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借地権の更新時のトラブルに注意!よくあるトラブルと対処法を解説

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借地権の更新時のトラブルに注意!よくあるトラブルと対処法を解説

借地権の更新時のトラブルに注意!よくあるトラブルと対処法を解説

目次

借地権の更新が近づくと、「更新料はどのくらい必要だろうか」「地主とスムーズに話し合えるだろうか」と不安を感じる人もいるのではないでしょうか。
借地権の更新に際しては、地代や承諾料などの契約条件をめぐり、思わぬトラブルが発生することがあります。
特に初めての更新では、手続きの進め方がわからず戸惑うこともあるかもしれません。

この記事では、借地権の更新に伴う問題や、その対策についてわかりやすく解説します。
スムーズに更新手続きを進めるために、どのような準備が必要かを確認していきましょう。

借地権の更新料に支払い義務はある?

借地権の更新料は、法律上の支払い義務はありません。

借地借家法には更新料に関する規定がないため、契約で明記されていなければ支払う必要は原則としてないのです。

しかし、地域の慣習やこれまでの地主との関係性、契約内容などを総合的に考慮して支払うケースが多いのが実情です。

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更新料の支払いが必要なケース

法律上、借地権の更新料には支払い義務はありませんが、以下のようなケースでは、更新料の支払いが更新料の支払いが必要になることや、支払った方が良い場合があります。

  1. 契約書に更新料の記載がある場合
  2. 地主との間で更新料支払いの合意がある場合
  3. 過去に更新料を支払っている場合
  4. 地域の慣習として更新料の授受が行われている場合

更新料の支払いが必要なケース①:契約書に更新料の記載がある場合

借地契約の更新料は本来法律上の義務ではありませんが、賃貸借契約書に「更新料を支払う」と明記されている場合はこの限りではありません。
契約書に記載があり、借地人と地主の押印があれば、両者の合意が成立しているとみなされます。

この場合、支払い義務が生じます。

もし契約書に更新料の記載があるのに支払わなかった場合、「債務不履行」(民法第541条)に該当し、契約解除のリスクが発生する可能性があります。

契約が解除されると、借地上の建物を解体し、更地にして地主に返還しなければなりません。

更新料の支払いが必要なケース②:地主との間で更新料支払いの合意がある場合

契約書に更新料の記載がなくても、借地人と地主の間で更新料を支払う旨の合意があれば支払い義務が生じることがあります。

特に、口頭での合意であっても、その合意の存在を証明できる場合や、継続的な支払い実績があると、義務があると判断される可能性があるため注意が必要です。

更新料の支払いが必要なケース③:過去に更新料を支払っている場合

これまでに更新料を支払っていた場合、「慣例として支払いが続くもの」と見なされる可能性があります。

例えば、契約書に更新料の記載がなくても、

  • 複数回にわたり更新料を支払っている
  • 領収書など支払いの証拠が残っている

こうした場合、更新料の支払いが継続される前提で契約が進むことがあり、途中で支払いをやめると地主とのトラブルにつながる可能性があります。

ただし、過去に支払ったからといって、将来の支払い義務が法的に確定するわけではありません。
あくまで個別の事情によります。

更新料の支払いが必要なケース④:地域の慣習として更新料の授受が行われている場合

契約書に記載がなく、明確な合意や過去の支払い実績がない場合でも、地域によっては借地権更新時に更新料を支払う慣習が存在することがあります。
こうした慣習がある地域では、地主から更新料の支払いを求められることがあります。

法的な支払い義務とまでは言えないケースが多いですが、円満な関係維持のために支払われることもあります。

借地権の更新前に、借地人が押さえておくべきポイント

借地権を更新する前に、借地人が押さえておくべきポイントは以下の通りです。

  1. 借地権の更新は可能かどうか
  2. 借地権の更新料の相場
  3. 借地権の更新手続きと法定更新

借地権の更新前に押さえるべきポイント①:借地権の更新は可能かどうか

借地権は基本的に更新可能です。

借地権の更新とは、つまり地主と借地人が交わしている“土地賃貸借契約の更新”を指すもので、借地借家法では、地主に正当な理由がない限り、地主がこの借地契約の更新を拒絶することを認めていません。

