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借地契約の「解約」と「解除」の違いとは?

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借地契約の「解約」と「解除」の違いとは?

借地契約の「解約」と「解除」の違いとは?

目次

「地主から借地契約解除の連絡が来てしまった…」
「どんな条件で契約解除されるの?」

借地契約ではさまざまな取り決めがされますが、借地人も世代交代してしまえば契約内容を把握していない場合もあります。

意図せず契約違反をしてしまい、地主から解除を告げられた場合、どうしたらよいのでしょうか。

この記事では、借地契約について、契約の種類や旧法・新法の違い、地主が契約を解除できる条件や、解除までの流れについて解説しています。

借地人であれば知っておくべき内容ですので、ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。

借地契約の種類

土地を借りる場合、貸主(地主)と借主(借地人)は賃貸借契約(借地契約)を締結し、借地人は地代を支払いその土地に建物を建てる権利(借地権)を得ます。

借地権は強力な権利を有する地上権と、譲渡や転貸などには地主の承諾が必要な賃借権に分けられますが、この記事では賃借権を「借地権」として解説します。

借地権を定めた法令は、大正時代に制定された旧法(借地法)と、平成4年に制定された新法(借地借家法)です。借地権は、権利を所有した時期によって適用される法令が異なるのです。

まず、旧法借地権と新法借地権、それぞれの特徴や違いについて確認していきましょう。

借地契約の種類①:旧法借地権

借地法は1921年(大正10年)4月に制定された土地の賃貸借契約を定めた法令です。
同時に借家法も制定されており、当時は借地法・借家法の2本立てでした。

この大正10年施行の借地法から新法借地権が定められる1992年(平成4年)8月1日より前までに得た借地権は、旧法が適用されています。

旧法借地権は、地主に比べ立場や経済面で不利だった借地人を手厚く保護する内容となっていました
旧法での借地人の有利さは「貸したら二度とかえってこない」と表現されるほど、旧法における借地人の権利は強固なものでした。

旧法借地権の存続期間はコンクリート造などの強固な建物で30年以上、木造で20年以上です。

新法が成立してから30年以上が経過しているため、旧法での借地権は少ないと思われるかもしれません。
しかし、現在も借地権の多くは旧法による借地権です。

これは、地主から借地人への立ち退き請求や更新拒絶には、正当事由が必要であり、簡単には認められないためです。
また、土地賃貸借契約の更新時に新法への切り替え義務はなく、借地人の意思で更新され続けるため、現在も旧法での借地権を有する借地人が多いのです。

加えて、今は所有権の売買が一般的になり、新たに締結される借地契約の数が以前ほど多くないことも、旧法での借地権が多い理由の一つです。

借地契約の種類②:新法借地権

旧法はあまりに借地人に有利でした。
貸したが最後土地が返ってこないとなると、当然地主は土地を貸し渋ります。
そのような状況が土地の利活用の妨げになったため、地主側の権利にも配慮した新法・借地借家法が1992年(平成4年)8月より施行されました。

旧法と新法の大きな違いは、「定期借地権の新設です。

定期借地権は3種類あり、いずれも一定期間のみ土地を貸す借地契約です。
例えば、一般定期借地権であれば、50年以上の存続期間で更新はなく土地は返されるなど、定期借地権は“存続期間の満了で借地権もなくなる”のが前提の借地権です。

また、新法では地主が借地権の更新を拒絶したり、立ち退きを求めたりするための「正当事由が明示されています。

旧法では、「どのような正当事由があれば借地権の更新を拒絶し、契約を終了できるのか」が定義されておらず、貸したら戻ってこない状況の原因となっていました。
新法では地主自身が家を建てて住む強い必要性があるなどの正当事由が認められ、かつ立退料を支払えば契約解除も可能となりました。

このように、新法は旧法に比べ地主にも配慮した内容となっています。

旧法・新法で異なる借地権の存続期間

旧法と新法の存続期間の違いを下表で確認しましょう。

存続期間
旧法借地権新法借地権
構造初回2回目以降初回2回目3回目以降
木造20年以上30年以上20年以上10年以上
木造※期間の定めがないもの30年20年
鉄骨造・鉄筋コンクリート造30年以上
鉄骨造・鉄筋コンクリート造※期間の定めのないもの60年30年

