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借地権の譲渡承諾料とは?相場や支払いが必要・不要なケースを解説

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借地権の譲渡承諾料とは?相場や支払いが必要・不要なケースを解説

借地権の譲渡承諾料とは?相場や支払いが必要・不要なケースを解説

借地権を第三者に譲渡・売却する際に、地主から譲渡承諾料を求められます。
譲渡承諾料は払う必要があるのか、相場はどの程度なのか気になる方もいるでしょう。

この記事では、借地権の譲渡承諾料の必要性や相場、地主とのトラブルについて解説します。

借地権の譲渡承諾料とは?

借地権の譲渡承諾料とは、借地権を第三者に譲渡(売却・贈与など)する際、地主から承諾をもらうために支払うお金です。
一般的に「名義変更料」とも呼ばれます。

借地権は地主から土地を借りる権利であり、その権利を別の人に移すには、土地の所有者である地主の許可が必要です。

多くの場合、地主が譲渡を承諾する条件として、譲渡承諾料の支払いを求められます。
この承諾料が地主に支払われることで、地主との良好な関係を維持し、借地権譲渡のスムーズな実行が期待されます。

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借地権の譲渡承諾料の相場

借地権の譲渡承諾料の相場に法的な定めや根拠はないものの、一般的に借地権価格の10%程度とされています。

借地権価格とは、その土地が所有権だった場合の価格(更地価格)に国税庁の定める借地権割合を掛けて算出される評価額や、実際の売買価格のことです。
この借地権価格を基に、譲渡承諾料の目安が計算されます。

(例)借地権価格が1,000万円の場合、譲渡承諾料の相場は100万円

ただし、この相場はあくまで目安であり、実際の譲渡承諾料は地域や土地の条件、地主との関係性などに応じて異なります。

最終的な譲渡承諾料は地主との交渉によって決まるため、事前に十分な情報収集と準備をしておくことが重要となるでしょう。

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譲渡承諾料の支払いは借地人の義務?

譲渡承諾料の支払いは、法律上は義務として定められているものではなく、あくまでも借地人と地主との間で慣習的に行われるものです。

しかし、地主の承諾なく無断で譲渡した場合、契約違反として地主から借地契約を解除されるリスクがあります。
そのため、譲渡を円滑に進めるためには事実上、支払いが必要となるケースがほとんどです。

一方で、相場よりも著しく高い譲渡承諾料を請求された場合や、承諾が必要のない場面で不当に承諾料を請求された場合は、地主の言いなりにならず、弁護士や借地権に詳しい不動産会社などの専門家に相談することをおすすめします。

借地権の譲渡承諾料が必要なケース

譲渡承諾料が必要になるのは、借地権という権利を別の人に譲渡するために地主の許可が必須となる、以下のような状況です。

  1. 譲渡(売却)する場合
  2. 贈与する場合
  3. 遺言によって譲る(遺贈する)場合

譲渡承諾料が必要なケース①:譲渡(売却)する場合

借地人が、その権利を第三者に譲渡(売却)する場合です。
金銭の授受がなくとも、借地権の権利移転には地主の許可が必要なため、譲渡承諾料が発生します。

譲渡承諾料が必要なケース②:贈与する場合

親族や友人などに借地権を無償で贈る場合も、売却と同様に権利が移転するため、名義の書き換えには地主の許可が必要です。
この際も、譲渡承諾料が原則として必要になります。

譲渡承諾料が必要なケース③:遺言によって譲る(遺贈する)場合

遺言によって法定相続人以外の人に借地権を譲る「遺贈」の場合も、地主の許可が必要です。
法定相続人が引き継ぐ「相続」とは異なり、遺贈の際には譲渡承諾料が発生する可能性があります。

上記のケースでは、借地権を処分する際に地主から譲渡承諾料を求められることが一般的です。

譲渡承諾料が不要なケース

譲渡承諾料が不要となるのは、主に以下の2つの状況が該当します。

  1. 借地権の種類が「地上権」の場合
  2. 法定相続人が相続で取得した場合

譲渡承諾料が不要なケース①:借地権の種類が「地上権」の場合

地上権とは、地主の承諾がなくても自由に譲渡や転貸ができる非常に強い権利(物権)です。
地上権の場合、借地権の譲渡が発生しても地主の許可は原則として不要なため、譲渡承諾料は不要となります。