普通借地権の場合、借地借家法(新法)にもとづき、初回契約期間として定めた最短30年が終了した後は最初の更新で20年、その後は10年ごとに更新が可能です。

ただし、すべての借地権が更新できるわけではありません。
たとえば、契約期間があらかじめ定められている定期借地権は、土地賃貸借契約満了後の更新が原則としてありません。

借地権の更新前に押さえるべきポイント②:借地権の更新料の相場

借地権の更新料の相場は借地権価格の3~5%程度、または更地価格の3%程度とするのが一般的ですが、地域や契約内容、地代の水準などによって変動します。
例えば、地代が低めに設定されている場合、更新料が高めに設定されることもあります。

また、更新料の相場は地域や物件の条件によっても大きく異なります。
例えば、不動産価値が高い都市部では更新料が高くなる傾向があり、郊外では比較的低くなる場合があります。
正確な相場を知るためには、路線価や公示価格、近隣の取引事例を参考にしたり、不動産鑑定士などの専門家に相談したりするのが良いでしょう。

万が一、地主と借地人との間で更新料をめぐる意見の対立が生じた場合、最終的には裁判を起こすこともできます。
裁判では、地主と借地人の主張をもとに、裁判所が公平な視点で更新料や契約条件に関する見解を述べます。

場合によっては、借地非訟手続という、より簡易な裁判手続きで更新条件について裁判所の判断を求めることも可能です。
ただし、裁判は時間と費用がかかるため、できるだけ事前の話し合いや交渉で解決を目指すことが望ましいです。

借地権の更新前に押さえるべきポイント③:借地権の更新手続きと法定更新

借地権の更新は、当事者間の合意によって行われるのが原則です(合意更新)。
しかし、借地人が更新を請求したにもかかわらず地主が遅滞なく異議を述べなかった場合や、契約期間満了後も借地人が土地の使用を継続し、地主がこれを知りながら異議を述べなかった場合には、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます。
これを「法定更新」といいます(借地借家法
第5条第2項、同法第6条)。

法定更新の場合、更新後の契約期間は、最初の更新では20年、2回目以降の更新では10年となります。
ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間となります。
法定更新された場合でも、更新料の支払いについては契約書に定めがあれば、その定めに従うことになります。
定めがない場合は、支払い義務は原則としてありませんが、協議が必要となることもあります。

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借地権を更新する際に起こりやすいトラブル

借地権を更新する際に起こりやすいトラブルは、以下の通りです。

  1. 地主に更新を拒絶された
  2. 地主に立ち退きを求められた
  3. 地主に地代の値上げを要求された
  4. 地主に高額な更新料を求められた
  5. 旧法から新法への契約変更を求められた
  6. 借地権の更新手続きを忘れてしまった

借地権の更新時によくあるトラブル①:地主に更新を拒絶された

地主が借地権の更新を拒絶するケースがあります。

例えば、地主が土地を別の用途に使いたい場合などです。
地主から一方的に「更新拒絶」を告げられ、頭を抱える借地人も珍しくありません。

ただし、普通借地権の場合、借地借家法により、地主側に正当な理由がない限り更新拒絶は認められません。
特に借地上に建物がある場合、借地人が更新を請求すれば、地主の異議には正当事由が必要となり、これがなければ契約は原則として更新される仕組み(法定更新も含む)があるため、地主の一方的な主張だけで更新が拒絶されることは多くありません。

借地人が契約内容や法律を十分に理解していないと、地主による不当な主張を受け入れてしまうリスクがあります。
更新拒絶の「正当事由」としては、例えば地主自身がその土地を使用する必要性が高い場合、土地の利用計画の変更、借地人の契約違反(地代不払いなど)、そして立退料の提供などが総合的に考慮されます。

借地権の更新時によくあるトラブル②:地主に立ち退きを求められた

更新の際に地主から立ち退きを求められても、正当な事由がない限り借地人は立ち退きに応じる必要はありません。

地主側の立ち退き要請が認められる「正当事由」のケースとしては、

  • 借地上に地主の居住用建物を建てる差し迫った必要性が出てきた
  • 借地人が長期間にわたり地代を滞納しているなど、信頼関係を破壊する行為があった
  • 建物が著しく老朽化していて倒壊する危険がある(ただし、借地人が適切な修繕を行う意思を示している場合はこの限りでないこともある)