旧法・新法ともに、原則として存続期間中の中途解約はできません。
借地人にとって借地は、そこに住んでいるにしても、事業を行っているにしても生活基盤といえます。

また、地主にとっても地代が定期収入となっています。
これらが突然失われるのは、どちらにとっても不利益なため、中途解約は原則認められていません。

ただし、借地契約を締結する際にあらかじめ中途解約の条項を盛り込んでおけば可能です。

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地主が借地契約を解除できる条件

原則として借地契約の存続期間中の解約はできず、更新時についても基本的に地主側からの更新の拒絶は実情としては難しいと言えます。
しかし、借地人が借地契約に違反してしまい、借地契約が解除されるケースもあります。

それでは、地主からの借地契約の解除条件について確認していきましょう。

「解除」と「解約」の違い

「解除」と「解約」は法令用語で、どちらも契約関係を解消する点では違いはありません。
しかし法的な効力については、意味が異なります。

「解除」とは、契約を締結した当事者(地主と借地人)のいずれか一方の意思表示によって、契約が最初から存在しなかったのと同じ状態にするという意味です。(民法第545条

契約違反などに加えて、地主と借地人の信頼関係の破壊があった場合に認められる強制的な契約破棄が解除です。
解除には、解除しようとする側に「解除権」が必要になります。(解除権については第3章「催告解除の場合」で解説します)

解除では原則的に、契約関係を解消するまでにやりとりしたものを返還(原状回復)しなければなりません。
しかし、賃貸借契約(借地契約)など長期に渡る契約では、過去に遡って地代などを遡って精算するのは現実的ではないため、将来に向かってのみ効力を生じるのが一般的です(民法第620条)。

「解約」は、借地契約のような継続的な契約関係において、解除権の有無とは無関係に一方の当事者の意思表示での契約終了を指します。
借地契約の場合、多くは借地人からの申し出で、双方合意で行われます。

よくあるケースで例えると、借地契約を契約違反によって解除する、もしくは契約違反などはないが、一方の都合で解約する場合がある、となります。

これまで説明したとおり、旧法借地権の解約は正当事由の定義がなく地主側から行うのは困難です。しかし、条件によっては解除が可能になります。

地主が借地契約を解除できる条件

地主が借地契約を解除するには、解除に値するだけの条件が必要です。
借地契約は契約違反があったとしても、それだけで解除はできません。
地主と借地人の信頼関係が破壊されたと認められる必要があります。
これを「信頼関係破壊の法理」といいます。

地主と借地人の信頼関係が破壊したと判断される可能性のある解除条件には、以下のようなものがあります。

  1. 地代の滞納
  2. 借地権の無断譲渡・転貸
  3. 土地の用法違反
  4. 増改築禁止の特約違反

地主が借地契約を解除できる条件①:地代の滞納

地代の滞納は借地契約の解除になる可能性があります。
1ヶ月滞納したからといって、即座に解除にはなりません。
目安としては、3~6ヶ月以上滞納された場合に解除になる可能性が高くなります。

旧法借地権が借地人に有利と言っても、借地権は地代の支払いで維持されています。
万一、地代の支払いが遅れる場合は、地主に一報をいれ事情を説明しておきましょう。

地主が借地契約を解除できる条件②:借地権の無断譲渡・転貸

地主に無断で借地権を譲渡したり、また貸し(転貸)したりすると、重大な契約違反として解除に至る場合があります。

注意すべきは、建物は借地人が所有しているので、相続による名義変更や建物の貸し出し(貸家)に地主の承諾は不要とされている点です。
しかし実際に建物の所有名義を相続発生前に親族などに移転したり、第三者に名義変更を行うと、借地権の移転となり無断譲渡になってしまうのです。

譲渡した相手が親族で、家業を引き継ぐなどのケースでは解除が認められない事例もありますが、多くの場合、裁判に至るなどトラブルの原因となります。
信頼関係の維持には、承諾が不要とされる建物の転貸などであっても、地主に一報を入れるのが安心です。

