旧法借地権は売却できる?5つの売却方法と借地権でよくあるトラブルを解説
旧法借地権は売却できる?5つの売却方法と借地権でよくあるトラブルを解説

旧法借地権を売却する際には、現行法にはない特有のルールや地主との関係性、手続きの流れを理解しておくことが大切です。
更新が繰り返せる旧法借地権は借地人にとって権利が強く、安定性が魅力ですが、売却には注意すべきポイントも多く、トラブルのリスクも潜んでいます。
本記事では、スムーズな売却のために知っておくべき基本情報と、よくあるトラブルへの具体的な対処法を詳しく解説します。

旧法借地権とは
旧法借地権とは、借地借家法(新法)が施行された1992年8月1日より前に、地主と借地人との間で締結されている土地賃借契約のことを指します。
この借地権は、契約期間が長く、借地人が長期間にわたり土地を利用できることが特徴です。
一度契約すると半永久的に更新が可能で、借地人は土地を借り続ける権利を持ちます。
借地人の権利が強く保護されており、地主からの一方的な契約の解除が難しいため、借地人は安定して土地を利用できる点が魅力です。
現状、借地契約においては、新法と旧法が混在しています。
1992年8月1日より前に契約している場合でも、更新時に地主と合意の上で新法の契約を改めて締結しなおせば、新法が適用されることになります。
反対に、そうした手続きを踏まない限りは、そのまま旧法として更新されます。

ちなみに新法では、契約期間が満了すると確実に土地が返還される定期借地権が創設されたこともあり、旧法よりも土地を返却すべき条件が明確化されました。
端的に言えば、旧法のままの契約は借地人に有利、新法の契約に切り替えると地主に有利な内容が多くなっています。
センチュリー21中央プロパティーなら【仲介手数料0円】で借地権売却! ≫
旧法借地権付きの建物は売却できる?
旧法借地権付き建物の売却は可能ですが、いくつかの重要な条件があります。
借地人は土地の所有者ではないため、建物を売却する(=借地権を譲渡する)には、原則として地主の承諾が必要です。
地主の承諾が得られれば、第三者に売却できますが、慣習として地主に対して譲渡承諾料を支払う必要があります。
譲渡承諾料の相場は、借地権価格の10%程度とされています。
したがって、借地権付き建物を第三者に売却を検討する際は、事前に地主に相談し、同意を得ることが不可欠です。
もしも、地主の承諾が得られない場合や、法外な譲渡承諾料を要求された場合は、裁判所に地主の承諾に代わる許可を求める手段(借地非訟手続き)もあります。
さらに、借地契約の残存期間や地代の支払い状況、土地利用の目的なども売却価格に影響を与えるため、これらの要素について十分に理解した上で売却を進めることが重要です。

旧法借地権付き建物の5つの売却方法
借地権の売却方法には、主に以下の5つのがあります。
- 地主に買い取って貰う
- 仲介会社に依頼して買い手を探す
- 買取業者に売却する
- 底地とセットで第三者に「同時売却」する
- 「等価交換」をして第三者に売却する
借地権の売却方法①:地主に買い取ってもらう
借地権を売却する際、最もシンプルな方法の一つは地主に直接買い取ってもらうことです。
この方法では、第三者への譲渡ではないため譲渡承諾料は不要で、地主が借地権付き建物を購入する形になります。
地主が建物と借地権を買い取ることで、地主は土地の制約がなくなり、完全所有権の土地として自由に活用できるメリットがあります。
しかし、地主側に資金的な余裕があるか、その土地を買い戻したい意向があるかは別問題であり、地主の意向に大きく依存します。
また、足元を見られて買い取り価格が相場より低く提示される場合や、地主への条件交渉が難航することもあるため、好条件での売却を成功させるには難易度の高い選択肢と言えます。
借地権の売却方法②:仲介会社に依頼して買い手を探す
不動産仲介会社を通じて借地権を売却する方法は、一般的に広く利用されています。
特に借地権に詳しい不動産仲介業者は、買い手を見つけるためのネットワークや、地主との譲渡承諾交渉などをスムーズに進めるための知識と経験を持っています。
借地権が付いている物件は権利関係が複雑なため一般的に市場で流通しにくく、仲介業者が独自に持っているネットワークを通じて販促活動を行い、適切な買い手を見つけることが期待されます。
ただし、仲介業者を利用する場合、成功報酬として仲介手数料が発生するため、そのコストも考慮する必要があります。
また、借地権の条件や契約内容により、買い手が限定されたり、交渉が難航することがあるため、借地権取引の実績が豊富な仲介会社を慎重に選定することが何よりも重要です。
センチュリー21中央プロパティーは、借地権専門の不動産仲介業者として、4万件を超えるご相談・売却実績がございます。
センチュリー21グループが誇る広範な”買い手ネットワーク”を駆使し、可能な限り好条件で購入してくれる買い手をお探しします。
当社には、経験豊富な不動産の専門家のみが在籍しており、地主との交渉もスムーズに代行可能。
さらに、社内弁護士が常駐しているため、法的なトラブルを回避しながら確実・安全にお手続きを進めてまいります。
初回のご相談から売却後に至るまで、仲介手数料をはじめとした諸費用はすべて無料とさせていただいておりますので、借地権売却をご検討されている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