などがあります。

つまり、こうした客観的に見てやむを得ない理由がない場合は、仮に立ち退き料を提示されたとしても、直ちに立ち退きに応じる必要はありません。
立ち退き料の申し出があった場合でも、その金額の妥当性や、本当に立ち退く必要があるのかを慎重に検討すべきです。

借地権の更新時によくあるトラブル③:地主に地代の値上げを要求された

更新時や契約期間中に、地主から地代の値上げを要求されることがあります。

その背景には地価の上昇や経済情勢の変化が挙げられますが、こうした要求が必ず認められるわけではありません。

地代の値上げが認められるのは、固定資産税等の公租公課の増減、土地の価格の上昇・低下、周辺の借地と比べて現在の地代が極端に低い場合など、客観的に見て相当な理由(借地借家法第11条に定める地代等増減請求権の要件)があると判断されるケースに限られます。

一方、根拠のない不当な要求が行われる場合もあるため、借地人は借地契約書や相場をよく確認し、冷静に対応する必要があります。

地主と協議しても合意に至らない場合は、調停や訴訟といった法的手続きで解決を図ることになります。

借地権の更新時によくあるトラブル④:地主に高額な更新料を求められた

更新時は、地主から更新料を請求されるケースが一般的です。
ただし、前述の通り、更新料の支払いは法律で義務付けられていないため、支払いが必要かどうかは契約内容によります。
そのため借地人は、事前に契約書をよく確認することが大切です。

また、地主によっては相場からかけ離れた高額な更新料を要求してくることもあり、その額を巡ってトラブルになるケースもあります。
この場合も、まずは地主と協議し、合意に至らない場合は専門家への相談や法的手続きを検討します。

借地権の更新時によくあるトラブル⑤:旧法から新法への契約変更を求められた

地主から旧法(借地法)から新法(借地借家法)への契約変更を求められた場合でも、借地人が合意しない限り、契約を変更する義務はありません。

旧法に基づく借地権は一般に契約期間が長く、更新も可能であるため、借地人にとって有利な条件となりやすいです。
したがって、地主は契約期間が短縮され、更新が制限される場合がある新法への変更を求めることがあります。
ですが、こうした要請に応じる法的義務はありませんので、借地人がこれに応じる必要はありません。
変更に応じる場合は、条件を十分に比較検討し、不利にならないよう注意が必要です。

借地権の更新時によくあるトラブル⑥:借地権の更新手続きを忘れてしまった

普通借地権では法定更新という仕組みがあり、当事者が特に更新の手続きをしなくても、一定の条件下で借地契約は自動的に継続します。
そのため、更新を忘れたからといって借地権がすぐに消滅することはありません。

とはいえ、契約書を確認しないまま更新時期を過ぎると、条件を見落としたり、地主と認識がずれたりして、トラブルになる可能性があるでしょう。
また、地主が高齢で連絡がつかない場合や、代替わりが起きている場合などは、うっかり更新手続きを忘れてしまうケースも考えられます。
法定更新された場合の更新後の契約期間や更新料の有無についても、契約内容や法律の規定を確認しておくことが重要です。

借地権の更新時に起こり得るトラブルへの対処法

借地権の更新でトラブルが起きた際に有効な対処法は、以下の通りです。

  1. 借地権の専門家に相談する
  2. 借地権を売却する
  3. 内容証明郵便で意思表示をする
  4. 調停や訴訟などの法的手段を検討する

借地権更新トラブルへの対処法①:借地権の専門家に相談する

借地権の更新トラブルに直面したときや、トラブルを未然に防ぎたい場合は、早めに借地権に詳しい専門家に相談することを検討しましょう。

例えば、弁護士は法的手続きや地主との交渉を代行してくれます。
特に、契約解釈や法的紛争に発展しそうな場合は、弁護士への相談が不可欠です。
借地権を専門としている不動産会社は、借地権の売却を伴う手続きやトラブル解決をサポートしてくれ、適正な更新料の査定や市場動向に関するアドバイスも期待できます。

契約内容が曖昧で話し合いが難航している場合でも、専門家に相談することで解決の道筋が見えてくるでしょう。

センチュリー21中央プロパティーは、借地権専門の不動産仲介会社です。
借地権トラブルや売却に豊富な実績を持つ社内弁護士が常駐しており、いつでも法的観点から的確なアドバイスをさせていただきます。

