借地権とは
~借地権の権利詳細を対話形式で解説~|借地権とは|借地権関連

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借地権とは
~借地権の権利詳細を対話形式で解説~

借地権とは

いきなりですが、ズバリ借地権とは何ですか?

借地権とは建物の所有を目的とする、地上権又は土地の賃借権のことを言います。

借地権とは建物の所有を目的とする、地上権又は土地の賃借権の事を表す図

例えば、家を建てたいけど、土地がない、でも土地を買うお金もない、そんな時は土地を借りて、建物を建てますよね。そんな際に出てきます。
借地権がついている土地のことを『底地』とも言います。
借地権の設定を受けている人を『借地人』、借地権を設定している人(地主)を『底地人(底地権者)』とも言います。

底地権:土地の貸主(地主)|借地権:建築物所有者、土地の借主(借地人)と建物の図

法律用語って難しいですね。ちなみに『地上権』とありますがどういうことでしょうか?

地上権は物権、借地権は債権です。
難しいですよね。
物権はその物を直接的に支配することができる権利で、債権は、特定の人(賃貸人)に対して、土地利用を請求する権利を持っているだけです。
例えば、画家に『絵を描いてもらう』と言う契約をした場合、『絵を描いて』と主張できるのは債務者(画家)に対してだけですよね。
物権は誰にでも自己の権利を主張できます。
『この時計は自分の所有物』という主張は誰にでもできますよね。これが物権の特徴です。
ただ、現実的には地上権を設定している場合は少なく、多くは債権である賃貸借に基づく場合になります。

では、地上権のことはあまり考えなくてもよいということですね?

その通りです。

新しい法律と昔の法律で色々異なると聞きましたが、その点はどうですか?

現在の借地借家法(新法)は建物保護法、借地法、借家法を改革・統合して1991年に制定、1992年に施行(8月1日施行)された法律になります。
借地借家法が施行された1992年8月1日以前から存続する借地権に対しては、廃止された旧「借地法」が、引き続き適用されることになっています。

主な違いは下記になります。

1. 借地権の存続期間
新法では建物の種別に関係なく一律に30年、
旧法の場合、堅固建物と非堅固建物で存続期間が異なり、堅固建物で30年、非堅固建物で20年が原則になります。

2. 借地権を更新した後の存続期間
新法では、1回目が20年、2回目以降は10年が原則になり、
旧法では、堅固建物が30年、非堅固建物が20年です。

定期借地権ができたのも大きな違いですね。

定期借地権??

『定期借地権』は『期』限が『定』められている借地権です。一般的に存続期間を50年と定め、期間満了後は地主に土地を返還する必要があります。借地権の更新や建物買取請求権などは、認められていません。
契約した時期によって、旧法か新法かの適用が変わりますので、注意が必要です。

ちなみに借地権のメリットやデメリットはありますか?

まずメリットについて解説します。
借地権のメリットとしてあげられるのは、借地人は土地を所有しているわけではなく、借りているだけなので、土地に対する固定資産税・都市計画税がかからない点が最大のメリットです。所有権を購入する(土地を買う)より安価ということです。

なるほど。借地権。メリットばかりでよさそうですね。

ただし、建物は自分のものだけど、あくまでもその下の土地は他人のものになってしまいます。
地代は当然、支払わなければなりませんし、「増改築や名義変更等の際に承諾料が発生する」点や「売却や譲渡、増改築には地主側の許可・承諾が必要」なことがデメリットとして挙げられます。

そうなのですね。
借地権関係のトラブルで多いのはどんなケースでしょうか?

当社は借地権に関する相談を多く受けていますが、多いのは相続が起きた時です。誰がどのように分割するのかなど多くは相続の関係でもめるケースが多いです。
不動産という価値の高い財産、及び人対人という形になるので、トラブルになるとやっかいなケースは多いのが現実です。

借地権は借地権のみで売却できるのでしょうか?
住む権利を売るって概念的にできるのでしょうか?

借地権のみを売却することはできます。
むしろ底地の権利を売却するよりも、借地権を売却する方が金額的には高くなるケースが多いです。
ただし、借地権の売却は通常の不動産売買よりも複雑な権利関係なため、通常の不動産会社では手に負えないケースが多いので、専門業者に依頼することを推奨致します。

記事監修

借地権・底地の相続や売却の問題を解決にするには適切な権利評価や査定ができる経験豊富な専門家の存在が必要不可欠です。お気軽にご相談ください。

監修者

株式会社中央プロパティー
松原 昌洙(代表取締役/宅地建物取引士)

出版書籍

この記事の監修者

松原 昌洙マツバラ マサアキ

代表取締役 /
宅地建物取引士

CENTURY21中央プロパティー代表取締役。静岡県出身。宅地建物取引士。都内金融機関、不動産会社を経て2011年に株式会社中央プロパティーを設立。借地権を始めとした不動産トラブル・空き家問題の解決と不動産売買の専門家。主な著書に「[図解]実家の相続、今からトラブルなく準備する方法を不動産相続のプロがやさしく解説します!」などがある。

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