地主が借地契約を解除できる条件③:土地の用法違反

居住用の用途として建てた建物で販売店などを経営している場合、土地の用途違反として解除になる場合があるでしょう。

自宅の一部のみを利用したハンドメイド作品の販売や、学習塾の開設など、居住がメインの場合は解除を回避できるケースもあります。
しかし、これも程度問題であり、事業の規模や態様によっては用法違反と判断される可能性があります。
地主に一報をいれておくだけで裁判沙汰にならずに済む場合もあるため、報告しておくことを強くおすすめします。

地主が借地契約を解除できる条件④:増改築禁止の特約違反

借地契約には建物の増改築禁止の特約がある場合が多く、大規模な増改築やリフォームは契約違反となり、解除につながってしまいます。

建物が借地人の所有であっても増改築禁止を明記するのは、建物の寿命が借地権の存続期間に関わるためです。
借地人が所有する建物であっても、建物に手を入れる場合は地主の承諾を得ておきましょう。

また、建物の寿命に影響がない程度の軽微なリフォームの場合、地主の承諾は不要とされることが少なくありませんが、契約内容や具体的なリフォームの範囲によっては判断が分かれることもあります。
こういったケースにおいても、事前に地主と協議することが望ましいでしょう。

借地契約が解除されるまでの流れ

それでは、実際に借地契約が解除される場合、どのような流れで手続きが進むのか確認していきましょう。

借地契約の解除の手続きには以下の2種類があります。

  1. 催告解除
  2. 無催告解除

借地契約が解除されるまでの流れ:【パターン①】催告解除の場合

借地契約を解除する場合、原則は「催告解除」となります。(民法第541条

催告とは、借地人に対して、契約違反をしている旨や、対応期限が記載された通知です。

借地権契約における「催告解除」の流れは以下の通りです。

  1. 催告通知
  2. 催告解除の通知(催告期間経過後)
  3. 解除の意思表示
  4. 土地の明け渡し

催告解除の流れ①:催告通知

地代の滞納の場合、3~6ヶ月以上の滞納で催告解除になる可能性が高くなります。
一般的には1ヶ月でも滞納すれば、借地人による債務不履行の状況が発生しますので、借地人には支払いを促す催告の連絡が地主から入るでしょう。
※裁判例では、一般的に6ヶ月以上の地代滞納が契約解除の判断基準の一つとされています。

催告解除の流れ②:催告解除の通知(催告期間経過後)

「催告解除の通知」が借地人に届きます。
内容証明郵便など、配達記録される方法で届くのが一般的です。
通知には、状況を改善するための猶予期間が記載されています。
期間は地主側で設定できますが、地代の滞納であれば7~10日、もしくは2週間程度の一般的な猶予期間が設けられます。

なお、無断で借地権を譲渡したり転貸したりした場合は、催促解除の通知が届かない場合もあるので注意しましょう。(この場合は無催告解除に該当する可能性があります)

催告解除の流れ③:解除の意思表示

催告通知を送付し、設定した期間が過ぎても状況が改善されない場合、地主には借地人に対する「解除権」が発生します。
地主は、借地人に借地契約を解除する旨の連絡を入れます。

催告や解除の通知方法に決まりはありません。
しかし、その後の裁判では解除が適正に行われたかが判断される場合があるため、一般的に通知は配達記録郵便で届きます。

催告解除の流れ④:土地の明け渡し

借地契約の解除後、契約終了に基づいて土地の明け渡しを求めます。
借地人が立ち退きを拒否した場合には、土地明渡請求訴訟を行います。
勝訴後、強制執行の手続きとなります。

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借地契約が解除されるまでの流れ:【パターン②】無催告解除の場合

無催告解除は、一定の条件に該当する場合、催告を行わずに即座に借地契約を解除できます。
無催告解除が有効になるのは、民法第542条の規定に合致する場合です。

催告によらない解除

一 債務の全部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
四 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。
五 前各号に掲げる場合のほか、債務者がその債務の履行をせず、債権者が前条の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。

