地主との裁判|トラブル事例|借地権関連|法律・税金

更新日:
作成日:
コンテンツ番号:1365

地主との裁判

質問 現在、底地権者(地主)と裁判中です。
経緯をお伝えしますと、
底地権者(地主)の土地を収益物件として利用する提案を業者がし、マンションを建て、借地権を設定しておりました。
その後、マンションの入居率も悪くなり、話が違う!と契約解除を申し入れられました。
しかし、契約期間内であり、それは認められないと伝えたところ、裁判を提起されてしまいました。
裁判が進む中で、裁判所から和解案として、底地権の買取を提案されております。
裁判外で和解をする方が得という弁護士もいます。
どのようにすべきなのでしょうか。

詳細解説

和解とは

「和解」とは、大まかに言うとお互いの妥協点を見つけ、争いをやめることを言います。
実は「和解」は民法上の和解裁判上の和解2種類あります。民法上の和解の場合は契約の一種です。

話し合いのイメージ

1. 民事上の和解

(和解)
民法695条:「和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。」

引用元: より

和解の条件は「互譲」です。「互」いに「譲」ることが必要なので、一方の主張をすべて認める場合等は、和解には当たりません。

2. 裁判上の和解

よくテレビや新聞などでみる和解はこちらだと思います。すなわち、裁判が進むにつれて、和解が成立する場合です。例えば、肝炎訴訟において、国と原告(一般市民)が和解したのは記憶に新しいですよね。裁判上の和解とは、当然裁判で行われます。

(和解の試み)

民事訴訟法89条:「裁判所は、訴訟がいかなる程度にあるかを問わず、和解を試み、又は受命裁判官若しくは受託裁判官に和解を試みさせることができる。」

(和解調書等の効力)

民事訴訟法267条:「和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載したときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。」

法89条にあるように裁判所は和解を試みさせることができます。訴訟は長くやることが良いことではありません。そこで、裁判所は当事者らに和解の提案をすることができます。
裁判上で和解が成立すると確定判決と同一の効力を有するとあります。確定判決の効果としては1.執行力と2.一事不再理の効果があります。簡単に言いますと、

  1. 執行力とは、民事訴訟において、確定した給付判決に基づいて、強制執行をすることができる効力のことです。

  2. 一事不再理効とは、同じ訴えをすることができないという意味になります。

和解をすると

和解が成立する=自己の主張が100%通ることは無くなってしまいます。前述しましたが、和解は、譲り合うことが条件だからです。
仮に裁判所から和解案を提示された場合には、完全勝訴というのは難しいというサインとも言えます。そうであれば、和解の中でより良い条件になるよう交渉や提案、駆け引きをする方が得策とも言えます。

この記事の監修者

菅原 悠互スガワラ ユウゴ

弁護士

弁護士。東京弁護士会所属。常に悩みに寄り添いながら話を聞く弁護方針で借地非訟手続きや建物買取請求権の行使など今社会問題化しつつある借地権トラブル案件を多数の解決し、当社の顧客からも絶大な信頼を得ている。

この記事のタグ

おすすめの記事はこちら