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借地権更新トラブルへの対処法②:借地権を売却する

借地権の更新トラブルを避けるため、借地権の売却を検討するのも有効な手段です。
売却の依頼先は主に「買取業者」と「専門仲介業者」の2つがあります。

買取業者の場合、不動産業者が直接買い取るため早く現金化できるメリットがありますが、価格は市場より安くなる傾向にあります。
これは、業者ができるだけ安く仕入れることを目的とするためで、売主とは利益が相反しやすい点に注意が必要です。

一方、専門仲介業者は売主の代理として購入希望者を探します。
売却までに時間はかかるものの、市場価格に近い高値で売れる可能性があります。
専門仲介業者は売却価格が高いほど仲介手数料も増えるため、売主と目的が一致し、親身なサポートが期待できるでしょう。

どちらの方法で売却する場合も、地主の承諾と譲渡承諾料が必須となります。

より有利な条件で、安心して借地権を売却するためには、信頼できる専門仲介業者への相談が不可欠です。
豊富な実績とネットワークを持つ不動産会社のサポートを受けることで、スムーズな売却が期待できます。

センチュリー21中央プロパティーは、借地権専門の仲介会社です。
これまでに4万件を超えるトラブル解決&借地権売却の実績があり、借地権につきましては圧倒的なノウハウを誇ります。
借地権を、トラブルなく高額売却したい方は、ぜひ当社にご相談ください。

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借地権更新トラブルへの対処法③:内容証明郵便で意思表示をする

地主との交渉において、更新の意思や条件に関する主張などを正式な形で伝えておくことは、後のトラブル防止や証拠確保の観点から重要です。
内容証明郵便を利用すれば、いつ、どのような内容の文書を送ったかを郵便局が証明してくれるため、こちらの意思を明確に伝え、相手方にも真摯な対応を促す効果が期待できます。

借地権更新トラブルへの対処法④:調停や訴訟などの法的手段を検討する

当事者間の話し合いで解決が困難な場合は、簡易裁判所での民事調停や、地方裁判所での訴訟といった法的手段を検討することになります。

調停は、調停委員が間に入り、話し合いによる解決を目指す手続きです。
訴訟は、裁判官が法に基づいて最終的な判断を下します。

これらの手続きは専門的な知識が必要となるため、弁護士に相談しながら進めるのが一般的です。
また、借地条件の変更や更新料の額など特定の事項については、借地非訟手続という比較的簡易な裁判手続きを利用できる場合もあります。

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地主との良好な関係性を築くことが、更新時のトラブル予防につながる

借地権の更新をスムーズに進めるには、地主との信頼関係が欠かせません。
日頃から誠実に接し、地代をきちんと支払うなどの小さな心掛けを積み重ねることが、良い関係につながるでしょう。

借地権は法律上、借地人の権利が強く守られていますが、一方的に権利を主張すると、かえってトラブルを招くことがあります。
そのため、お互いにとって納得感がある、良好な関係性を目指しましょう。
信頼を大切にしながら話し合いを進めることで、問題を防ぎやすくなります。
具体的には、定期的な挨拶や近況報告、地代支払時の丁寧な対応などが挙げられます。

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借地権の更新トラブルのご相談は「センチュリー21中央プロパティー」へ

借地権の更新では、更新拒絶や地代の値上げ、更新料の請求、借地期間の不明確さ、更新忘れなど、さまざまなトラブルが発生することがあります。
しかし、こうした問題は、正しい知識を持ち、適切な解決策を知ることで冷静に対応することができます。

借地権の更新トラブルには、「更新を機会に土地を返してほしい」という地主の本音が潜んでいることも珍しくありません。
立ち退いて欲しいがゆえに、更新後に地主からの嫌がらせが続くケースもあります。
このようなケースでは、トラブルの根本解決の手段として、借地権付き建物を第三者に売却するのが得策とも言えます。

借地権の売却にはさまざまな交渉や手続きが必要であるため、借地権売買の取引実績のある不動産仲介業者のサポートを受けることをおすすめします。

センチュリー21中央プロパティーでは、借地権売買の取引実績が多数ある専門家が借地権の高価売却をお手伝いしています。
借地権の売却を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。

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この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。借地非訟、建物明渡、賃料増額請求など借地権や底地権をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

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