引用元 民法第542条

もしくは借地契約を締結した際の賃貸借契約書に「無催告解除特約」が明記されていれば、無催告解除が有効になるケースがあります。
ただし、無催告解除特約があっても、消費者契約法などにより無効とされる場合もあるため注意が必要です。

手続きは催告解除に比べ、シンプルです。
まず内容証明郵便により、借地人に無催告解除の意思を告げます。
その際は、無催告解除ができる法的根拠が明示されます。

そののち、土地の明け渡しが求められるでしょう。借地人が拒否した場合は、訴訟や強制執行の手続きが取られます。

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【借地契約の解除トラブルへの対処法】借地権に強い弁護士に相談するのがおすすめ

地主から借地契約の解除を求められると、借地人は戸惑い、焦ってしまうでしょう。

しかしこのような場合、放置するのが最も悪手です。

催告・解除通知が届いているのであれば、提示されている期間までに対応が必要です。
無催告通知であれば、事態は差し迫っていると言えます。

弁護士に相談するのはハードルが高く感じるかもしれませんが、地主と借地契約の解除でトラブルが起こっている場合は、まずは借地権に強い弁護士へ相談し、専門的なアドバイスを求めることをお勧めします。

借地権に強い弁護士は、民法・旧借地法・借地借家法などに詳しく、不動産トラブルの対応経験が豊富な弁護士です。
法律は膨大にあるため、すべての弁護士が借地権に詳しいわけではなく、それぞれ得意分野が異なります。
だからこそ、借地権問題に精通した専門家を選ぶことが大切なのです。

弁護士事務所のホームページでは、弁護士の得意分野やこれまでの実績を確認できますので、どの分野に強いのか判断する参考にしましょう。
また、可能であれば実際に初回相談などを利用して自身の現在の状況を具体的に相談してみましょう。
その際、似た事例の取り扱い経験について尋ねてみると、より安心感につながるでしょう。

なお、当社センチュリー21中央プロパティーには、借地権専門の社内弁護士が常駐しております。
借地権トラブルや売却に対する法的観点からのアドバイスがいつでも可能となっておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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借地権の解除に関してよくあるご質問

借地権の解除に関して、よくあるご質問をいくつかご紹介します。

Q1.借地人の方から借地契約の解約を申し入れることはできますか?

Q1.借地人の方から借地契約の解約を申し入れることはできますか?

A.原則として一方的な解約はできませんが、例外もあります。

借地人から一方的に契約期間の途中で解約を申し入れることは、原則として認められていません。
これは、地主側も契約期間中の安定した地代収入を期待しているためです。

しかし、以下の場合は解約が可能です。

  • 契約書に特約がある場合:賃貸借契約書に「借地人は〇ヶ月前の予告をもって解約できる」といった中途解約に関する特約が定められていれば、その条項に従って解約できます。
  • 地主との合意がある場合:地主との話し合いにより、双方が合意すれば解約することは可能です(合意解約)。
  • 借地人が自ら残りの契約期間における権利を放棄する形での解約は、借地人を保護するという借地借家法の趣旨に反するものではないため、これらの方法で解約が認められることがあります。

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Q2.地主と借地人の双方が合意すれば、借地契約の解約はできますか?

Q2.地主と借地人の双方が合意すれば、借地契約の解約はできますか?

A.はい、双方の合意があれば可能です。

契約期間の途中であっても、地主と借地人の双方が合意すれば、借地契約を解約(合意解約)することは可能です。

これは契約自由の原則に基づきます。

地主側が何らかの理由で契約を終了させたい場合、借地人に対して合意解約の交渉を持ちかけることがあります。
この交渉において例えば地主から借地人へ立退料などの条件提示がなされることもあります。

重要なのは、あくまで借地人がその条件に納得し、任意に解約に応じる必要があるという点です。
借地人に解約に応じる義務はありません。

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Q3.地主から契約解除の通知が届きました。まず何をすべきですか?

