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他人物売買(他人物売買と相続)とは|用語集

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コンテンツ番号:1434

他人物売買(他人物売買と相続)とは

他人物売買のイメージ

意義:他人の物を売買すること

(他人の権利の売買における売主の義務)
民法560条:「他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。」

引用元: より

(他人の権利の売買における売主の担保責任)
民法561条:「前条の場合において、売主がその売却した権利を取得して買主に移転することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の時においてその権利が売主に属しないことを知っていたときは、損害賠償の請求をすることができない。」

他人の物を売買することがそもそも有効なのか?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、法はこれを有効としています。

例えば、正式に自己の所有物ではないものの、来月になれば自己の所有物になることが決まっているような場合、先んじて第三者と契約することもあるでしょう。そのようなケースを想定しています。しかし、他人物の権利を取得して買主に移転できない場合には売主は責任を取るように、と法律ではしています。

また、他人物売買をした売主が死亡し、相続人がその地位を相続した場合はどうでしょうか。権利の移転義務も相続するか否かという問題です。

売買契約締結時に売主の所有物ではないと知っていた場合、損害賠償請求をすることができないとありますが、逆を言えば、知らない場合は損害賠償請求ができるということになります。

売買のイメージ

他人物売買と相続

♦参考判例:最大判昭和49年9月4日

判旨:「権利者は、相続によつて売主の義務ないし地位を承継しても、相続前と同様その権利の移転につき諾否の自由を保有し、信義則に反すると認められるような特別の事情のないかぎり、右売買契約上の売主としての履行義務を拒否することができるものと解するのが、相当である。

権利者は、相続人として承継した売主の履行義務を直ちに履行することができるが、他面では権利者としてその権利の移転につき諾否の自由を保有しているのであり、それが相続による売主義務の承継という偶然の事由によって左右されるべき理由はなく、また権利者がその権利の移転を拒否したからといって買主が不測の不利益を受けるわけでもない。

それゆえ、権利者は、相続によって売主の義務ないし地位を承継しても、相続前と同様その権利の移転につき諾否の自由を保有し、信義則に反すると認められるような特別の事情のないかぎり、右売買契約上の売主としての履行義務を拒否することができるものと解するのが相当である。」とし、当然には義務は承継されないとしています。

この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。借地非訟、建物明渡、賃料増額請求など借地権や底地権をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

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