借地権の売却方法③:買取業者に売却する
借地権付き物件を買取業者に直接売却する方法もあります。
買取業者は、迅速に現金で購入してくれることが多く、売却を急ぐ場合には有力な選択肢となります。
この方法では、仲介業者を通さずに直接買取業者と交渉するため、仲介手数料が発生しない点がメリットです。
しかし、買取価格は市場価格よりも低くなる傾向があり、業者が再販するための利益やリフォーム費用などが差し引かれた額が提示される点に注意が必要です。
買取業者は買い取りのスピードを重視するため、時間に余裕がない場合や早急に現金化したい場合に向いています。
借地権の売却方法④:底地とセットで第三者に「同時売却」する

地主と協力し、借地権と底地(借地権が設定されている土地)を一緒に第三者へ売却する方法です。
借地権と底地をセットで売却することによって、買い手は完全な所有権を手に入れられます。底地と借地権が一体として売買されるため、それぞれ単体で売却するよりも、完全所有権の不動産として価値が高まり、買い手が見つかりやすい特徴があります。
しかし、地主との協力が不可欠であり、売買代金の分配割合の取り決めなどが絡むため、当事者間での合意形成は難易度の高い交渉になります
借地権の売却方法⑤:「等価交換」をして第三者に売却する

「等価交換」とは、借地権の一部を地主に返還する見返りとして、その土地の所有権(底地)の一部を地主から譲渡してもらう方法です。
土地全体を評価した上で、借地権と底地の価値割合に応じて土地を分筆(分割)するのが一般的です。
例えば、路線価などから算出される借地権割合が60%の土地であれば、土地全体を面積で6:4に分筆し、元借地人が6割、地主が4割の完全な所有権を持つ土地をそれぞれ取得する、といった形が考えられます。
これにより、元借地人は「借地」という制約から解放され、完全所有権の土地を手にすることができます。
地主の承諾なしに自由に売却できるだけでなく、一般的に借地権のまま売却するよりも高値での売却が期待できるという大きなメリットがあります。
ただし、交換の割合は土地の評価額などを基にしますが、最終的には当事者同士の話し合いで決まります。
そのため、地主が交換の条件や、そもそも等価交換を行うこと自体に同意しなければ、この方法は成立しません

