共有名義の底地を売りたい場合どうするべき?|底地の売却・相続
共有名義の底地を売りたい場合どうするべき?
ご相談事例
私(A)は5人兄弟の長男で、父親から相続された甲土地を5人で共同所有しています(持分割合はそれぞれ5分の1ずつ)。
甲土地は昔から地元の人に土地を貸しており、地代の収入を得ています。
しかし、地方であることから、地代の相場は安く、先代からの付き合いで地代もかなり安く、一層のこと処分ができないかと考えています。
甲土地全部を一斉に処分できればいいのですが、私以外の兄弟は整理することに反対してしまっており、処分ができません。
インターネットで調べていると、共有持分だけでも売却ができると知り、地元の不動産屋さんに相談に行ったところ、「こんな場所の土地で、共有持分の状態で売れるわけがありません」と、ほとんど取り合ってもらえませんでした。
何か良い解決方法はありますか?
詳細解説
自己の共有持分を売却するには他の共有者の同意は不要
確かに民法上には下記の規定が存在します。
(共有物の変更)
民法251条:「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」
共有持分のみの売却も「共有物に変更を加える」ことになり、売却できないのでは?とよく勘違いされる方がいますが、自己の共有持分のみの売却には、他の共有者の同意は不要です。また、
(共有物の分割請求)
民法256条:「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。…」
とあるように、共有者は「いつでも」分割の請求ができます。当然、自己の持分のみの売却も「いつでも」可能です。買い取ってもらえる先さえ見つかれば、共有持分を売却し、共有関係から離脱することが可能です。
買い取ってもらえない
本件では、地元の不動産屋さんに「こんな場所の土地で、共有持分の状態で売れるわけがありません」と言われてしまっています。確かに、共有持分のみでの売却は、通常の不動産売買とは異なり、売りにくいのは事実です。また、売れたとしても、価格が安くなりがちなのも、また、事実です。
実は、一口に不動産屋さんと言っても、売買がメインだったり、賃貸がメインだったり、管理がメインだったりと、得意分野は異なります。スーパーのような総合不動産屋さんもありますが、「野菜を買うなら八百屋」、「お肉を買うなら肉屋」のように、専門店に相談する方が解決への道筋を示してくれる可能性は高まります。
共有持分の売却は他の共有者との関係、買い取った後の第三者と残った共有者との関係など、権利関係が非常に複雑で、扱いにくい不動産です。そのため、特に地方に行くと、共有持分に詳しい不動産屋はあまりありません。共有持分の実の売却をするには「コツ」があるのです。共有持分に詳しい不動産屋さんに相談してみるとよいでしょう。離れていても対応してくれる業者はあります。
本件の場合
本件の場合、具体的事情は明らかではありませんが、共有持分のみの売却を考える前に、他の共有者へ交渉し、共有不動産全部の売却を考える。また、共有持分を売却せざるを得ない場合でも、他の共有者への売却を考え、それでもだめなら、第三者への売却を考えるなど、共有持分の整理方法は状況によって最善の解決策は異なります。
「こんな状況で売れるわけがない」と思っていた不動産でも売却実績は多数ございます。様々なケースの相談をもらい解決してきたからこそご提示できる方法が当社にはあります。まずは、一度ご相談してみて下さい。共有持分のプロ集団が最善策をご提示させて頂きます。
この記事の監修者
弁護士
弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で借地非訟手続きや建物買取請求権の行使など今社会問題化しつつある借地権トラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。