一度関係がこじれると、適切な価格での買い戻しは不可能になり、最悪の場合、裁判に発展するリスクもあります。

④建物の「解体・立ち退き」にまつわるトラブル

借地人がその土地に住んでいる場合、買い戻しは「引っ越し」を意味します。


「高齢で転居先が見つからない」「長年住んだ家を離れたくない」といった心理的ハードルがある場合、無理に話を進めると社会的・道義的責任を問われる場面も出てきます。

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借地権の買い戻しを成功させる交渉の流れとコツ

①専門家による適正な査定

まずは、その土地が一体化後に「本当にいくらで売れるのか」「いくらで買い取れば利益が出るのか」を冷静に算出します。

不動産鑑定士や、底地取引に精通した専門業者に査定を依頼しましょう。

②借地人の意向確認と交渉

借地人が「売りたい」と考えるタイミングは限られています。

  • 子供が独立して家が広すぎると感じている時。
  • 建物の老朽化で建て替え費用を捻出できない時。
  • 相続が発生し、遺族が借地権を現金化したい時。

これらのチャンスを逃さず、誠実な態度でアプローチします。「無理に買い取るのではなく、借地人さんの困りごとを解決する選択肢の一つとして提案する」という姿勢が成功の秘訣です。

③売買契約と決済・引き渡し

合意に至ったら、詳細な契約書を作成します。「建物内の残置物の処分はどうするか」「境界確定は誰が費用を出すか」など、細かい条件を明文化しておくことで後日のトラブルを防げます。

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買い戻し資金がない・交渉がまとまらない場合の対処法

「買い戻したいが、お金がない」「借地人が首を縦に振らない」という場合でも、以下の3つの代替案があります。

①底地と借地権の「同時売却」を提案する

地主と借地人が協力して、一つの土地として第三者に売却する方法です。

売却代金を借地権割合などで分配します。地主は身銭を切ることなく、底地単体で売るよりもはるかに多い現金を手にすることができます。

②底地と借地権の「等価交換」を行う

広い土地の場合、土地を二つに分け(分筆)、一方は地主が、もう一方は借地人が「完全所有権」として持つ方法です。

お互いに持ち出しなしで、自由な土地を手に入れることができます。

③底地のみを専門業者へ売却する

借地人とのトラブルに疲れ果てた場合の最終手段です。価格は安くなりますが、即座に現金化でき、全ての管理責任から解放されます。

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よくある質問(Q&A)

Q. 建物が古くても、借地権を高値で買い取る必要がありますか?

A. はい。借地権の価値は「土地を利用する権利」にあるため、建物の価値がゼロであっても借地権価格は発生します。

ただし、建物の老朽化は地主側の交渉材料(建て替え承諾料との相殺など)にはなり得ます。

Q. 借地人が売却を拒否したら、強制的に買い戻せますか?

A. 原則として強制は不可能です。

日本の法律は借地人を強く保護しています。粘り強い交渉を続けるか、上記の「同時売却」や「等価交換」といった、借地人にもメリットがある提案を模索しましょう。

Q. 買い戻した後の固定資産税はどれくらい上がりますか?

A. 一般的に、借地人が建物を建てて住んでいる場合、住宅用地の軽減措置が適用されています。

買い戻して更地にした後、活用(再建築など)をせずに放置すると、軽減措置が外れて税額が最大6倍程度に跳ね上がる可能性があるため注意が必要です。

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まとめ

地主が借地権を買い戻し、底地と一体化させることは、土地の資産価値を最大化する最も有効な手段です。自由な土地活用が可能になり、高値売却や相続税対策、融資の活用といったメリットも期待できます。

一方で、買い戻しには高額な費用や長期の手続き、借地人との交渉、税務上の注意など、専門知識が必要なポイントも多くあります。これらを正しく理解せず進めると、期待した成果を得られないリスクもあります。

土地の価値を最大化し、トラブルを回避するためには、信頼できる専門家のサポートが不可欠です。

センチュリー21中央プロパティーでは、借地権の買取や底地との一体化について豊富な実績と専門知識を持つスタッフが対応しています。

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この記事の監修者

大村 進

不動産鑑定士/宅地建物取引士

不動産鑑定士・株式会社大村不動産鑑定事務所 代表/宅地建物取引士
1995年に宅地建物取引士登録(第37393号)、2001年には不動産鑑定士登録(第6786号)を行い、20年以上にわたり不動産鑑定評価の最前線で活躍している。2018年からは東京不動産鑑定士会会長を務め、業界を牽引する権威として知られる。

株式会社大村不動産鑑定事務所の代表として、不動産鑑定評価業務をはじめ、価格査定、意見書作成など、不動産の価格に関するあらゆる業務に精通。

特に、借地権の不動産鑑定において、底地や借地権の適正な価格査定、地代・更新料の評価、借地非訟事件における意見書作成に強みを持つ。市場動向を考慮した精度の高い鑑定には定評があり、その豊富な経験と専門知識は、お客様の借地権に関する疑問や不安を解消し、適切な意思決定を強力にサポートする。

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