旧法借地権でよくあるトラブル
旧法借地権では、地主と借地人との間でトラブルになりやすい特徴があります。
旧法借地権でよくあるトラブルには、主に以下のようなものがあります。
- 地主の承諾を得られない
- 建物の解体に関するトラブル
- 地代の値上げに関するトラブル
- 相続をきっかけとするトラブル
よくあるトラブル①:地主の承諾を得られない
旧法借地権付きの物件を売却(譲渡)する際や、建物を建て替える際には、地主の承諾が必要です。
しかし、地主が正当な理由なく承諾を拒んだり、相場を大幅に超える譲渡承諾料・建替承諾料を要求してきたりすることがあります。
特に、「新しい借地人がどんな人か分からない」といった不安を地主が抱いている場合、承諾を得るのが難しくなることがあります。
この場合、地主の理解を得るための交渉が重要ですが、うまくいかない場合は前述の裁判所に地主の承諾に代わる許可を求める手続き(借地非訟)が必要になることもあります。
いきなり裁判を検討する前に、まずは借地権に強い不動産会社に相談し、交渉の進め方など対応策を助言してもらうのが良いでしょう。
センチュリー21中央プロパティーには、経験豊富な借地権の専門家のみが在籍しており、地主との交渉もスムーズに代行可能です。
ご自身での交渉に自信がない方や、すでに関係が悪くなってしまっている方は、ぜひ当社の交渉ノウハウにご期待ください。
【地主との交渉を代行】借地権専門の仲介会社、センチュリ-21中央プロパティー ≫
よくあるトラブル②:建物の解体に関するトラブル
旧法借地権では、契約期間が満了し更新をしない場合、借地人は建物を収去し更地にして土地を地主に返還するのが原則です。
ただし、借地人には地主に対して建物を時価で買い取るよう請求できる「建物買取請求権」が認められています。
売却時には、買主が「将来、自分が解体費用を負担するのではないか」と懸念し、売買価格の交渉に影響が出たり、購入をためらったりするケースがあります。
こうした将来のリスクを払拭するためにも、契約内容や建物の状況を正確に買主に伝え、場合によっては専門家を交えて交渉を進めることが重要です。
借地権に強い不動産会社に相談し、買主の不安を取り除くための適切なアドバイスを受けると良いでしょう。
よくあるトラブル③:地代の値上げに関するトラブル
地代の値上げも旧法借地権においてよくある問題です。
契約期間が長期間にわたるため、固定資産税の上昇や近隣の地価高騰などを理由に、地主から地代の値上げを請求されることがあります。
契約更新のタイミングだけでなく、契約期間の途中であっても急に地代の値上げを提案されることもあります。
当社にご相談いただくお客様の中には、こうした地代の値上げを機に借地権の売却を検討されるケースが非常に多く見られます。
よくあるトラブル④:相続をきっかけとするトラブル
旧法借地権の契約は、非常に長期間続きます。
そのため契約期間中に、借地人や地主に相続が発生することも珍しくありません。
相続が発生すると、地主や借地人が代替わりし、これまでの関係性が一変してしまうこともあります。
先代まではトラブルのなかった良好な関係から、相続によりやり取りの窓口が変わることで、突然「土地を返してほしい」と言われたり、理不尽な要求をされたりして、信頼関係が破綻してしまうケースも少なくありません。

旧法借地権の売却は、「センチュリー21中央プロパティー」にお任せください
旧法借地権は借地人の権利が強い反面、売却時にはその「強さ」が地主との根深い対立を生むことも少なくありません。
当事者間の交渉は難航しやすく、承諾が得られない、法外な承諾料を要求されるなど、旧法ならではの難しさがあります。
「地主と話がこじれてしまい、売却は無理かもしれない…」そんなお悩みこそ、当社センチュリ-21中央プロパティーにご相談ください。
センチュリ-21中央プロパティーは、借地権に特化した不動産仲介会社です。
経験豊富な借地権の専門家のみが在籍しており、地主との交渉をスムーズに代行可能。
借地権に強い社内弁護士も在籍しておりますので、法的な問題をクリアしながら、安全にお手続きを進められます。
また、大手不動産会社に依頼したものの、全く話しが進まなかった借地権売却も、当社がサポートすることで2週間で高額売却できたケースがございます。
さらに仲介会社でありながら、仲介手数料をはじめとする諸費用は一切頂いておりません。
もちろんご相談も無料でご利用いただけますので、借地権の売却をお考えの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

この記事の監修者
弁護士
弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。借地非訟、建物明渡、賃料増額請求など借地権や底地権をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。