A.まずは冷静に通知内容を確認し、専門家へ相談しましょう。

地主から契約解除の通知(催告書や解除通知書など)が届いた場合、まずは慌てずに以下の対応を検討してください。

  • 通知内容の確認: 解除の理由(地代滞納、無断増改築など)、催告期間(もしあれば)、通知日などを正確に把握します。
  • 契約書の確認: ご自身の借地契約書の内容(契約期間、禁止事項、特約など)を再確認します。
  • 証拠の保全: 地代の支払い証明、地主とのやり取りの記録など、関連する書類や記録を整理・保管します。
  • 専門家への相談: 放置することが最も危険です。通知に記載された期限が迫っている場合は特に、速やかに借地問題に詳しい弁護士などの専門家に相談し、法的なアドバイスや対応策について助言を求めましょう。安易な自己判断は避け、専門家の見解を聞くことが重要です。

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Q4.地代を数ヶ月滞納してしまいました。すぐに契約解除されてしまいますか?

A.直ちに解除されるとは限りませんが、放置は大変危険です。

地代の滞納は、借地契約における重大な契約違反の一つです。
しかし、1~2ヶ月程度の滞納で直ちに契約が解除されるケースは稀です。

一般的に、契約解除が法的に認められる目安としては、3ヶ月から6ヶ月以上の滞納があり、かつ地主と借地人間の信頼関係が破壊されたと判断される場合とされています。

地主は通常、滞納が発生するとまず支払いを促す催告を行い、それでも支払われない場合に契約解除の手続きに進みます。

もし地代を滞納してしまった場合は、決して放置せず、速やかに地主に連絡を取り、事情を説明して支払いの意思を示すことが重要です。
誠実な対応を心がけ、分割払いの相談をするなど、関係修復に努める姿勢が求められます。

状況によっては、弁護士に相談することも検討しましょう。

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Q5.地主が更新を拒絶する際の「正当事由」とは、具体的にどのようなものですか?

A.地主側と借地人側、双方の事情を総合的に考慮して判断されます。

借地借家法(新法)では、地主が借地契約の更新を拒絶したり、解約を申し入れたりする場合には「正当事由」が必要とされています。

この正当事由の有無は、主に以下の要素を総合的に比較衡量して判断されます。

  • 土地使用の必要性(地主側と借地人側): 地主自身やその親族が土地を使用しなければならない差し迫った事情があるか、一方で借地人がその土地を引き続き使用する必要性がどの程度あるか。
  • 借地に関する従前の経緯: 契約締結からの期間、権利金や更新料の授受の有無・金額、地代の支払い状況など。
  • 土地の利用状況: 土地が有効に利用されているか、建物の老朽化の程度など。
  • 財産上の給付(立退料の申し出): 地主から借地人に対して、立ち退きに伴う経済的損失を補填するための財産上の給付(一般的に立退料)の申し出があるか、またその金額が妥当か。

「正当事由」の判断はケースバイケースであり、単一の要素だけで決まるものではありません。特に、立退料の提供は正当事由を補強する重要な要素の一つと考えられています。

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まとめ

借地権は、借地人に有利な旧法・借地法と、地主にも配慮された新法・借地借家法があります。
原則として、借地権の存続期間内に中途解約することは許されておらず、契約違反として地主から契約解除される場合もあります。

賃貸借契約書の内容を完全に把握している方は少なく、思いがけずトラブルになる場合もあるでしょう。

また、借地権の主な解除条件は、以下の4つです。

  • 地代の滞納
  • 借地権を無断で譲渡・転貸
  • 土地を契約とは違う用途で使用
  • 無断で増改築

借地権の解除でトラブルになってしまった場合、速やかに借地権に強い弁護士に対応を依頼しましょう。
センチュリー21中央プロパティーには、借地権トラブルを数多く解決に導いてきた社内弁護士が常駐しています。
すでに催告通知が届いており、時間がない状況であっても柔軟に対応可能ですので、まずは一度ご相談ください。

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この記事の監修者

塩谷 昌則シオタニ マサノリ

弁護士

弁護士。兵庫県出身。東京大学法学部卒業。東京弁護士会所属。弁護士資格のほかマンション管理士、宅地建物取引士の資格を有する。借地非訟、建物明渡、賃料増額請求など借地権や底地権をはじめとした不動産案件や相続案件を多数請け負っている。

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