ただし、現在流通している借地権のほとんどは、譲渡に承諾が必要な「賃借権」です。

譲渡承諾料が不要なケース②:法定相続人が相続で取得した場合

親から子へなど、法定相続人が借地権を受け継ぐ際は、通常、地主の許可や譲渡承諾料は必要ありません。
相続の場合は、売買や贈与と異なり、亡くなった方の権利や義務をそのまま引き継ぐ「包括承継」にあたるためです。

ただし、地主との良好な関係を維持するため、相続が発生した旨を報告しておくのが望ましいでしょう。

いずれのケースでも、契約内容によっては特別な取り決めがある場合も考えられます。
そのため、実際の手続きを行う前に契約書を確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けましょう。

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譲渡承諾料以外にもある!借地権に関する承諾料

借地の場合、権利の移動にともなう譲渡承諾料以外にも、さまざまな場面で地主の許可が必要となり、その対価として承諾料の支払いが発生します。

借地権に関する、譲渡承諾料以外のの承諾料には、主に以下の4つがあります。

  1. 建て替え承諾料(増改築承諾料)
  2. 条件変更承諾料
  3. 転貸承諾料
  4. 更新料

その他の承諾料①:建て替え承諾料(増改築承諾料)

建て替え承諾料とは、借地上の建物を建て替える際に、地主に支払うお金です。
別名で増改築承諾料とも呼ばれます。
借地上の建物の耐用年数が経過した場合や、建物を新しくしたい場合などに地主の許可が必要となり、対価として建て替え承諾料(増改築承諾料)を要求されます。

建て替え承諾料は、木造(非堅固建物)が更地価格(土地の時価)の5%程度、鉄筋(堅固建物)なら8~12%程度が相場です。
ただし、契約内容や地主の意向によっては、建て替え時の許可や承諾料が不要な場合もあります。
建て替えを検討する際は、契約内容や地主との関係を確認し、必要に応じて専門家に相談するとよいでしょう。

その他の承諾料②:条件変更承諾料

条件変更承諾料とは、借地契約の条件を変更する際に、地主に支払うお金です。
木造などの非堅固な建物から、鉄筋など堅固な建物へ建て替えを行う場合、それに伴って契約期間が変わります。
このような借地契約の契約内容を変更する際には地主の許可が必要になり、条件変更承諾料を求められます。

条件変更承諾料の相場は、更地価格の10%程度が一般的な目安です。
具体的な相場は契約内容や地域によって異なるため、実際に契約条件を変更する際には契約書と周辺の相場を確認しておきましょう。

その他の承諾料③:転貸承諾料

転貸承諾料とは、借地人が所有する、借地権自体を第三者に転貸する際に、地主に支払うお金です。
事前の取り決めがない限り、又貸しを行う場合は地主の許可が必要となり、その許可を得るために転貸承諾料が発生することがあります。
借地権付きの建物を第三者に貸して家賃をもらう行為は、地主の許可が不要ですが、借地権の権利自体を転貸する場合は地主の許可が必要です。

例えば、地権付きの建物を解体して、第三者の名義で新しい建物を建て第三者がそこに住む場合は借地権の転貸にあたります。
この場合、借地契約を地主と借地人の名義で締結しているものの、実際に住んでいる人と建物の名義は第三者という関係になります。

【借地権の転貸にあたる例】
①借地人Aと地主Bは20年前に借地契約を締結↓
②Aは借地上に建物を建てて暮らしていたが、急遽アメリカに10年ほど移住することになったため、Bに承諾を得た上で、知人Cに借地権を一定期間転貸することにした↓
③Cは地主(B)の承諾を得て、Aの建物を増築した

転貸承諾料の相場は一概には決まっていません。

一般的には、転貸による借地権価格の10%程度とされていますが、実際の金額はケースバイケースです。契約内容や土地の立地条件、地主との交渉によって変わります。

その他の承諾料④:更新料

更新料とは、借地権契約の存続期間が終了し、契約を更新する際に借地人が地主に支払うお金です。
更新のある借地権の場合、契約期間が終わるたびに、借地人は地主の許可を得て契約を更新する必要があり、その際に更新料が発生します。

更新料の相場は、一般的に更地価格の3~5%程度です。
ただし、契約の条件や地域、土地の立地条件によっては更新料の基準が異なる場合もあります。
また、更新料の有無や金額は借地人と地主の合意によって決まるため、必ずしも更新料が発生するわけではありません。

しかし、契約書に更新料の支払いが明記されていなくても、過去に更新料を支払っていた場合は、更新料の支払いを地主から求められる可能性が高いです。
更新料の支払いは義務ではありませんが、契約更新をスムーズに行うため払っておいた方が良いケースもあります。

相場
譲渡承諾料借地権価格の10%
建て替え承諾料更地価格の5~12%
※構造によって異なる
条件変更承諾料更地価格の10%
転貸承諾料借地権価格の10%
更新料更地価格の3~5%

地主が譲渡を承諾しない場合の対処法「借地非訟」とは

地主が合理的な理由なく譲渡を拒否した場合、裁判所に「借地権譲渡許可の申立て(借地非訟)」を行って、地主の代わりに譲渡を許可してもらうことが可能です。

借地非訟により裁判所が「地主に譲渡を拒否する正当事由なし」と判断すれば、地主の承諾が得られなくても、第三者への売却は可能になります。

もっとも、裁判所が定めた承諾料を地主に払うことが前提となります。

「いきなり裁判は・・・」という方は、まずは借地権に詳しい不動産会社や弁護士に相談し、地主との交渉を依頼する方法がおすすめです。

弁護士など専門家と提携している不動産会社であれば、地主との交渉代行や仲介、トラブルの解決策を見つける手助けをしてくれます。

センチュリー21中央プロパティーには、借地権に強い社内弁護士が常駐しているため、売却に伴う借地非訟手続きもスムーズに進めることが可能です。

出典:最高裁判所「第1借地非訟とは」

まとめ

借地権の譲渡承諾料は、法律上の義務ではないものの、借地権を円滑に売却・贈与するためには重要な費用です。
承諾料の金額は地主との関係性や契約内容によっても異なり、地主と条件や金額について交渉をしなければならないケースもあります。

地主との交渉がうまくいかないときは、裁判所で借地非訟の手続きを申立てたり、不動産トラブルに強い弁護士が常駐している不動産会社に相談したりすることをおすすめします。

当社センチュリー21中央プロパティーは、借地権専門の不動産仲介会社です。
借地権の専門家のみが在籍しており、豊富なノウハウを生かし、地主との交渉もスムーズに代行。
さらに、借地権に強い社内弁護士が常駐しているため、借地非訟をはじめ、法的な専門知識や見解が不可欠な手続きに関しても、常にトラブルを未然に防ぎつつ、安全に進めることが可能です。
また、センチュリー21グループが誇る広範な”買い手ネットワーク”により、可能な限り好条件での購入希望者をお探しします。
ご相談~売却まで諸費用は一切頂いておりませんので、借地権売却をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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譲渡承諾料に関してよくある質問

譲渡承諾料に関してよくある質問と、その回答をいくつかご紹介します。

Q1.高すぎる譲渡承諾料を提示された場合、従うしかないのでしょうか。

A.譲渡承諾料の具体的な金額や算定方法について定めた法律は存在しないため、具体的な承諾料の金額をどうするかは、原則として当事者間の合意で決めるものです。

ただし、相場からかけ離れた法外な承諾料を地主から請求された場合は、借地権に詳しい不動産会社や弁護士に相談することをおすすめします。

Q2.譲渡承諾料は誰が支払うのですか?

A. 原則として、譲渡によって利益を得る借地人(売主)が支払います。

ただし、当事者間の合意があれば、買主が一部または全額を負担するケースもあります。

売買契約を結ぶ前に、誰がどのくらい負担するのかを明確にしておくことが重要です。

Q3.譲渡承諾料に消費税はかかりますか?

A.土地の譲渡や貸付に関する承諾料は非課税取引とされており、原則として消費税はかかりません。

これは、譲渡承諾料が土地の貸借権(借地権)という資産の譲渡の対価と考えられるためです。

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この記事の監修者

都丸 翔五トマル ショウゴ

社内弁護士

当社の専属弁護士として、相談者の抱えるトラブル解決に向けたサポートをおこなう。
前職では、相続によって想定外に負債を継承し経済的に困窮する相続人への支援を担当。これまでの弁護士キャリアの中では常に相続人に寄り添ってきた相続のプロフェッショナル。

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